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外国人家事労働者受け入れの利点と課題

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シンガポールや香港では中流層にもメイドがいる

日本で”お手伝いさん”がいる家庭は、概して富裕層世帯と見られる。

他方で、シンガポールやマレーシア、香港等では一般的な中流層世帯であっても自宅に住み込みの”お手伝いさん=メイド”がいることが珍しくない
彼女達は、インドネシアやフィリピンといった他の東南アジア地域から単身で出稼ぎにやってくる家事労働者だ。

着々と経済成長を続けている東南アジアにおいて、先んじて発展を遂げた地域には、多数の外国人家事労働者がいる。
そして、彼女達を受け入れる地域には”メイドがいる文化”がしっかりと根付いていて、十分な需要もある。

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昨年春、日本でも”関西地域を国家戦略特区として、「18歳以上かつ、単身での入国」等の一定の条件を設けて外国人家事労働者の受け入れを試験的に実施する”という、アベノミクスの成長戦略の一案が持ちあがった。

同案は政府の閣議決定を経たものの、消費増税の影響による日本経済の停滞が明るみに出るや、安倍政権が「12月にその可否を見定める」としていた”消費税再増税の先送り”を問うて、”衆議院解散・総選挙”に踏み切ったため、”女性の活躍支援”法案等とともに一旦廃案となった。

参考記事:解説:2014年衆議院解散・総選挙に至ったワケ

ただし、”外国人家事労働者の受け入れ”は、”待機児童問題”を解決し、”女性の社会進出・復帰”を大きく促進させる可能性を秘めているため、これが再び成長戦略の具体案として俎上に載ってくることは間違いないだろう。

 

海外の実例に見る”受け入れ”のメリット

日本と同様に”少子高齢化”が問題視され、早くからその対策として外国人家事労働者の受け入れに踏み切ったシンガポールでは、現在、約5世帯に1世帯が、日本円にして6万円程度の月給で外国人家事労働者を雇い入れているのだという。

また、香港でも広く外国人家事労働者を受け入れていて、その大半を占めるフィリピン人とインドネシア人を合わせると32万人超もいるのだそうだ。
彼女らに支払われる月給はシンガポールとほぼ同額で、世帯の30代の妻がフルタイムで働いて得られる月収が20万円~40万円程度であるというから、オカネを払ってメイドを雇う余地は十二分にある

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住み込みのメイドには狭いながらも個室が与えられ、多くのケースで食事も家族と一緒にとるため、文字通り、寝食を共にして家族の世話をしてもらうこととなる(別に居を構えて、通いで雇い主の家庭の家事をするケースもある)。

その仕事内容は、週6日間、朝食の支度から始まり、掃除、洗濯、買い物、子供の世話、夕食の支度と後片付けまでと、至れり尽くせりだ。
雇い主の家庭の母親が仕事を終えて帰宅すれば、子供がメイドと待っていて、夕食も用意されているばかりか、食事の後も子供とコミュニケーションをとる時間がたっぷりと確保できる。

 

朝、忙しなく子供を保育園に送り届け、小走りで会社に出社して、夕方になれば後ろめたさを感じながら早めに退社して子供を迎えに行き、夕食を作って後片付けをこなし、洗濯機を回しながら子供を寝かしつけて・・・といった生活を余儀なくされている、仕事を持ったママ達からすると夢のような話に聞こえるのではなかろうか。

このような環境が日本の社会でも当たり前となれば、”待機児童問題”は容易に解決するだろうし、大いなる”女性の活躍支援”となろうことは、言わずもがなだ。

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外国人家事労働者受け入れに向けた課題

とはいえ、今の日本には外国人家事労働者を受け入れるにあたって解決すべき課題が幾つもある。

まずもって、日本ではほとんどの家庭でお手伝いさん用の個室を用意することができないハズで、”住み込み”ではなく”通い”で家事を任せるほかない。
そうなれば、彼女らの住むべき場所を確保しなければならないし、国の支援がなければ、そのために支払うべき賃金も”格安”というわけにはいくまい。

 

また、先に例を挙げた、フィリピンやインドネシアから外国人家事労働者を受け入れているシンガポールや香港、マレーシアでは、多くの人が日常的に英語を使っているのに対して、英語という言語に対応できない日本の一般的な家庭が外国人のお手伝いさんを雇うとなれば、日本語を話せる人でなければならないという高い壁ができる。

 

彼女らに交付するビザにも、一層の工夫が必要だろう。
受け入れ制度を開始する前にしっかりと仕組みづくりをしておかなければ、後々になって違法移民を助長する結果となってしまいかねない。

 

労働法への対応も然りだ。
一日中家事を行うということは、8時間を超えた長時間労働となってしまう可能性が高い。

最近、農業分野等での外国人実習生を不当に低い賃金で長時間働かせていた事件がしばしば明るみに出ているが、こういった事件の二の舞にならないよう、労働ルールの策定も必須であろう。

 

参考記事:
女性登用に目標数値規定せず 実効性は不透明
女性が輝く社会・Womenomicsが日本経済を救う
人手不足深刻化で、女性や外国人の雇用拡大へ
女性の社会進出を促進する家事支援税制

 

本記事は、2015年02月19日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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