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不動産用語解説-瑕疵担保責任とは?

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瑕疵担保責任とは?

瑕疵担保責任」という言葉が、最近よくニュースなどでも聞かれる。東京都の豊洲市場問題では、東京ガスの瑕疵担保責任の免責について土地売買契約に盛り込まれていた点が取りざたされていた。

参考サイト: YOMIURI ONLINE「築地市場の豊洲移転問題」(2017年4月10日付け)

 

住宅の購入などの際に瑕疵担保責任という言葉を聞いたことのある方も多いだろう。

瑕疵担保責任とは、民法や宅地建物取引業法で定められており、有償契約において、買主が売主から契約の目的となる物の引き渡しを受けた際、その物について何か瑕疵があった場合に、売主が損害賠償などの責任を負うというものである。

最近、この瑕疵担保責任に従って売主が責任を負った大きな事例としては、横浜のマンションの傾きが分かった事件だろう。基礎工事で杭が定められた地盤まで到達しておらず、マンションが傾いてしまったという事件である。2015年に問題となった。

三井不動産が分譲したマンションで、2007年12月に完成している。

傾きが分かったのは、完成後買主に物件が引き渡されてから10年が経過する前だったため、建て替えを行う際の費用や住民が引越を行う費用、建て替え工事時の仮住まいの費用、慰謝料などを、三井不動産と建築を請け負った会社が分担して負担することとなった。

三井不動産は売主であり、杭打ち工事の報告データは偽装されていたため、不動産会社自体は工事の不備を知らなかったと考えられるが、それでも責任を負う義務があるのが瑕疵担保責任である。この件はその分かりやすい例だろう。

横浜市都筑区の大型マンションが傾いている問題で、マンションの管理組合は19日、同市内で集会を開き、傾いている1棟を含む全4棟の建て替えを決議した。来年4月にも解体作業を始め、約3年半で完成する予定。2020年冬までの入居を目指す。工事費用の約400億円は事業主側が負担する。(引用元:2016年9月19日付け日経新聞)

 

瑕疵とは、「欠点」や「法律や当事者の予期するような状態や性質が欠けていること」を指す。住宅で言えば、その物件を使用するにあたり、大きな支障があることを指す。

前述のマンションの傾きが発見された事件では、耐震強度が満たされていないことが瑕疵であろう。中古物件であれば、雨漏りがあることや、シロアリが生息していたといった例もある。

売買契約の際、このような状態を知っていれば契約を交わす際に売主が買主にこれらの欠陥を知らせなければならないが、売主がこれらを把握していなかった場合に発生するのが、瑕疵担保責任である。

 

宅建業に置ける瑕疵担保責任

民法では、瑕疵担保責任について、「契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。」と規定している。つまり、欠陥を知ってから1年以内に請求をしないと、瑕疵担保責任を問うことができない。

一方で、知ってから1年以内という規定があるのみで、いつまで瑕疵担保責任を負わなければいけないかの規定がないため、通常宅建業者であれば中古物件で2年の期限を区切ることが多い。

これは、宅地建物取引業法の中で、引き渡しの日から最低2年間は瑕疵担保責任を負わなければならないと定められているからである。

宅地建物取引業法は、宅建業者だけが順守する必要のある法律のため、個人間での取引であれば、3か月や免責など、瑕疵担保責任については、様々な規定を記載することがあるが、宅建業者との取引の場合には、2年を下回る契約を結んだとしても、2年間という宅地建物取引業法の期間が適用されることとなっている。

また、この期限を契約に記載しなかった場合には、かなり時間の経った段階でも瑕疵担保責任を負う必要がある。

ただし、瑕疵担保責任にも時効がある。民法の債権消滅時効である。10年で消滅することになっているため、瑕疵担保責任について、特に期限を切らなかったとしても、引き渡しから10年で瑕疵担保責任は消滅する。

また、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が平成11年に制定され、平成12年4月以降、新築物件の基本構造部分において、事業者は瑕疵担保責任を10年間負わなければならないと定められている。そのため10年以内に発覚した基本構造部分の瑕疵については、売主が責任を負うこととなった。

参考サイト:法令データ提供システム「民法」
参考サイト:法令データ提供システム「宅地建物取引業法」
参考サイト:法令データ提供システム「住宅の品質確保の促進等に関する法律」

 

業者が倒産してしまった場合には?

新築住宅を販売している事業者が10年負うことになっている瑕疵担保責任、しかし、瑕疵が発覚する前に事業者が倒産してしまった場合には、どうなるのだろうか。

その解決策として、平成21年10月より、住宅瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)が施行されている。

これは、新築住宅を供給する事業者に対し、瑕疵の補修などが倒産後も確実に行えるよう、保険や供託を義務づける法律で、たとえ事業者が倒産していても、2000万円までの補修費用の支払いを保険法人から受け取れることになっている。

瑕疵を発見したら、諦めず住宅、法律の専門家に相談することをおススメしたい。

参考サイト:法令データ提供システム「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」

 

本記事は、2017年04月20日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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