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保育士が足りない-待機児童解消へ向けた施策

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国会にまで届いた、あるブログの訴え

2016年2月半ば、はてな匿名ダイアリーという匿名ブログサービスに「保育園落ちた日本死ね!!!」なる、いささか物騒なタイトルのエントリーがあがった。

言葉遣いはキタナイながらも、現在の日本社会が抱く出産・子育て問題を的確に射抜いたこのエントリーは、瞬く間にTwitterやfacebook等のSNSで拡散し、メディアが囃したてた挙句に国会でも話題に上がり、安部首相がこれについて「実際に、待機児童がたくさんおられることも事実」等とコメントするまでに至った。

《保育園落ちた日本死ね!!!》と題した匿名のブログが注目を集めている。1億総活躍社会のかけ声とは裏腹に、なかなか解消しない待機児童問題を指摘する内容で、国会でも取り上げられた。ネット上では同じ境遇の人たちから共感の声が相次いでいる。(引用元:2016年3月4日付け朝日新聞)

参考サイト:はてな匿名ダイアリー「保育園落ちた日本死ね!!!」

 

社会が少子化を是正するために「子供を産め」と促し、産んだら産んだで、今度は一億総活躍社会なる触れ込みをもって「子供を産んだら、女性は社会復帰しろ」と言う。

しかし、子供を預ける保育園・保育士が足りておらず、とりわけ都心部では未だ待機児童が溢れかえっている。

「いったい、私たちにどうしろというのだ!」というのが、このエントリーの筆者が訴えていることだ。

まったく持ってごもっともな話であり、ごもっとも過ぎるが故に、国会にまで話が至るほどに注目を集めたのだろう。

 

重責なのに薄給で、保育士が足りない

とにかく今の日本には保育士が足りていない。

 

オイタをした園児が先生にお尻をペシリとやられることが何でもないことであった時代ならいざしらず、今の保育士は多面的に重責を負う。

園児が怪我をすれば大問題になるし、そうならないために細心の注意を払って保育業務を行なわなければならない。

朝が早いにもかかわらず、午後に園児が退園した後も、園児一人一人の様子をそれぞれの親に報告するお手紙を書き、業務日誌をしたためて、さらに翌日の準備もしなければならない。

そんな重責と重労働を強いられながらも、平均月給は20万円前後(平均年収は300万円前後)と待遇は極めて悪い。

日経新聞報道によれば、「保育士は毎年、約3万5千人が離職する」そうだが、それも大いに頷けよう。

 

こうした状況を受けて、厚生労働省は緊急対策に乗り出すのだという。

子育て等で離職した潜在保育士の掘り起こしと、保育士資格の取得支援業務効率化への費用助成による離職の歯止めを3本柱に、約710億円の補正予算を組む構えなのだそうだ。

厚生労働省は保育士の不足を解消する緊急対策を打ち出す。保育士の資格があるのに働いていない「潜在保育士」の復職を促すため、2年勤めれば返済不要となる就職準備への一時金を支払う。保育所向けの貸付制度も新設し、保育士資格を持たない人が保育所で働きながら資格を取れるよう促す。女性が子育てと仕事を両立できるよう保育の受け皿を50万人分増やす政府目標の達成に向け、不足する約9万人の保育士の確保につなげる。(引用元:2015年12月17日付け日経新聞)

ただし、この記事は末文で「低賃金が改善されなければ、今回の対策が効果を発揮しない可能性もある」と締めくくっている。

 

小規模保育や企業内保育

一方、保育所・施設が足りていない状況に関しては、小規模保育や企業内保育所等の創設推進をもって対策が進められている。

 

小規模保育とは、2015年4月から始まった”子ども・子育て支援法”で、新たに自治体の許認可事業となった保育施設のこと。

定員が幼児5人以下の家庭的保育と、同20人以上の認可保育所のちょうど中間規模を補う保育施設で、定員は6人以上19人以下とされている。対象年齢は2歳児(3歳未満)までだ。

児童福祉法第6条の3第10項 この法律で、小規模保育事業とは、次に掲げる事業をいう。
1.保育を必要とする乳児・幼児であって満3歳未満のものについて、当該保育を必要とする乳児・幼児を保育することを目的とする施設(利用定員が6人以上19人以下であるものに限る。)において、保育を行う事業(後略)

全国小規模保育協議会によれば、待機児童は都市部に集中しており、その大半が3歳未満であるため、小規模保育が増えることで待機児童問題の解消を図ることが大きく期待できるのだという。

参考サイト:全国小規模保育協議会

 

他方、企業内保育所とは、幼い子供がいる従業員のために企業が事業所内やその近隣に設ける託児所のこと。とりわけ事業内容上、女性従業員が多い企業等で設置が進んでいる。

企業の規模にもよるが、15名ほどの幼児を1人ないし2人の保育士が見つつ、親である女性従業員が持ちまわりで保育士をサポートするのが一般的なようだ(まとめて運営を外部委託するケースもある)。

親が働く事業所内若しくは、ごく近隣に託児所があることで、子供に何かあってもスグに親が対応できるうえ、通勤が親子一緒なので送り迎えの負担がない。また、昼休みには親子で一緒に昼食をとることもできるので、少なくなりがちな働く親とその子供のコミュニケーションの時間を確保することができる。

しかも保育料はほとんどのケースで全額が企業持ちなようだ(保育費用を払うケースでも、数千円を給与から天引きする程度)。

企業側も、託児スペースの確保や保育士を雇用するコストがかかるものの、貴重な戦力である従業員の出産・育児に伴う離職を大いに抑制することができる。新規雇用コストや育成時間を鑑みれば、企業内保育所を設けるほうがよっぽど安くつくのかもしれない。

なお、別の日経新聞報道によれば、厚生労働省と経済界は助成金制度を創設する等して、企業に企業内保育所の敷設を促し、待機児童の解消につなげる方針なのだという。

 

本記事は、2016年03月07日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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