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ジェネリック医薬品の功罪

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増え続ける医療費

日本で医療費が増え続けていることはご存じでしょうか。

2014年度の概算医療費はついに40兆円を突破(2015年9月3日厚生労働省発表)、もうすぐ2015年度の概算医療費が厚生労働省から出される予定ですが、さらに増加していると見られています。

5年前の2009年度には35.3兆円だったことを考えれば、その増加率がいかに高いかがお分かりいただけるでしょう。毎年、増加額に増減はあるものの、1兆円ずつ程度増加しているのです。

参考サイト:厚生労働省「平成26年度 医療費の動向-MEDIAS-」

 

特に、75歳以上の高齢者の医療費が高額で、その金額は一人当たり年間900,000円を超えています。

65~75歳の平均は210,000万円なので、75歳以上はその4倍以上。65歳以下の現役世代に至っては、それがさらに少額となっています。

人口の高齢化によって高齢者が増え、それに伴って高齢者の医療費が増えるのは仕方がないという見方もありますが、一人当たりの金額も増加傾向にあるため、懸念されています。

ついに年間の医療費の総額が40兆円を突破した。厚生労働省が9月3日に発表した2014年度の概算医療費は、前の年度に比べて1.8%増加、40.0兆円に達し、過去最高額となった。最高額の更新は12年連続。概算額は正確には39兆9556億円だが、これには労災や自由診療などの医療費は含まれていないため、確定値では年間の医療費が初めて40兆円を突破するのが確実になった。(2015年9月11日付日経ビジネスオンライン)

2013年度に使われた医療費は、前年度より8493億円(2.2%)多い40兆610億円で確定した。7年連続で増え、初めて40兆円を超えた。高齢化や医療技術の高度化を背景に、1人当たりの医療費も2.3%増えて31万4700円になった。(2015年10月7日付け朝日新聞)

 

医療費の増加率で特に目立つのは、調剤医療費。診療費の増加率が1.6%に対し、調剤費の伸びは2.3%です。

日本医師会は、調剤費の伸びの中でも、特に院外薬局の調剤技術料が増加している点を問題としてあげているものの、もちろん増加の原因はそれだけではなく、一人あたりの医療費を抑えていくためには、処方薬のあり方を再検討しなければいけないと考えられています。

そんな中で注目されているのが、ジェネリック医薬品です。

 

ジェネリック医薬品とは?

テレビのCMで耳にすることも多い、ジェネリック医薬品という単語ですが、ジェネリック医薬品がどのような医薬品かご存知でしょうか。

ジェネリック医薬品は、後発医薬品とも呼ばれます。後発があるということはもちろん先発が存在します。

先発医薬品は新薬と呼ばれる薬で、新規に開発され日本で発売された薬のことで、特許を出願してから20年~25年間、特許を持つ開発メーカーが独占的に製造・販売することができます。

 

治験を行う前に特許を出願することが多いため、その後の研究や認可を受けるまでに時間がかかることが多く、特許期間は本来20年ですが、5年間、研究などにかかった期間、特許を延長することができるため、20~25年となります。

ただし、実際には研究等に5年以上かかることも多く、独占的に販売できる期間は、15年程度になると言われています。

それに対し、後発医薬品は、新薬の特許期間が終了した後、厚生労働省の承認を受けて製造販売される薬のことです。

開発メーカー以外の製薬会社も製造販売することができ、新薬に比べて開発費用が削減できるため、新薬と同じ有効成分が入っている薬でありながら、薬の価格を安く抑えることができることが特徴です。

これらの医薬品は当初、発展途上国への支援に役立てられたり、薬局等で販売されている市販薬として流通していることが多かったのですが、医療費の増加が問題になっている今、個人の医療費負担を軽くするとともに、国の医療費削減にも貢献することが期待されています。

 

後発医薬品をジェネリック医薬品と呼ぶのは、医薬品にはもともと薬の商品名の他に有効成分名である一般名、generic name(ジェネリックネーム)と呼ばれるものがあり、一般名は世界共通の名称で、欧米では後発医薬品の処方にその一般名を使っていることから、日本でもジェネリック医薬品と呼ぶようになったと言われています。

参考サイト:テバ製薬「ジェネリック医薬品とは?」
参考サイト:日本ケミファ「特許期間の長さはどれくらいか?」

 

お医者様から処方された薬をジェネリック医薬品にしたいときには、薬局で薬剤師さんに申し出るのが良いでしょう。ただし、医師が先発品を指定している時には、その指示にしたがった方が良い場合もあるので注意します。薬剤師さんに確認すると良いでしょう。

「ジェネリックにしたい・・・」と言い出しづらい場合には、お薬手帳に記載しておく方法もあります。

薬局で無料でもらえる他、自分で用意した普通のノートをお薬手帳として利用することもできます。

現行の制度では、お薬手帳を持参した方が代金が若干安くなりますので、活用しましょう。

 

ジェネリックのデメリットとは?

医療費が安くなって大変良いものに見えるジェネリックですが、デメリットもあります。それは、有効成分は同じでも製造方法や添加物、薬の形状は新薬とは異なるという点です。

確かに有効成分が同じであれば、ある程度は一緒の効き目かもしれませんが、統計学的には±20%の誤差は、差がないと判断されてしまいます。

例えば錠剤が粉薬になれば、より吸収が早まったことにより、新薬を飲んだ時には起こらなかった眠気や吐き気などの副作用が出ることもあるかもしれませんし、新薬には含まれていなかった添加物がジェネリックには含まれていてアレルギーを起こしたりするかもしれません。

逆に、新薬の時には効いたのに、ジェネリックはあまり効かなかったということになるかもしれません。

ジェネリック医薬品で医療費を削減することは良いことかもしれませんが、重大なことになる可能性もありますので、ジェネリック医薬品へ切り替える時には、初めての薬を使う時と同じように慎重になりたいですね。

 

本記事は、2016年08月16日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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