法務・税務・労務などの問題解決エンジン
some system placed here.

司法書士vs弁護士が決着!債務整理140万円問題①

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

簡易裁判所で取り扱う民事事件

わが国日本において、裁判所は何種類あるかご存知だろうか。

答えは5種類。

唯一の最高裁判所を頂点に、全国に8つある高等裁判所(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡)、全国に50ある地方裁判所(各都府県および北海道に4つ)、同じく50ある家庭裁判所(地裁に同じ:夫婦間や親子間の紛争や少年事件を扱う裁判所)、それに同438か所ある簡易裁判所の5種類だ。

 

このうち簡易裁判所とは、訴訟価額が140万円以下の民事事件や、刑罰の程度が罰金刑以下の刑事事件等、ざっくり言えば、比較的に程度が軽微な事件を簡易・迅速に処理することができる裁判所である。

裁判所法第33条(裁判権)
簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。
一.訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)
二.罰金以下の刑に当たる罪、選択刑として罰金が定められている罪又は刑法第186条 、第252条若しくは第256条の罪に係る訴訟(以下略)

※因みに、平成16年(2004年)3月までは、簡易裁判所で扱える民事事件の訴訟価額上限額は90万円であった。これが、同年4月1日の法改正で140万円に引き上げられている。

 

このうち、「140万円以下の民事事件」について、日本司法書士連合会(日司連)と日本弁護士連合会(日弁連)の間に解釈の隔たりが生まれて問題となったのが、「債務整理における140万円問題」である。

この問題はある訴訟を期に社会的に表面化し、結果的には最高裁まで争われた。

両連合会の間で、何故ここに隔たりが生まれたのか。
それぞれの主張は何であったのか。
最終的に最高裁はどのような判断を下したのか。

本稿では、これらを順を追って説明する。

 

司法書士法改正と債務整理案件の急増

そもそも、司法書士は弁護士と異なり、訴訟や調停等において当事者を代理することが認められていなかった。

それが、平成14年(2002年)の司法書士法改正によって、一定の研修を終了して法務大臣に認定を受けた司法書士であれば、「簡易裁判所における事物管轄を範囲内とする民事訴訟、 調停、即決和解等の代理、法律相談、裁判外和解の代理を行うことができる規定(日本司法書士会連合会Webサイトより引用)」=「認定司法書士制度」が新設されたのだ。

司法書士法第3条(業務)
司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。(中略)
六.簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること。ただし、上訴の提起、再審及び強制執行に関する事項については、代理することができない。
 イ.民事訴訟法の規定による手続であって、訴訟の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないもの(以下略)

※当時、法曹人口不足によって裁判が長期化することや、過疎地の法務サービス不足が問題視され、これを改善するための司法制度改革の一環で、司法書士法の改正に至った。

 

それから暫くして、法曹界にビジネス面で大きな波がやってくる。

平成18年(2006年)1月13日、最高裁判所が、適正な書面交付等がなされている場合はグレーゾーン金利であっても容認するとしていた「みなし弁済」を否定する判断を下す。

この最高裁判決によって、利息制限法を超えたグレーゾーン金利は過払い金返還請求の対象となり、法曹界は「過払い金返還請求の代理事業」バブルに沸いたのだ。

※グレーゾーン金利:貸付金利を制限していた「出資法(上限利率29.2%)」と「利息制限法(同最高20%)」の2つの法律間に挟まれていた金利(20%超~29.2%未満)のこと。本来、顧客に対して20%超の金利を課すと利息制限法違反となるハズだが、29.2%までを認める出資法と、これを有効利息とみなす「みなし弁済」を認めた貸金業法を根拠に、グレーながら貸金業界では29.2%までの金利を課すことがまかり通っていた。

参考記事:貸金業法再改正?どうなるグレーゾーン金利

 

最高裁判決以降、過払い金や債務整理に関する世間の認知度は急激に高まり、グレーゾーン金利が撤廃される以前にサラ金クレジットカードを利用していた人たちの多くが潜在的な過払い金返還対象者であったため、金融機関に対して過払い金返還を請求する人が急増した。

その過払い金請求の大半を請け負ったのが、従来より依頼人を代理する権利を有する弁護士と、訴訟価額が140万円以下の民事事件であれば、認定司法書士制度によって代理することができるようになった司法書士である(当事者が自身で返還請求するケースも)。

つまり、弁護士と司法書士の間で、「縄張り争い」のような、債務整理案件における顧客(依頼人)の取り合いの様相を呈する格好となったのだが、そこで弁護士側と司法書士側の間に摩擦が生じた。

先に挙げた司法書士法の規定(司法書士法第3条6のイ、裁判所法第33条)する「140万円という上限額」に関する双方の解釈が異なり、対立したのだ。

 

司法書士vs弁護士が決着!債務整理140万円問題②

 

本記事は、2016年08月04日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

prof Kasiko編集部

編集チーム

  • 所属:Kasiko


新着記事
公式Facebookページ 公式Facebookページ
誰に何と相談していいかわからない方へ
050-7576-0762
[日本法規情報]
  • 平日10:00~20:00
  • 土日祝終日、受付のみ対応

誰に何と相談していいかわからないあなた。
私達が相談相手探しのお手伝いをいたします。

無料相談・全国対応 050-7576-0762 お電話ボタン