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お酒の廉価販売が禁止に!?庶民から反発の声

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公正な価格基準を設けた酒税法改正案提出へ

4月14日、”与党自民党が財務金融部会等の合同会議の場で、酒類の過剰な安売りを規制することを目的として、酒税法等の関連法の一部改正案を議員立法で今国会に提出することを確認した”と、多数のメディアが報じている。

 

大型スーパーや量販店は、大量仕入れによって原価を抑え、酒類の格安販売を実現する。そればかりか、時には赤字になることも厭わない価格で酒類を目玉商品としてセール販売し、来客の呼び水とすることもある。

そうすると、仕入れ量では太刀打ちできない小売店―いわば”町の酒屋さん”は価格競争でも太刀打ちできず、その経営は疲弊していく。

自民党内には、こういった”町の酒屋さん”が衰退し、淘汰されることは消費者にとってかえって不利益となると考えている議員が少なくないようだ。

そこで、”町の酒屋さん”の経営を守るために酒類に”公正な販売価格基準”を設けて、時には仕入れ原価をも下回るような、採算度外視の不当な廉価販売を規制しようというのだ。

この規制に違反した店には業務改善命令が出され、この命令にも従わない場合は、酒類販売免許を取り消す等といった厳しい罰則まで法案に盛り込まれる見込みであるという。

 

価格規制案に対する小売店、量販店、メーカーの反応

ある報道番組で酒屋店主が語ったところによると、量販店との競争激化の影響は極めて大きく、毎年のように、同じ地区内の同業者3~4人が経営継続を断念して廃業を決断しているのだそうだ。

よって、”町の酒屋さん”的小売業者からすると、この自民党の改正案は諸手を挙げて賛成で、”一刻も早く成立させて欲しい”と願っているようだ。

 

対して、量販店側からは反発の声が挙がる。

量販店からすれば、身を削って赤字覚悟の廉価販売を行うことで、ようやく客を店舗に呼び込めているのであって、これは言い換えれば”企業努力”とも言える。

量販店の店舗責任者等は、「改正案が成立したら、どうやって他店と差別化していけばいいのか・・・」と嘆いているそうだ。

 

他方、メーカーとしては販売価格が安定することや販売奨励金が無くなることで、より利益確保のチャンスが生まれる反面、廉価販売効果による大量購入が無くなることで販売数量が減少することを警戒する声もあるという。

国内酒類大手メーカーからは「安売り競争がなくなれば、採算を度外視したような卸価格や販売奨励金などがなくなり、収益性は改善する」(幹部)との歓迎の声もある。ただ、「安売り減が販売数量減につながる危険もある」(営業担当)と警戒する意見もある。(引用元:産経新聞)

 

価格規制案に対する一般庶民の声

翻って、お酒を愛飲する一般庶民はどうかというと、一部には「酒屋さんを守るためには仕方がないのかも・・・」との声があるものの、大半は改正案に対する反対意見が並ぶ。

基準価格を定めて酒類の安売りが規制されれば、庶民はこれまでのように、安価で酒類を購入する機会を失うこととなる。

つまり、改正案は事実上の”酒類の値上げ”とも受け止められ、ひいては家計負担の増大に繋がることとなるのだ。

インターネット上には、「国が自由競争を阻害するな」「庶民のささやかな楽しみを奪うな」等と改正案に反発する声が躍っている。

 

来年度にも発泡酒と第3のビールが増税に

そもそも酒類販売は、”距離基準(酒屋と酒屋の間に一定以上の距離をあけなければならなかった)”等の規制が敷かれて制限されていたものの、1990年代に規制緩和が進み、2001年頃からスーパーやコンビニ等の大手小売業者が市場を席巻していった。

当時から”町の酒屋さん”に関しては、大手小売業者にシェアを奪われることで、その経営が悪化することを危惧されていたようだが、政府は酒類業界の拡大を選択したわけだ。

案の定、大量取引の利点を享受できない”町の酒屋さん”は衰退していった。

国税庁によると平成7年度に全体の79%だった一般酒販店の割合は、量販店との競争激化で、24年度には31%まで低下している。(引用元:産経新聞)

 

そして、ここへきて”町の酒屋さんを保護しよう”という動きが出てきたわけだが、例えばプリンターの普及で印刷工場が消え、携帯の写メやデジタルカメラの普及によってカメラ屋(写真の現像業者)が街中から激減したように、時代の流れとともに生まれる業態と廃れる業態があるのは至極自然なことだ。

酒税に関しては来年度にも、高過ぎるとの指摘が多かった”ビール”類の税率が引き下げられるかわりに、これまで税率が低くかった”発泡酒”と”第3のビール”が増税となる見込みだ。

自民党の改正案に対し、お酒を愛飲する一般庶民の多くが腑に落ちない思いを抱くのも当然だ。

 

参考記事:
酒税法改正で第3のビールは値上げ必至に
サッポロの極ZEROショックに見る酒税の仕組み

 

本記事は、2015年04月16日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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