法務・税務・労務などの問題解決エンジン
some system placed here.

契約書のポイント ~契約書レビューの視点・注意点~①

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

契約書レビューの視点・注意点

 おかげさまで契約書レビューのお仕事をたくさん頂いております。
 今回は、私が契約書レビューをする際の視点や注意点など、ざっくりとした抽象的な内容ですが、皆さまのお役に立てればと思い、ご紹介させて頂きます。

 

必要な条件が記載されているか

 まず、契約書として意味のあるものにするために、当該契約書において当然に入っていなければならない条件が記載されているかを確認することが重要です。

 どの類型の契約でも記載が必要な条件として・・・

・当事者の記載
・契約締結日の記載
・契約目的の記載
・暴排条項(反社条項)

 などがあります。

 

 また、例えば売買契約では・・・

・売買目的物(品質・数量などの特定も必要です。)
・売買代金額(税込みかどうか、目的物複数の場合は内訳の確認も必要です。)
・支払時期(年月日で特定する方法、契約時、引渡完了後などの特定方法があります。)
・支払方法(現金、銀行口座振込など)
・不履行の場合の処理方法(解除、損害賠償など)
・目的物に瑕疵がある場合の処理(解除、損害賠償、交換、修理など)

 

 どのような条件の記載が必要かは契約の目的によって決まってくるため、必要な条件はそれぞれの具体的な契約目的・内容によることになります。

 

不要な条項は入っていないか

 当該契約において意味をなさない不要な条項が入っていないかを検討することも重要です。

 私がときどき見るのは、秘密保持契約における解除条項の存在です。
 秘密保持契約において、債務不履行(すなわち秘密情報の開示・漏洩・目的外使用等)を理由として秘密保持契約の解除を認める意味は、原則としてないものと考えています。
 なぜなら、解除の効果として相手方が負っている秘密保持義務も消滅してしまうため、相手方に対して秘密情報の保持を期待できなくなってしまうからです。
 秘密保持契約を結ぶ目的から合理的に考えれば、相手方に債務不履行があったとしても、解除をして相手方を秘密保持義務から解放する合理性はないように考えます。

※一つの考え方として、こちら側も同じ内容の秘密保持義務を負っている場合で、こちら側が秘密保持義務から解放されるために解除をすると言う余地もありそうですが、こちら側としては十分に秘密保持義務を遵守できていたのであり、これから相手方の秘密を故意に漏洩するなどの目的のために解除することも考えにくいと思います。

 

遵守が難しい条件を見極める

 相手方から提示された条件のうち、当方として遵守できない条件はその理由を伝えて修正または撤回を要望すべきでしょう。

 例えば、秘密保持契約書において、秘密情報の開示者が受領者に対して、秘密情報の管理状況を監査するために受領者の事業所に立ち入りできるという内容の条件をときどき見ます。
 しかし、受領者にとってこれは受け入れにくい条件なのではないでしょうか。
 受領者としては、当該開示者以外の取引先からも秘密情報を預かっており、また、自社独自の秘密情報もあるでしょう。当該開示者による無条件の立ち入りを認めるとすれば、他の取引先や自社の秘密情報を漏洩しかねない状況になることが予想されます。
 このような条件に対しては、立ち入りを認めるとしても、他の取引先や自社の秘密情報が含まれることを理由に立ち入り範囲を限定できるむねの譲歩案を提示することも考えられます。

※例えば、「時間を戻す」などの明らかに無理な条件は当然除外すべきですが、ここで伝えたいのは、具体的な契約条項を具体的に考えて見て遵守が難しいかどうかを検討してほしいという点です。

 

契約書のポイント ~契約書レビューの視点・注意点~②

 

本記事は、2016年04月18日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

yoshida 吉田秀平

弁護士

上場企業の総務・法務を担当した経験を活かして、中小企業、ベンチャー企業、スタートアップの支援をさせて頂きたく思っています。訴訟になる前に、リスクが顕在化する前に、低コストで高い効果の予防法務サービスを提供することが目標です。

  • 所属:しぶや総和法律事務所

関連記事


新着記事
公式Facebookページ 公式Facebookページ
誰に何と相談していいかわからない方へ
050-7576-0762
[日本法規情報]
  • 平日10:00~20:00
  • 土日祝終日、受付のみ対応

誰に何と相談していいかわからないあなた。
私達が相談相手探しのお手伝いをいたします。

無料相談・全国対応 050-7576-0762 お電話ボタン