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商標を世界で登録する-マドリッド協定議定書

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海外で商標を登録する

現代はグローバリゼーションの時代であり、企業はこぞって海外販路を開拓し、自社製品を国外のマーケットに売り込んでいる。

アニメや漫画といった日本産コンテンツの海外展開を表す「Cool Japan(クールジャパン)」がイイ例だ。

しかしながら、世界中でそれらの模倣品が溢れかえっているのも一つの事実であり、企業は海外展開にあたって販路を切り開くのと同時に、事業を展開する国で自社商品の権利を守ることにも労力とお金を割かなければならない。

 

ところで、商品やサービスにつけられた名称やロゴを商標といい、その商標利用にかかわる権利を、知的財産権のうちの商標権という。

商標権は単に名前をつけただけでは発生しない。

商標権を主張するには、日本であれば、その商標を特許庁に登録する必要があるが、どんな名称でも登録できるわけではなく、既に登録されている商標と類似している場合や、名称がありきたりな普通名詞(例えば「日本」や「犬」では不可。固有名詞でなければならない。)と判断された場合は、商標登録が拒絶されて商標権が認められない。

参考:商標を登録して自社ブランドを守る!

 

この商標を日本以外の国で登録する場合は、2通りのやり方がある。

1つはマドリッド協定議定書に基づいて国際登録をする方法。

2つ目は直接出願だ。

ここではマドリッド協定議定書の概要を中心に、商標の海外登録について解説する。

 

マドリッド協定議定書とは

マドリッド協定議定書とは、世界知的所有権機関(WIPO:スイスジュネーブに所在)国際事務局が管理する国際登録簿に商標を国際登録することで、指定締約国(日本も当該条約の締約国)においてその権利が保護される国際条約のこと。

正式名称を「標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書(Protocol Relating to the Madrid Agreement Concerning the International Registration of Marks)」といい、1989年6月にマドリッドで採択された。

 

この国際登録簿に商標を登録したところで、直ちに全ての締約国においてその権利が保護されるわけではないが、登録して権利を保護したい国を指定(事後の追加も可能)することで、それぞれの国で用いられる言語ではなく、英語のみで複数の国に一括で権利取得手続きができる。

また、複数の商標権があっても、国際事務局に対する一回の手続きで存続期間の更新ができるうえ、それぞれの国に別々に手続き費用を支払うわけではないため、権利取得・維持コストが低く抑えることができる点も大いなるメリットの1つに挙げられる。

現在、同議定書の締約国は、イギリス、米国、中国、韓国、欧州連合ほか、全91の国と地域に広がっている(2014年5月7日現在)。

<参考>マドリッド協定議定書加盟国一覧
 http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_shouhyou/kokusai/files/madopro_kamei/members.pdf

 

マドリッド協定議定書締約国に商標登録する場合

マドリッド協定議定書締約国に国際出願で商標を登録するには、以下の4つの条件を満たしている必要がある。

1.日本国特許庁において既に商標出願もしくは商標登録されていること
2.商標(マーク)が同一であること
3.指定する商品及び役務が同一又はその範囲内であること
4.出願人又は名義人が同一であること

これらの条件を満たしたうえで、特許庁に出願書類を提出すると、まずは特許庁で出願書類の事前チェックが行われる。

これを無事通過すると、「国際事務局(WIPO)」を経由して指定国に通知がなされ、各国にそれぞれ個別に出願した場合と同様の扱いとなる。

このように手続きが非常にスムーズであるうえ、マドリッド協定議定書において、審査期間が「国際事務局の通知日から1年(18か月の国もアリ)以内」と制限されていることから、それぞれの国が自身の都合で審査する個別出願に比べて、極めて迅速に審査を受けることができる。

 

なお、商標の国際登録にかかる費用は、特許庁へ納付する手数料が一件当り9,000円で、これに基本手数料および一指定国ごとにかかる付加手数料、3区分を超える登録にかかる追加手数料、付加手数料及び追加手数料に代えて個別手数料の受領を宣言している締約国を指定する場合は個別手数料の支払が必要となる。

特許庁手数料9000円+基本手数料+(付加手数料×指定国数)+(追加手数料×区分数:3区分以上1区分ごと)
or
特許庁手数料9000円+基本手数料+個別手数料

 

・商標が白黒の場合の基本手数料:653スイスフラン
・商標がカラーの場合の基本手数料:903スイスフラン
・付加手数料:一指定国ごとに100スイスフラン
・追加手数料:3区分を超えた場合1区分ごとに100スイスフラン
・個別手数料:各締約国ごとに定める額

<参考>WIPO料金表 ※英語
 http://www.wipo.int/madrid/en/fees/sched.html
 http://www.wipo.int/madrid/en/madridgazette/remarks/ind_taxes.html

 

マドリッド協定議定書非締約国に商標登録する場合

なお、マドリッド協定議定書に加盟していない国において商標を登録する場合は、直接出願という方法で、その国に直に出願手続きを取る必要がある。

※マドリッド協定議定書の締約国であっても、登録を希望する国が1か国であった場合等は、費用面で直接出願のほうが安くなる場合もある。

直接出願の場合は、各国ごとの様式で、各国の言語によって書類を作成し、各国の代理人に出願を依頼するのが基本であるが、特許や商標の国際出願に強みを持つ特許事務所や弁理士事務所であれば、出願書類の作成から各国への出願まで一貫して代行するサービスを提供しているところもあるので参考にしていだきたい。

 

<主だったマドリッド協定議定書非加盟国・地域>
カナダ、台湾、香港・マカオ、インドネシア、タイ、マレーシア、ミャンマー、ラオス、カンボジア等

 

本記事は、2014年05月07日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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