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「マイナンバー」導入が与える「税」への影響

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国民に渡される「マイナンバー」とは?

2015年10月から、12桁の番号が各個人の手元に通知される。法人には、13桁の法人番号が通知される。この番号が社会保障・税番号制度の「マイナンバー」と呼ばれるものである。

2016年1月から、社会保障、税金、災害対策の行政手続き等をする際に、窓口で「マイナンバー」が必要になり、申請者には個人番号カードが交付される(手持ちの住基カードは有効期限まで使用可能)。

また、2017年1月からは、インターネット上で自身の個人情報を閲覧したり、行政手続きが行えたりする個人向けサイト「マイナポータル」の開設が予定されている。

 

なお、2015年10月の「マイナンバー」の通知受取には、基本的に住民票と現住所が一致していなければならない。やむを得ず、住民票の所在地で受取ができない場合は、「居所情報登録申請書」を住民票のある役所へ2015年8月24日(月)~9月25日(金)までに持参か郵送で届け出ることになる。

政府広報の説明によると、マイナンバー制度を以下のように説明している。

複数の機関に存在する個人の情報を同一人の情報であるということの確認を行うための基盤であり、社会保障・税制度の効率性・透明性を高め、国民にとっての利便性の高い公平・公正な社会を実現するための社会基盤(インフラ)(引用元:内閣官房資料)

つまり、「情報の照会に正確性を高めた、国民に便利な制度である」といっているのであるが、本当はどうであろうか。

参考サイト:内閣府・内閣官房「マイナンバー社会保障・税番号制度概要資料」(PDF)

 

「マイナンバー」のメリットとは?

個人情報を一元管理することになる「マイナンバー」。そのメリットには、役所側が事務手続きで調べる際のミス軽減や時間省略、コスト削減等が第一に挙げられる。その他、所得申告や扶養控除・生活保護の不正防止等に役立つこともメリットであろう。

ただし、主に役所側の事務処理上のメリットが大きいことはわかるが、国民側のメリットが今一つ薄い。個人番号カードを持てば、氏名、住所、生年月日、性別が必ずあるため身分証明書となることや、今まで諸手続きで必要だった所得証明書添付や住民票の写しが不要になることぐらいであろうか。

なお、「税」の分野のメリットでいうと、税務署に提出する申告書、源泉徴収票、支払調書などの書類に「マイナンバー」が必要になるものの、税務署が番号照会によって情報を正確に管理でき、効率的になるということ等が挙げられるが、やはり国民側のメリットは薄いように思える。

 

「マイナンバー」のデメリットとは?

記憶に新しいところで行政側の不手際といえば、日本年金機構の個人情報流出があったことは多くの方が覚えているだろう。「マイナンバー」導入前からこのようなことが起きれば、セキュリティー面でこれからの懸念があることは否めない。

個人に割り振られた番号は原則一生涯変わらないので、一旦、情報漏洩が起こってしまえば、歯止めをかけることは難しい。個人のパソコンからの漏洩であれば、なお対策は難しいであろう。一括で提供する情報のメリットより、一括で漏れてしまう情報への不安の方が大きいのかもしれない。

 

今のところ、導入当初は行政機関のみで実施・利用されていく予定だが、今後、民間ベースの取引にもマイナンバーの利用が拡大していくことが検討されている。銀行や証券会社等の口座への適用義務付けが識者を含めた政府レベルで議論されているのは事実であり、近い将来のハナシとして、「マイナンバー」なしではこういった金融機関で取引をすることができなくなる可能性は大きい。

そのうち、「マイナンバー」で資産や所得が正確に把握されるようになると、銀行預金や株式などで得られた利息や利益にかかる約20%の分離税率も総合課税に変わってくるかもしれない。

 

「マイナンバー」は、いつ、どの「税」に?

「マイナンバー」導入後に早速関係しそうなのが会社員や公務員の年末調整で、配偶者控除や扶養控除の適用申請をする「扶養控除申告書」であろう。所属の税務実務として、2016年1月の給料支払いから影響することになる。

「マイナンバー」が影響する「税」の種類と時期

・「所得税・贈与税」について・・・2017年分の申告書から

・「法人税」について・・・2017年1月1日以降、事業年度に関する申告書から

・「消費税」について・・・2017年1月1日以降、課税期間に関する申告書から

・「相続税」について・・・2017年1月1日以降、相続、遺贈に関する申告書から

・「源泉徴収票」について・・・2017年1月以降、支払に関するものから

 

「マイナンバー」の管理システム導入には、莫大な費用もかかり、そこには税金が投入される。今後、「マイナンバー」がどのように生活に関わってくるのかを、国民一人一人が注意深く見ていかなければならない。政府の言う、社会保障・税番号制度は個人生活の根幹に関わることであるのだから。

 

参考記事:
マイナンバー制度の概要と導入による影響
生活保護費の不正受給とマイナンバー制度

 

本記事は、2015年09月02日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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