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とりあえず遺言書を残せば安心!?

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遺言書の意義

一家の主として、もしもの時・・・。でも、「子供がいないけれど、妻に全部譲渡するから大丈夫」「子供たちはとても仲がよいので大丈夫」「自分の兄弟や姉妹も揉めたことがないので大丈夫」などと楽観視していないだろうか。もし、遺言書なんて大袈裟な…と思っているなら、今すぐ改めた方がよいだろう。

故人になってしまった、あなた。きっと、あの世からは想像もつかないであろう。妻や子ども、親戚の揉めている姿が。遺言書がなかったばかりに、遺産相続で悲しいトラブルにならないように、遺言書は存在するのである。遺言書を残せば、被相続人の意思表示が法定相続分よりも優先的な扱いになるが、遺留分の問題で揉めることもある。あって揉めることもあるのだから、なくて揉めることは必至くらいに思ったほうがよいかもしれない。

※遺留分とは、法定相続人以外に相続させる被相続人の意思を示す遺言書があったとしても、相続人(配偶者、子供、孫、兄弟姉妹、父母。祖父母)に対して一定の割合を保証する取り分のことを言う。この取り分の返還請求権利が「遺留分減殺(げんさい)請求」と呼ばれている。

 

遺言書がない場合

遺言書が残されていない場合、相続人の話し合いによって遺産分割を行う。民法で決められた割合(法定相続)を基にするが、相続人全員が同意すれば割合は構わない。どちらの相続でも、全員の同意(遺産分割協議)を必要とし、同意書(遺産分割協議書)に印鑑証明書を添えて署名・捺印をしなければならないことになっている。たとえ、遺言書があったとしても、ルールを満たしていないなど、欠陥がある場合は無効となるので、注意が必要である。

全員の同意(遺産分割協議)に期限はないが、長引かせた期間に相続人が亡くなるケースも考えられるため、早い時期の同意を成立させておくようにしたいものだ。

 

遺言書がある場合

遺言書には、自分で書く「自筆証書遺言書」、公証人が立ち会う「公正証書遺言書」、自分だけが知る「秘密証書遺言書」の3種類がある。どれも署名・捺印が必要だ。一つずつ見ていこう。

「自筆証書遺言書」は、パソコンで書いた、日付や署名・捺印を忘れたなどのうっかりミスをすると、もう法的効力はゼロなので、気をつけたい。遺言書のトラブルが最も多いとされるのも「自筆証書遺言」である。こっそり秘密にして書いたとしても、遺言書作成時点の被相続人の精神状態や体調をめぐって、遺言書が真実であるかどうか揉めたりすることがあるのだ。3つの遺言書の中では、お勧めはし難いかもしれない。

「公正証書遺言書」は、自分が公証役場に出掛け、証人2人の立会いの下、口述内容を公証人に筆記してもらうことができる。病気などで出掛けられない場合や、遺言書に署名困難な場合も、公証人が代理で手続きしてくれることも可能だ。原本を20年間保管してもらうことができ、正本(原本と同一効力)は自分保管用になる。3つの遺言書の中では、一番の確実性ある遺言書だと言えるだろう。

「秘密証書遺言書」は、自分が公証役場に出向くことだけ「公正証書遺言書」の場合と同じだが、秘密にしたい内容の遺言書であるために、捺印と封印の印鑑を同じにした遺言書を事前に作ってから、証人2人と一緒に公証役場へ出掛けることになる。署名・捺印以外は、自筆でなくても可能なことから、揉める要素を含んでいる。公証役場の作成記録には残るが、保管はなく、記載の不備なども起こりやすい。これも3つの遺言書の中では、お勧めは難しいかもしれない。

あまりお勧めできない「自筆証書遺言書」「秘密証書遺言書」の2種類には、まだ他に理由がある。それは、変造や偽造防止のために遺言書の発見者や保管者が家庭裁判所に対して、『遺言書検認の家事審判申立書』を提出する手続きが増えるからだ。

※証人は、遺言書を残す本人確認、本人が意思作成した確認、公証役場の遺言書作成確認を目的として立ち会う。不適格とされる人は、未成年、推定相続人(現在の相続人)および受遺者(財産分与される者)とその配偶者および直系血族、公証人または公証役場関係者、遺言書の理解不能者になる。

 

相続人の話し合いでまとまらない場合

遺言書があっても、なくても、相続人の話し合いでまとまらない場合は、相手方の住所地(複数の場合はその中の1人または当事者が合意した)家庭裁判所に、遺産分割の調停・審判分割いずれかの申し立てを行う。ほとんどが調停分割申し立てから始まり、調停機関が入っての協議分割になる。

それでもまとまらず、調停が不成立になった場合、審判分割手続きへと移される(申し立て不要)。話し合いをする調停とは違い、家事審判官が事実調査や証拠調べ、当事者希望など、すべてを考慮して、民法の法定相続割合に基づいた審判となる。

ここでも不服があってまとまらなければ、審判を受けてから2週間以内に、審判をした家庭裁判所に不服の申立て(即時抗告)をし、ここからは高等裁判所で行われることになる。

 

参考記事:
相続のポイント ~遺言の方式~

 

本記事は、2015年06月09日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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prof Kasiko編集部

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  • 所属:Kasiko

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