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住宅ローンの年間返済額の算定方法

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住宅ローンで失敗しないために

住宅ローンを組む前に、そもそもいくらの物件を購入するのかが決まらないと、毎月の返済額も何もあったものでない。ただ、逆説的に、現実的に毎月支払っていけそうな金額をもとに総金額を出してから物件金額=予算を決める方法も間違いではない。

さて今回は、後者の「毎月の返済額」から予算を逆算して組む住宅ローンについて見てみよう。

 

毎月いくらまでなら住宅ローンを継続的に支払っていけるのか

不動産取引に詳しい人や経験のある人、業界で働いている人等を除き、多くの人は自身にとって適正な住宅ローン返済総額の計算方法を知らない。

そのため、物件購入の相談に訪れた時点で金融機関や不動産会社から受けたアドバイスを鵜呑みにし、毎月の返済額や住宅ローン総額を決定してしまうことが多い。

「あなたの年収は○○○万円ですから、借り入れ可能な金額は○○○○万円、よって返済額は毎月○○(ボーナス払いは○○)万円となりますね」という具合である。

だがしかし、住宅ローンを貸したい金融機関営業マンも、不動産を売りたい不動産営業マンも、顧客の人生を真に考えてくれている人は極めて稀だ。大半が、多少無理目な条件であっても、「(直には言わないだろうが)がんばりましょう」と発破をかけて物件の購入を促してくる。

「専門家の意見だから」と勧められるままに住宅ローンを借り入れて物件を購入していては、いずれ返済できなくなる時がくるかもしれない。世の中には、年間2万人以上もの住宅ローン破産者がいて、約3万人が“夢のマイホーム”を購入5年以内に手放してしまっている現実があるのだ。

 

では、住宅ローンで失敗しないためにはどうすればいいのだろうか。

次に、完済まで無理のない返済を続けていくためには、月々の返済額をいくらにすればいいのかを見ていきたい。

 

勧められる返済額は、年収の30%~35%

不動産業者は、受託ローンの返済額を「年収が400万円未満なら30%まで」、「年収が400万円以上なら35%まで」等と勧めてくる-という通説がある。金融機関でも、顧客の勤務先の安定度によってその基準でOKを出すところもある。

だが、年間の返済額が年収の30%になるような住宅ローンを組んでしまうとなると、可処分所得(年収から税金や保険料を引いた手取り額のこと)に対する住宅ローン返済額の割合は30%どころか、40%以上の負担にもなりかねない。

手取り収入の約半分を住宅ローンの返済に回すなんて、誰が見ても無謀だと思うことだろう。

年収400万円未満・以上を境にして考えてみよう。

年収:399万円 年間の住宅ローン返済額:399万円×30%≒119万円
この場合、ボーナス払いがないとすると毎月の住宅ローンは約99,000円(119万円÷12)となる。
これを可処分所得(年収の8割)で考えると、399万円×80%≒319万円(可処分所得)/
毎月の手取り額(319万円÷12ヵ月=約26万円)となり、ここから約99,000円を引いた約16万円が生活費となる計算だ。

年収:400万円 年間の住宅ローン返済額:400万円×35%≒140万円
同じくボーナス払いがないとすると、毎月の住宅ローンは約11,600円となる。
これを可処分所得(年収の8割)で考えると、400万円×80%≒320万円(可処分所得)/
毎月の手取り額(320万円÷12ヵ月=約26万円)となり、ここから約11,600円を引いた約14万円が生活費となる。

 

いかがだろうか。子供がいたとして、現実的に約14万円~約16万円の生活費で家族数人を養っていけるのかは大いに疑問があろう。子供が成長して教育費が嵩んでいけば、家計がどんどん苦しくなっていくことは想像に難くないだろう。

年を重ねるにつれて着実に昇給し、家計の収入も年々増えることが確約されているのならばハナシは別だが、今のご時勢、いつ何が起こるかわからない。20年も30年も支払い続けなければならない住宅ローンならばなおさらである。

年収の30%~35%という返済額が、いかに無謀な金額かがおわりいただけたことだろう。

 

現実的な返済額は手取り金額の20%以内

総務省「家計調査(平成26年平均速報結果の概況)」のデータによれば、住宅ローン返済世帯(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)の毎月の住宅ローン返済額は、1世帯当たり平均97,850円で、可処分所得の20%に当たるのだという。

30%ではなく20%であるばかりか、年収ではなく可処分所得の20%である点が肝だ。

参考サイト:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)―平成26年(2014年)平均速報結果の概況―」

 

これを踏まえ、前述の例にならって可処分所得の20%で試算してみると、

年収:399万円 可処分所得:319万円 年間返済額:63万円※
ボーナス払いがないとすると、毎月の住宅ローンは約50,000円。毎月の手取り額(319万円÷12ヵ月=約26万円)から約50,000円を引いた約21万円が生活費となる。
※可処分所得:399万円×80%≒319万円、年間の住宅ローン返済額:319万円×20%≒63万円

年収:400万円 可処分所得:320万円 年間返済額:80万円※
ボーナス払いがないとすると、毎月の住宅ローンは約66,000円。毎月の手取り額(320万円÷12ヵ月=約26万円)から約66,000円を引いた約19万円が生活費となる。
※可処分所得:400万円×80%≒320万円、年間の住宅ローン返済額:320万円×20%≒80万円

 

このように、返済額を年収基準と可処分所得基準で比べると、毎月の生活費に3万円~5万円の差が出る

年収を基準に考えるのではなく、可処分所得の20%を最大として住宅ローンの返済額を考えることが、安全策と言えることがおわかりいただけただろうか。

 

当然、年間の返済額が少なければ、住宅ローンの総借入額も少なくなるため、購入できる物件が希望とは異なる物になってしまうかもしれないが、それが「高望みをして、無理な条件で住宅ローンを組んではいけない」ということの証左だ。

それでも、どうしても欲しい物件があるのならば、頑張って頭金を多く用意して、住宅ローンの総借入額を低く抑える-というアプローチもあるのだ。

 

本記事は、2016年01月21日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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