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別居する子供との面会交流申立件数が増加中

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平成25年は初の1万件越えとなる、10,762件に

「女(男)を作って勝手に出ていったんだから、子供に会う資格はない

養育費も支払わないのに、子供に会いたいというのはムシが良過ぎる」

「離婚してから5年間も音信不通だったのに、今さら子供に会いたいと言われても困る」

果ては「離婚を機に”オトウサン(オカアサン)は死んだ”と伝えてあるので、会わせるわけにはいかない」等々。

 

夫婦の離婚に伴って、離れて暮らすことになった子供と親が定期的に会って交流することを”面会交流”というが、親権を持って子供と暮らす側の元妻・元夫の協力が得られず、離れて暮らす側の親が面会を拒絶されるケースは少なくない。

しかしながら、離婚によって夫婦関係が解除されようとも、親と子の関係まで変わるわけではない

離婚の原因が浮気であれ、浪費癖であれ、離れて暮らす側の親にも子供と面会する権利は当然にあるのだ(DV等が原因であった場合は話が少々異なるが)。

 

厚生労働省の調べでは、平成25年の離婚件数は231,384組であったそうで、平成14年の289,836組をピークに減少傾向が続いている。

一方で、最高裁判所がまとめたところによると、この傾向に反比例して、子供との「面会交流」を求める親が家庭裁判所に調停を申し立てる件数は年々増加傾向にあり、昨年(平成25年)は初の1万件越えとなる、10,762件の申し立てがあったという。

※離婚する夫婦に子供がいるケースを見ると、概ね8割程で母親が親権者となっている。

※親権と監護権:”子の財産管理権とその義務を負う者”を親権者と呼び、”子の身上監護権とその義務を負う者”を監護者と呼ぶ。しばしば、親権問題が紛糾するケース等では、一緒に暮らして子供の躾・世話をする側が監護権を持ち、他方が親権を持つことで争いを解決することもある。

 

「面会交流」の調停申立件数は年々増加

これは、裁判所Webページの「司法統計」で公表されている各年度の家事事件データを基に作成したグラフで、横軸が各年度、縦軸が家庭裁判所に「面会交流」を求めて調停が申し立てられた件数を表している。

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データ引用元:裁判所Webページ

 

見事に年々増加していることが一目見てお分かり頂けるだろう。

 

毎日新聞ではこの推移を受けて、「離婚後も両親が養育に関わることが、子の健全な成長に役立つという社会的な意識の高まりが背景にあるとみられる」とコメント。

一方で、これらの調停の4割が不成立に終わっていることに触れ、「裁判所が関与しても、親同士の折り合いを付けることが難しいケースも多い現状が浮き彫りになった」とも指摘している。

 

面会交流を実現するためのステップ

家庭裁判所は、民事や刑事ではなく、家庭に関する事件の審判・調停と、少年保護事件の審判を管轄する裁判所で、離婚訴訟や戸籍上の改名の許可・不許可等も家庭裁判所が管轄している。

この家庭裁判所で開かれる家事調停では、家事事件手続法という法律に基づいて、争っている当事者間に第三者として家事審判官(裁判官)等で構成される調停委員が介入し、互いの言い分を聞く等して、話し合いで争いを解決するよう導く

 

子供との面会交流を望んでいるものの、相手側の協力が得られず面会交流が実現しない場合にやるべきことは、家庭裁判所にこの家事調停を申し立てることだ。

万一、調停で話し合いがまとまらない場合は、裁判官が調停委員の意見や調査結果に基づいて一定の判断を決定する審判に移行することとなる。

ただし、家事調停・家事審判の結果にはいずれも強制力はなく、例え裁判官が審判において「月に1度は申立人と子供を面会交流させよ」と判断したとしても、その判断に従わなくとも罰せられるわけではないため、実際には「面会交流」が約束通りに履行されないケースが多々ある。

相手方が約束を守らない場合は、家庭裁判所による履行勧告や、間接強制(勧告に従わないことに対する罰金の支払い)といった手段が用意されてはいるものの、そこまでいってしまうとまさに「泥沼」であり、もはや「子供」そっちのけの、親同士の意地の張り合いでしかない。

これは「面会交流」に限ったことではなく、「養育費の支払い」等に関する約束事でも同様だ。

 

こうならないためにも、離婚時に財産分与や養育費の支払い等に併せ、「面会交流」についてもしっかりと協議して、「仮に相手が約束を守らなかった場合のこと」まで取り決めし、合意した内容を書面(公正証書)等に残しておくべきだろう。

※履行勧告とは:約束を守るよう、裁判所が相手方に電話等で勧告すること。
参考URL:裁判所「履行勧告手続等」

※間接強制とは:勧告に従わないことに対する間接強制金(罰金のようなもの)の支払いを課すことを警告(決定)すること。
参考URL:裁判所「間接強制」

 

すべては「子供のため」

このテのハナシでは往々にして言われることだが、大事なことは「子供が何を望んでいるか」であって、「アナタ(親)が別れた相手方にどのような感情を抱いているか」は全く関係がない

親が離婚をすると、子供は「自分が何か悪いことをしてしまったのではないか」と責任を感じ、「これからどうなってしまうのだろう」という不安に苛まれるという。

そこに輪をかけるが如く、「オトウサン(オカアサン)なんかに会いたくないよね?」と尋ね、「・・・うん、会いたくない」等と言わせていては、離婚で子供の心に大きなキズを与えておきながら、さらに我慢をさせ、気遣いまでさせることになる。

これでは子供があまりにも不憫でならない。

 

しかし逆に、面会交流が定期的・継続的に行われていると、子供は「一方の親とは離れて暮らしているが、両親双方から愛されている」と感じ、親の離婚で受けたショックを乗り越えることができるのだそうだ。

どうか、親のエゴは捨て去って、「子供のため・子供に必要なこと」を「理性的」に考えていただきたい。

法務省民事局参事官室「面会交流~実りある親子の交流を続けるために~」(PDF)
裁判所「離婚をめぐる争いから子どもを守るために」(動画)

 

参考記事:
子供を不幸にしない為、離婚前にするべきこと
サイレントプアに陥るシングルマザー世帯
結婚3年で離婚!夫は退職金を財産分与すべき?
止まらぬ人口減少 出生数も婚姻件数も最少に
期待高まる、ひとり親世帯向けシェアハウス
離婚時に約束した養育費の支払いが滞ったら
離婚届提出前に知っておくべき離婚の基本

 

本記事は、2014年10月01日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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この記事のアドバイザー

prof Kasiko編集部

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