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国際結婚と国際離婚にまつわるハナシ

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日本における国際結婚件数と国際離婚件数

国際結婚が珍しくもなくなっている時代である。当然、国際離婚も多くなろう。

実際に厚生労働省の人口動態調査を見てみると、2014年の国際結婚は21130組、国際離婚は14135組。何と、年間の結婚対離婚率は66.9%にも及ぶ。

パターン別に2014年の婚姻件数データを見ると、夫が日本人×妻が外国人で14998件、対して妻日本人×夫外国人で6132件。離婚件数は、夫日本人×妻外国人が10930件、対して妻日本人×夫外国人が3205件。

「嫁ぐ」という概念があるからか、やはり国際結婚・国際離婚ともに、日本人男性×外国籍女性のパターンが多いようだ。

国籍別配偶者の特徴としては例年、日本人男性のお相手が韓国(2412件、以下ともに2014年婚姻ベース)・中国(6019件)・フィリピン(3000件)・タイ(965件)・ブラジル(221件)といった近隣のアジア諸国が多い一方で、日本人女性のお相手が韓国(1701件)・米国(1088件)・中国(776件)・ブラジル(329件)・英国(236件)と、アジア諸国に並んで欧米諸国出身が多い。

参考サイト:厚生労働省「人口動態調査」

 

国際離婚は問題山積

さて、そんな国際結婚・国際離婚であるが、当然、その手続きは日本人同士の結婚・離婚よりも複雑となる。

とりわけ離婚は、日本人同士でも様々な諸問題の解決を迫られるのに、これが国際離婚ともなるとより一層大変だ。日本人配偶者と離婚することで在留資格が失効してしまうこともあるし、場合によっては日本と出身国の両国で離婚手続きをしなければならないこともある。

また、子供がいれば、親権問題は元より、その行方によっては国籍や在留資格の問題まで発生してくることとなる。

 

国際離婚の基準となる「準拠法」

国際離婚となれば、問題は“どちらの国の法律が適用されるのか”であるが、適用基準となる国の法律は「準拠法」と呼ばれる(離婚以外でも、ビジネス契約などにおいても適用される法律)。

話し合いがこじれ、どうしてもどちらかの国の法律を「準拠法」とする合意が無理であると判断されれば、妥協案として第三国の法律を「準拠法」とする場合もある。

それでは、日本における国際結婚・国際離婚の「準拠法」となる、「法の適用に関する通則法」という法律を見ていきたい。

通則法第25条(婚姻の効力)
婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地法が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法による。

同第27条(離婚)

第25条の規定は、離婚について準用する。ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は、日本法による。

 

法律の条文なので言い回しが難解だが、要約すると以下の通りだ。

①夫婦の本国法が同一であるときはその法
外国出身の夫や妻が日本に帰化していれば、本国法は同一であるため、日本の法律が適用される。

②夫婦の常居所地法が同一であるときはその法
夫婦の生活基盤が日本にあると認められる場合は、日本の法律が適用される。5年以上海外に継続滞在している場合は、その国の法律が適用される。

③そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法
夫婦のどちらか一方が日本に生活の基盤がある日本人であれば、日本の法律が適用される。

というわけで、日本で国際離婚をするのならば、日本の法律が根拠法となるわけだ。

 

日本人が海外で国際離婚する場合

ところで、日本人が外国籍の配偶者と海外で暮らしている間に国際離婚に至ることもあるだろう(この場合、準拠法は暮らしていた地域の法律となる)。

その場合、現地での離婚成立を日本の戸籍に反映させる手続きが必要となるが、現地で離婚が成立したことを証明する公的な書類とその翻訳書類を本籍地のある役所に提出すれば、日本でも離婚が成立したことになる。

相手が不在でも問題はない。

 

国際離婚と子供の問題

国際結婚の末に日本で子供が産まれたとして、やがて両親が離婚をするとなると、子供の養育についてお互いが円満に妥結できているのならば問題はないが、親権居住地域で揉めているとなると話はことさら複雑となる。

 

万一、外国出身の相手方が未成年の子供を自分の出身国に無断で連れ帰るようなことがあれば、それはハーグ条約という国際条約に基づいて「連れ去り」とされることがある。

逆に、国際結婚をして海外で暮らしていた日本人が、現地の離婚裁判で親権を取ったとしても、裁判所の許可がないと子供が出国できないことがある。勝手に日本へと連れ出せば、やはりハーグ条約に基づいて、こちらも誘拐罪で訴えられる可能性があるのだ。

ハーグ条約は、国境を越えた子どもの不法な連れ去り(例:一方の親の同意なく子どもを元の居住国から出国させること)や留置(例:一方の親の同意を得て一時帰国後,約束の期限を過ぎても子どもを元の居住国に戻さないこと)をめぐる紛争に対応するための国際的な枠組みとして,子どもを元の居住国に返還するための手続や国境を越えた親子の面会交流の実現のための締約国間の協力等について定めた条約です(2016年1月現在、日本を含めた93か国が締約国)。(引用元:外務省Webサイト)

参考記事:ハーグ条約を知っていますか?

 

世知辛いことだが、国際結婚では離婚のことも考えて、結婚前から弁護士の立会いのもとで婚前契約書(プレナップ)で念入りな同意書を事前に作成しておくことが必要かもしれない。

 

本記事は、2016年03月10日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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