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インターネットとリーガルリサーチ

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リーガルリサーチとは

 リーガルリサーチとは、法律問題を解決するために必要な法令、判例、通達その他の法律に関する情報を調査・分析することです。

 近年、弁護士に求められる事案解決までのスピード・量・精度はますます高くなっており、事案解決のスピードと精度を維持・向上させるうえで、効率よくリーガルリサーチを行うことは、弁護士にとって大変重要なスキルと考えています。

 

インターネットとリーガルリサーチ

 十数年前までのリーガルリサーチの中心は、公刊された判例集や法律雑誌に掲載された論文など紙媒体を対象としたものであったと聞いていますが、インターネット技術が急速に進歩しつつある現在では、リサーチの対象はインターネット上の電子情報に移行しつつあります。

 例えば、最新の法令情報を調べる場合には、政府が公開している「法定データ提供システム」を利用するのが便利です。平成13年4月1日以降に廃止等された法令データについても閲覧することができます。

 ※参考リンク:法令データ提供システム(無料)

 

 また、過去の裁判例を調査する場合には、裁判所が公開している「裁判例情報」を利用することができます。但し、過去のすべての裁判例が掲載されているものではなく、裁判例の重要性等を考慮して裁判所が選定した裁判例が掲載され、裁判当事者の具体的な氏名等はわからないように処理されています。

 ※参考リンク:裁判例情報(無料)

 

 民間事業者が提供している法律情報提供サービスもあります。各サービスにもよりますが、過去の裁判例のほか、最高裁判所裁判官による判例解説、法律雑誌に掲載された論文等も閲覧等することができます。有料ですが多くの弁護士が契約しています。

 その他、例えば、このウェブサイトのように、弁護士、司法書士、税理士、会計士その他の専門家が任意に法律情報を提供しているウェブサイトは多くあります。その専門家の具体的な経験を踏まえて提供される情報として参考になる場合も多くあります。

 

電子情報のメリット

 紙媒体の法律情報と比較した場合、インターネット情報の電子情報を用いたリーガルリサーチについては以下のような大きなメリットがあると考えられます。

1.情報へのアクセススピードが速い。
 インターネットを利用できる環境にあればアクセスできるため、リーガルリサーチのスピードと効率性を飛躍的に向上させます。インターネットがなければ、裁判例を確認するために国会図書館や専門書店において判例集を探すために費やしていたはずの時間と労力を大幅に省くことができます。

2.リサーチコストを節約できる。
 前述と関連しますが、時間と労力(書籍購入が必要な場合にはその費用)を省くことができるため、リーガルリサーチのために必要な経費を大幅に節約することができます(有料の法律情報提供サービスを契約する場合と比較しても大量の書籍を購入するよりはかなり費用節約できるように考えます。)。リサーチコストの低下によって、弁護士サービスもよりリーズナブルに提供できるようになると考えられます。

3.検索機能が充実している。
 文字情報が埋め込まれている電子ファイルにおいては、ファイル内の文字列を、コンピュータを用いて検索することにより非常に早くリサーチ対象となる情報にたどり着くことができます。紙媒体の書籍の場合には、目次や巻末索引から書籍内の目的の情報にたどり着かなければなりません。

 

 もっとも、裁判例や法律に関する議論は、十数年前まで判例集や法律書籍などの紙媒体により記録されており、必ずしもこれらの全てが電子化されていないことから、すべてのリーガルリサーチが電子情報だけで済むことはなく、現在は、電子情報と紙媒体の情報をどちらも調べることが多いです。

 

弁護士によるリーガルリサーチ

 インターネットの普及によって、弁護士等の法律専門家以外の方も、法律情報に触れることが容易になりました。しかし、法律情報へのアクセスが容易になったからといって、専門家以外の方が弁護士と同様の法律事務を行うことは難しいように考えています。

 

 その理由と第一としては、具体的な案件を処理するにあたって、どのような事項をリサーチすべきかという判断は、体系的に法律を学び、裁判等の経験を積んでいかなければできないように考えられることです。

 また、理由の第二としては、インターネット上の情報のなかには、断片的な情報、誤りを含む情報(当該情報自体が正確なものであっても、当該情報の前提となる文脈や具体的事情について読み違えてしまう場合もあります。)も存在し、これらについて適切に評価・判断するためには、法的素養が不可欠と考えられることです。

 理由の第三としては、情報を収集することができたとしても、集めた情報を用いて法律的な議論を組み立てるためには、そのために訓練や経験を積む必要があるということです。

 

AI時代のリーガルリサーチ

 少し話題はそれますが、ディープラーニングによって人工知能(AI)に関する技術がブレークスルーを遂げつつあります。

 AI技術は、弁護士等の専門家のリーガルリサーチにも大きな変化をもたらしてくれるのではないかと期待しています。

 

 現状では、個々の弁護士が書籍やインターネット上の情報を探して法律情報を検索していますが、将来的には、目指すべき目標、当事者の関係、具体的事情を入力することにより、AIプログラムが関連する法令・裁判例・法律論文等を自動的に収集・分析し、その中から具体的事案の処理のために必要な情報をまとめてくれるようになるかも知れません。

 ただ、そのようなAIプログラムを開発するためには、収集された情報の重み付けをするためにAIにリーガルリサーチに関する学習データを与えてやる必要があります。

 学習データの具体例としては、法令や裁判例だけではなく、リーガルリサーチの過程でどのような検索キーワード(その組合せを含む。)が検索されているか、どのような情報が閲覧されているか、などの情報も重要であるように考えています。

 

本記事は、2017年05月15日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

yoshida 吉田秀平

弁護士

上場企業の総務・法務を担当した経験を活かして、中小企業、ベンチャー企業、スタートアップの支援をさせて頂きたく思っています。訴訟になる前に、リスクが顕在化する前に、低コストで高い効果の予防法務サービスを提供することが目標です。

  • 所属:しぶや総和法律事務所


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