法務・税務・労務などの問題解決エンジン
some system placed here.

「原状回復」にまつわるトラブルに注意!!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

不動産賃貸で起こるトラブルに注意!

4月は入学や入社の季節、新天地への引越しのため、新しい部屋を探す方も多いでしょう。
新しい部屋の前家賃や敷金礼金、引越し費用など、出費も多くなりがちなので、なるべく退去にはお金をかけたくないというのが、本音なのではないでしょうか。

しかし、思ったより原状回復にお金がかかったというケースもあります。

 

貸主がフローリングや畳の表替え、壁紙の張替えなどを行い、その高額な費用を全て借主に請求されたといった事例もあり、実は大きな問題となっていました。

そこで、原状回復についての契約や費用負担等のルールのあり方を明確にして、賃貸住宅契約適正化をはかるために、ガイドラインが作られました。

国土交通省住宅局が作成したガイドラインで、一般的にどこまでが借主の費用負担で、どこまでが貸主の費用負担と考えられているかが示されています。

参考サイト:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(PDF)

 

また、東京都では独自に賃貸住宅紛争防止条例が定められており、原状回復等に関する民法などの法律上の原則や、判例により定着した考え方を、宅地建物取引業者が借主に説明することを義務付けています。

参考サイト:東京都都市整備局「賃貸住宅紛争防止条例」

 

この条例があるために、東京都では、不動産会社が賃貸物件の契約を行う際には、必ず原状回復等についての説明を行わなければなりません。

また、国土交通省のガイドラインでも同様の説明を行うことが、奨励されています。

では、実際にはどのような考え方となっているのか、その内容をご紹介していきましょう。

 

これ、どちらが直せば良いですか?

賃貸住宅を退去する際に、室内を借りる前の状態に戻すことを、原状回復と呼びます。
しかし、住宅は使用され年数を経るごとに劣化をしていきますので、完全に前の状態に戻すということは不可能です。

そこで、個々の賃貸借契約において、原状回復の範囲がどこまでなのかを契約時に説明することで、未然にトラブルを防ごうというのが、ガイドラインの目的です。

実は、契約自由の原則という考え方によって、民法や借地借家法などに抵触しない範囲であれば、民間賃貸住宅の賃貸借契約は有効となり、行政が規制することができません。

そこで、このガイドラインには、現時点で妥当と考えられる一般的な基準をまとめています。

賃貸借契約を一般的な契約に合わせる必要は法律上無いため、借主に著しく不利益となる内容の契約を結ぶことは可能です。しかし、不動産会社で説明を行う際には、一般的にはどのような基準になっているのか、その契約は特約として借主に不利な条項があることが説明されますので、借主は自分が結ぶ契約が一般的でないことが分かります。

不利な条件を受け入れるかどうか、契約を結ぶ前に判断をすることができるのです。

あまりに理不尽だと感じる内容であれば、契約を交わさずに新しい物件を探すことも出来ます。貸主側も、借り手がつかないよりはと、一般的な条件に近づけようとするでしょうから、結果的に適正化につながっていくわけです。

 

では、一般的な契約とはどのようなものなのでしょうか。

東京都が作成した賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書のモデルでは、退去時における住宅の損耗等の復旧などについて、以下のように示しています。

退去時における住宅の損耗等の復旧について
1.費用負担の一般原則について
(1) 経年変化及び通常の使用による住宅の損耗等の復旧については、賃貸人の費用負担で行い、賃借人はその費用を負担しないとされています。
(2) 賃借人の故意・過失や通常の使用方法に反する使用など賃借人の責めに帰すべき事由による住宅 の損耗等があれば、賃借人は、その復旧費用を負担するとされています。
2.例外としての特約について 賃貸人と賃借人は、両者の合意により、退去時における住宅の損耗等の復旧について、上記1の一 般原則とは異なる特約を定めることができるとされています。 ただし、特約はすべて認められる訳ではなく、内容によっては無効とされることがあります。

住宅の使用及び収益に必要な修繕について
1.費用負担の一般原則について
(1) 住宅の使用及び収益に必要な修繕については、賃貸人の費用負担で行うとされています。
(2) 入居期間中、賃借人の故意・過失や通常の使用方法に反する使用など賃借人の責めに帰すべき 事由により、修繕の必要が生じた場合は、賃借人がその費用を負担するとされています。
2.例外としての特約について 上記1の一般原則にかかわらず、賃貸人と賃借人の合意により、入居期間中の小規模な修繕につい ては、賃貸人の修繕義務を免除するとともに、賃借人が自らの費用負担で行うことができる旨の特約を 定めることができるとされています。

引用元:東京都住宅整備局「賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書(モデル)」(PDF)

 

つまり、借主の故意や過失、通常とは異なる使用方法などの借主が原因で補修や修繕を必要とした際は借主に負担義務がありますが、それ以外の損耗については貸主が補修や修繕を行うというのが一般的だと言えます。

契約に特例をつけることは可能ですが、その内容については不動産会社で説明されます。

 

契約内容と実際が異なっていたら・・・

契約を結んだ際には不審な点が無かったにも関わらず、高額な修繕費を請求された例があります。

面倒を避けて支払ってしまいそうですが、契約時の内容と異なっていれば、支払わなくて良い場合も多いのです。

不当な請求を受けた際には、契約書や請求書を持参し、法律の専門家に相談することをオススメします。

 

本記事は、2016年03月23日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

prof Kasiko編集部

編集チーム

  • 所属:Kasiko

関連記事


新着記事
公式Facebookページ 公式Facebookページ
誰に何と相談していいかわからない方へ
050-7576-0762
[日本法規情報]
  • 平日10:00~20:00
  • 土日祝終日、受付のみ対応

誰に何と相談していいかわからないあなた。
私達が相談相手探しのお手伝いをいたします。

無料相談・全国対応 050-7576-0762 お電話ボタン