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仮想通貨の法規制に本腰-取引所は登録制に

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フィンテックと仮想通貨

フィンテックという言葉が各種経済関連メディアを賑わせている。フィンテック:FinTechとは、Financial(金融)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語であり、これまでの金融事業に最新のIT技術を絡めて生み出された、革新的な金融サービスを指して使われる言葉だ。

ここもと、世界各国から新たな技術が続々と誕生している電子決済サービスは、そんなフィンテックの主軸になっている分野である。

その電子決済技術の代表格に、”仮想通貨”と呼ばれる技術がある。一時期世間を大いに騒がせたビットコイン等がソレだ。

 

仮想通貨は”仮想”だけあって、紙幣や貨幣といった実態があるものではなく、あくまで”電子的なデータ(記録)”であり、概念上はSuica(JR東日本)、楽天Edy、nanaco(セブン&アイ・ホールディングス)等のいわゆる”電子マネー”と類している。

日本の円や米国のドル、欧州のユーロ等、国家や国家連合が価値を保証している通貨とは大きく異なり、その価値は仮想通貨を利用する人の当該仮想通貨に対する信用によって形成される。

また、日本円が主に日本でしか使えないのに対して、仮想通貨は利用者の居住国・地域を選ばず、国と国を跨ぐ国際間取引も障壁なく行うことができるうえ、その取引は国や警察機関、金融機関の目に触れることなく完了できる。

そのため、マネーロンダリングにこういった仮想通貨が利用され、世界的な問題ともなっている。

 

日本における仮想通貨の立ち位置

仮想通貨に対する各国の対応はまちまちで、ドイツやカナダ、アメリカの一部の州では仮想通貨を貨幣と概ね同等物と位置づけて課税対象としている一方で、ブラジルやロシア、中国では仮想通貨の利用自体を禁じているのだという。

 

他方、日本では仮想通貨を「通貨ではない」として、「貴金属等に類するモノ」としてその取引は「課税対象になりうる」との公式見解を決めてはいたものの、実際には法整備等には至っていなかった。

しかしながら、仮想通貨がテロリストに利用されていた事実が判明したことや、2014年に日本国内でビットコインの大手取引所であったMt.Gox(マウントゴックス)が破綻したことを受けて、日本でも仮想通貨に対する法整備を急かす声が挙がっていた。

 

そして、2016年3月、日本政府がついに規制に乗り出したことが報じられた。

政府は4日、インターネット上の決済取引などで急速に市場が広がるビットコインといった仮想通貨に対する初めての法規制案を閣議決定した。仮想通貨が「貨幣の機能」を持つと認め、オンライン決済などにも利用可能な公的な決済手段に利用できると位置づけた。仮想通貨の取引所を登録制にして監督強化することも盛り込んでおり、利用に弾みがつきそうだ。(引用元:2016年3月4日付け日経新聞)

 

関連法は「資金決済に関する法律」で、この法律の改正で仮想通貨の定義を定めたうえで、仮想通貨交換業者(いわゆる取引所)を登録制にし、金融庁に監督官庁として当該業者を検査・監督・処分する権限を付与するようだ。

仮想通貨に係る法制度の整備 – 法制度案の概要

1.マネロン・テロ資金供与対策
 ・口座開設時における本人確認
 ・本人確認記録、取引記録の作成・保存
 ・疑わしい取引に係る当局への届出
 ・社内体制の整備

2.利用者の信頼の確保
 ・最低資本金・純資産に係るルール
 ・システムの安全管理
 ・利用者に対する情報提供
 ・利用者が預託した金銭・仮想通貨の分別管理
 ・分別管理及び財務諸表についての外部監査
 ・当局による報告徴求・検査・業務改善命令、自主規制等

(引用元:金融庁資料)

参考サイト:金融庁「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案要綱」(PDF)

 

規制後の仮想通貨

これまでの日本では、仮想通貨の位置づけがあいまいで、監督官庁がなく、法規制がないことから、ずさんな業者が跋扈していたことで大きな問題となったことがあった。

参考記事:責任は誰に?ビットコイン取引所大手「MtGox」が民事再生を申請

 

それが今回の法整備によって、仮想通貨の定義を定め(但し、引き続き正式な貨幣や通貨として認められるわけではなさそうだ)、取引所を登録制にして分別管理(顧客からの預り資産と、取引所運営会社が保有する資産をしっかりと分けて管理すること)等を徹底させることで顧客保護が図られることになる。

 

仮想通貨技術は、その利用者の多さからもわかる通り、世界中で評価されている先端技術である。

ただし、例えばビットコインが「国家から独立した通貨を作る」という思想を基に開発された仮想通貨であるように、その存在の取り扱いは難しく、瞬く間に利用者が増えたこともあって世界各国を混乱させてしまっていた。

その隙にテロリスト等にも悪用を許してしまっていたわけだが、仮想通貨のテロ資金対策は2016年5月下旬の「G7伊勢志摩サミット」でも主要議題の一つとなる見込みだといい、今後は日本も含めて、世界各国が協調して仮想通貨の取り扱いを定めていくことになろう。

近い将来、いよいよ仮想通貨が本当のパラダイムシフトを世界にもたらすかもしれない。

 

本記事は、2016年03月17日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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