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企業版ふるさと納税の活用

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企業版ふるさと納税が税制改定大綱に

企業に地方自治体への寄付を促す「企業版ふるさと納税」が税制改定大綱に盛り込まれた。

企業が地方自治体に寄付を行った金額の一定割合を税額控除するというもので、具体的には、寄付額の30%が法人事業税、法人住民税、法人税の法人3税から税額控除される。

平成28年度から31年度までの4年間の時限措置とされ、現行の寄付税制でも全額を損金計上することによって30%が戻ってくるため、合わせておよそ60%の税金が軽減されることとなる。

企業に地方自治体への寄付を促す「企業版ふるさと納税」も盛り込まれた。企業が自治体に寄付した金額の一定割合を、企業の法人住民税など法人3税から軽減する。企業による地方への資金移動を増やし、地方活性化につなげる狙いだ。(後略、引用元:2015年12月10日付け産経ニュース)

 

企業版ふるさと納税が話題になり始めたのは、今年の8月。

内閣官房が、平成28年度税制改正要望で、企業版のふるさと納税の創設を要望する方針を固めたと報じられてからである。東京など、企業が集中する大都市に偏っている法人税収を地方にも分配したいという「地方創生」のための措置である。

現在も行われている個人のふるさと納税では18億円の減収となった東京都知事は、企業版ふるさと納税でも大きな減収が見込まれるためか、反対の姿勢をとっているが、地方創生のためと、政府は実施する姿勢を崩さず、実施される見通しとなった。

 

寄付を受けられる自治体は、東京都23区や東京エリアの自治体を除く地方自治体など、制約が設けられる予定である。

寄付を行って税額が控除されるのは、納税額の2割までとされる。

今後の課題としては、企業と自治体との癒着を防ぐ仕組みづくりで、寄付の見返りを企業に与えることを自治体に禁止するなどの対策を行う必要がある。

寄付を受ける事業についても要件が決められ、地方創生に効果が高いと認められた事業への寄付金に限るなど、内容について審査が行われるようだ。

まだまだ、不正を防ぐ対策については、協議が進められることになるだろう。

 

寄付税制とは?

では、従来からある寄付税制とはどのようなものだろうか。
法人税の場合、寄付金を送る先によっても、税制は異なってくる。

国や地方公共団体に寄付した寄付金や、指定寄付金と呼ばれる、「公益を目的とする事業を行う法人等に対する寄附金で公益の増進に寄与し緊急を要する特定の事業に充てられるもの」については、その全額を損金参入することができ、そのうち30%が税額控除される。

国や地方公共団体とは、公立の施設や学校などで、指定寄付金には、国宝の修復や、オリンピックの開催、赤い羽根の募金や私立学校の教育研究等、国立大学法人の教育研究等だ。

 

特定公益増進法人に対する寄付金で、法人の主たる目的である業務に関連するものや、認定特定非営利活動法人等に対する寄附金で特定非営利活動に係る事業に関連するものについては、損金に算入される限度額が、「(資本金等の額の0.375%+所得金額の6.25%)×1/2」となる。

なお、特定公益増進法人は、独立行政法人、一定の地方独立行政法人、日本赤十字社などが当てはまり、公益社団・財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人の場合は、一定の要件を満たすことが求められている。

また、特定公益増進法人及び認定特定非営利活動法人等に対して法人が支出した寄附金のうち損金算入されなかった部分については、一般寄附金とあわせて(資本金等の額の0.25%+所得金額の2.5%)×1/4を限度として損金算入できる。

損金に算入できたものについては、法人税を計算するときに、益金から差し引くことができるので、損金にできる金額が多いほど所得を少なくすることができ、結果税金の額も少なくなるというわけだ。

参考サイト:財務省「寄附税制の概要(国税)」

 

寄付金」となるか損金に全額計上できる「経費」となるかで問題となり話題になったのが、AKB運営会社の申告漏れの話題だろう。

グループメンバーの家賃等を出費していたものを経費として計上していたが、実際は寄付金とみなされ、「(資本金等の額の0.25%+所得金額の2.5%)×1/4」を超える金額については損金とはならなかったため、4億数千万の申告漏れが起こり、多額の追徴課税を支払うこととなった。

AKB48運営会社が申告漏れ・・・国税指摘、家賃は「寄付」
アイドルグループ「AKB48」を運営する芸能プロダクション「AKS」(東京都千代田区)が東京国税局の税務調査を受け、メンバーの家賃などへの支出に絡み、2014年11月期までの3年間に4億数千万円の申告漏れを指摘されたことが31日、分かった。(後略、引用元:2015年9月1日付けスポニチアネックス)

 

寄付を行う先がどのような団体と判断されるかによって、損金に計上できる額が全く異なるため、注意が必要である。

会社として寄付を行っている場合などには、一度税理士などの専門家に、どのように計上すればよいか、確認してみると安心だろう。

企業版ふるさと納税が実施されるため、これから初めて寄付を行ってみたいという場合などはなおさらである。税額控除の対象であるかなど、寄付を行う前にしっかり確認する必要があるだろう。

 

寄付を行う意義とは?

損金に計上できるとはいえ、寄付を行えば利益が減少することとなる。

それでも寄付を行うのは、企業イメージの向上や宣伝効果を期待したところが多いだろう。売上金の一部を特定の団体に寄付する活動を行っている企業もある。

教育事業に力を入れている企業が、学校法人に寄付を行うという例もある。

企業版ふるさと納税は、本社とは別の場所にある自社の創業地に寄付を行いたい場合などに、有効活用が期待できそうだ。寄付額のおよそ60%の税金が軽減される平成28年度から31年度までのこの機会に、専門家にご相談の上、利用を考えてみてはいかがだろうか。

 

本記事は、2015年12月15日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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