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内容証明郵便を送る理由

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内容証明郵便とは

 内容証明郵便は、郵便物の文書内容を郵便局(日本郵便株式会社)が証明する郵便のことです。

 たとえば、契約解除の意思表示をする場合や時効中断のために債権の請求をする場合など、郵便により一定の意思表示がなされたことを“証明”するために、弁護士などの専門家だけでなく企業や個人でも利用する可能性がある郵送手段です。

 今回は内容証明郵便のポイントをご紹介したいと思います。

 

類似の郵送手段との比較

 “証明”という観点から類似の郵送手段と比較すると・・・

 書留(一般書留・簡易書留)は、郵便物の引受から配達までの送達過程を記録する郵送手段です。①差出日、②差出人と相手方、③差出の事実、④配達の事実について記録されるので、これらの事実について事後的に証拠として利用できます。(内容証明郵便は必ず書留扱いとなるので内容証明郵便でも上記①~④の事実が証拠化されます。)

 特的記録は、郵便物の差出を記録する郵送手段です。①差出日、②差出人と相手方、③差出の事実が記録されるので、これらの事実について事後的に証拠として利用できます。特定記録は送付先ポストに投函されるだけなので④配達の事実について記録されません。

 上記の郵送手段では、文書内容について記録または証明されないため、郵送物の内容としてどのような意思表示がなされたのかまで証明すること難しくなります。

 

 内容証明は、さらに⑤文書内容について郵便局が証明してくれるため、どのような意思表示がなされたのかについての証明手段となります。

各郵送手段比較 内容証明 書 留 特定記録 配達証明
①差出日
②差出人と相手方
③差出の事実
④配達の事実
⑤郵便物の内容

※〇は郵便局が証明してくれる △は記録のみ

※書留・特定記録は、上記①~④の事実について記録はしますが、郵便局が証明してくれるものではありません。もっとも、配達の記録を郵便局ウェブサイト等で確認・印刷しておけば裁判所に提出するための証拠として用いることもできます。

※④配達の事実を郵便局が証明する手段として、「配達証明」があります(次項)。

 

配達証明を必ずあわせて利用すること

 内容証明郵便を差し出す場合には、必ず「配達証明を付けますか?」と聞かれます。

 配達証明とは、一般書留について郵便物を相手方に配達した事実(受領した事実)について、郵便局が証明してくれるサービスです。

 民法によると、遠い場所にいる相手方(「隔地者」)に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時に効力を生じるのが原則とされます(民法第97条1項)。

民法第97条(隔地者に対する意思表示)
1.隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
2.隔地者に対する意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、又は行為能力を喪失したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。

 

 意思表示の到達の事実(=配達の事実)を証拠化するために、内容証明だけではなく配達証明も必ずお願いしましょう。

 配達証明を利用すると、郵便物が相手方に配達された後に、そのことを証明する内容の葉書が送信者に対して郵送されてきます。証拠として大切に保存しておきましょう。

 

どんな場合に内容証明郵便を送るべきなのか

 内容証明郵便は、いつ、誰が誰に対して、どんな内容の“意思表示”をしたのかを証拠化したい場合に利用します。

 意思表示には、解除の意思表示や、催告の意思表示など多種多様なものがありますが、適切な時期に適切な内容の意思表示をしておかないと、意思表示による法律効果の発生が認められない場合があります。意思表示をした事実を証拠化するために内容証明を利用するべきです。

※意思表示は、電話や口頭、書面の交付等の方法によっても有効に行うことができますが、これらの方法は裁判の場で立証することが難しい場合もあります。重要な場面では、電話等で意思表示できる場合であっても、内容証明郵便を利用することを検討するとよいです。

 

相手方が受領しない場合はどうなるか

 内容証明郵便は一般書留として配達されますが、相手方が不在の場合には一定の留置期間経過後に差出人に郵便物が還付(返却)されますが、この場合、内容証明郵便は相手方に配達されていないので、民法の原則からすると、意思表示の到達はないものとなりそうです。

 しかし、過去の裁判例において、①相手方が不在配達通知書の記載その他の事情から、郵便物の内容を推知することができ、②相手方に受領の意思があればさしたる労力・困難もなく郵便物を受領することができるような場合には、「社会通念上、受取人の了知可能な状態に置かれ、遅くとも留置期間が満了した時点で受取人に到達したものと認められる。」とされたものがあります(最高裁第一小法廷平成10年6月11日判決)。

 具体的な事情によっては、相手方が受領しない場合であっても、例外的に意思表示の到達として認められる場合があるということです。

 

内容証明郵便を送る方法

 内容証明郵便は郵便局で送ることができますが、郵送できるのは書面のみ(その他のものを同封できない)で、差出人・相手方・郵便局保管用の3部を作成する、1頁の行数および1行の文字数が決まっているなどの細かいルールがあります。

参考サイト:郵便局ウェブサイト「内容証明ご利用の条件等」

 

 通常の内容証明郵便は上記のような細かいルールによって、郵便局に郵送書面を持ち込んでもルールに沿わないために再度持ち帰って作成し直さなければならない場合もあります。

 行数・文字数のルールがなく、クレジットカードでの支払いもでき、24時間いつでも、事務所・自宅のPCから簡単に郵送できる電子内容証明もあります。大変便利なのでこちらを利用するとよいでしょう。

参考サイト:郵便局ウェブサイト「e内容証明」

 

本記事は、2016年11月14日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

yoshida 吉田秀平

弁護士

上場企業の総務・法務を担当した経験を活かして、中小企業、ベンチャー企業、スタートアップの支援をさせて頂きたく思っています。訴訟になる前に、リスクが顕在化する前に、低コストで高い効果の予防法務サービスを提供することが目標です。

  • 所属:しぶや総和法律事務所


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