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増え続ける空き家問題、政府・自治体の対策

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東京都下の住宅も9軒に1軒が空き家

少子高齢化を原因に住宅需要が減少しているにもかかわらず、都心の人気エリアでは今なおマンションや戸建が次々と新築されている。

産経新聞によれば、”全住宅取引の8割以上は新築で、中古住宅の比率は10%半ばに留まっている。欧米で7~9割を中古が占めるのとは対照的”なのだとか。

 

このような状況下、家主を失った空き家が増え続け、防災や防犯の観点からこれが危険視されて社会問題化している。

空き家が増える直接的な要因の多くが、相続にあるといい、家主の死去に伴って子が不動産を相続するも、相続人である子は既に都心部に住宅を構えているためにそこには誰も居住せずに放置されるケースや、相続物件を売りにだすものの一向に買い手がつかずに空き家化するケース、相続が争族に発展して長期間放置されるケース等がしばしば見受けられるのだという。

参考記事:少子高齢化と供給過多で増え続ける空き家問題

 

上記の当サイト記事では、”特に郊外地域での空き家増加が目立っている”と書いたが、どうやら空き家問題は郊外地域に限らず、東京都23区内でも深刻化しているのだそうだ。

確かに下図の都道府県空き家率を見てみても、東京都が”空き家率の低い都道府県6位”に位置しているとはいえ、その率は10.9%
ざっくり計算しても、”東京都下の住宅の9軒に1軒が空き家”となることからも、この問題が都市部でも深刻化している、日本全国レベルの社会問題であることがわかる。

 

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引用元:総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査」

 

空家等対策の推進に関する特別措置法

日経新聞が紹介した野村総合研究所の試算では、”現在、年間90万~100万戸程度で推移する新築着工戸数を60万戸程度に落としたとしても、40年には空き家率が36%になる”という。

空き家が増えれば、限りある土地の無駄遣いが増えるばかりか、放火・不法侵入等といった犯罪の温床となりかねず、古い家屋の倒壊の危険性も指摘されている。

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こうした状況を踏まえて、政府は「空家等対策の推進に関する特別措置法案」を国会に提出。
2014年11月14日に衆議院、同19日に参議院本会議を通過させ、同法案を成立させた。

参考:参議院議案情報
参考:空家等対策の推進に関する特別措置法(PDF)

この法律によって、今後は市町村長が”空き家”と思しき建物に立入り調査を行えるようになるうえ、所有者情報を明らかにするために固定資産税情報を内部利用できるようになる。

空家等対策特別措置法第9条2項
市町村長は、第14第1項から第3項までの規定の施行に必要な限度において、当該職員又はその委任した者に、空家等と認められる場所に立ち入って調査をさせることができる。

同第10条
市町村長は、固定資産税の課税その他の事務のために利用する目的で保有する情報であって氏名その他の空家等の所有者等に関するものについては、この法律の施行のために必要な限度において、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。

 

また、この調査によって問題がある空き家が確認された場合は、改善措置の指導・助言、勧告、命令が可能となり、所有者がこれに従わない場合は強制執行することができるようになる。

同第14条
市町村長は、特定空家等の所有者等に対し、当該特定空家等に関し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとるよう助言又は指導をすることができる。

この法律は今年2月末にも施行される見通しだ。

 

その他の国・自治体の空き家対策

その他、昨年末にとりまとめられた2015年度与党税制改正大綱には、固定資産税の優遇措置の対象から”倒壊等の恐れが空き家”を除外することが決められている。

これまで、住宅市場の活性化目的で、住宅が建てられている200平方メートル以下の土地の固定資産税税率を1/6に軽減する優遇策を実施してきたものの、更地にすると当該優遇策が受けられなくなることが災いし、空き家増加の要因となっていた。これが見直されるわけだ。

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また、アベノミクスが掲げる”地方創生”に関わる規制緩和案の1つとして、安全性が確保されている場合等といった一定の条件の下、建築基準法の耐火基準を緩和して、廃校等の築年数の古い建物を再利用しやすくすることが検討されているようだ。

 

国だけでなく、自治体も独自に空き家対策に動き出している。

日経新聞によると、”社会問題化する空き家を解体し、跡地を防災拠点として活用する動きが各自治体で広がっている”といい、”土地を無償提供した所有者の税金を優遇”したり、”解体費用を助成”したりといった具体策をとっているそうだ。

バブル時期に首都圏のベットタウンとして人気を博した埼玉県所沢市は、空き家対策として、国に先駆けて放置不動産の所有者に対して行政指導を行える条例を制定しているという。

空家等対策の推進に関する特別措置法」の施行に併せ、自治体の空き家対策の動きは一層加速するとみられている。

 

参考記事:
少子高齢化と供給過多で増え続ける空き家問題
止まらぬ人口減少 出生数も婚姻件数も最少に
相続のポイント ~単純承認・相続放棄・限定承認~

 

本記事は、2015年02月13日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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