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契約書のポイント~表明保証条項~

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表明保証条項とは

 表明保証条項は、契約当事者の一方が、契約締結時点における一定の事項について事実を表明し保証する内容の条項です。

 不動産売買契約、M&A、投資契約など、売買目的物や対象会社の状態が重要な判断材料になるような契約において、比較的最近よく見られるようになりました。

 たとえば以下のように定める例があります。

第X条(表明および保証)
甲は、乙に対し、本契約締結日現在において、次の各号に掲げる事実を表明し、保証する。
 (1) 本契約を締結するにあたり、法令および内部規則等により要求される授権その他一切の手続きを履践していること。
 (2) 乙に対して提出した財務諸表その他の経営資料が公正な会計基準に基づき作成され、財務諸表に記載のない債務その他一切の負担が存在しないこと...(以下略)

 

 上記の例は、M&Aや投資契約などの対象会社の状態が重要である場合の文言ですが、不動産や高価な動産の売買契約等においては、売買締結時点において、判明している以外の瑕疵の不存在や、担保や負担の不存在を表明・保証する例などが考えられます。

 

表明・保証した内容に違反した場合の効果を定めておく

 表明保証条項が国内の契約書で見られるようになったのは比較的最近であることや、表明保証条項違反は通常の債務不履行と異なる性質があることから、表明保証条項に違反した場合の効果は法律上明確に定まっているとはいえません。

 そこで、契約書において表明保証条項に違反した場合の効果を明確に定めておくことがリスク回避の点から有用です。

 具体的には、契約締結後に表明保証された事実と異なる事実が判明した場合には、契約の解除や損害賠償が可能であることを定めるほか、投資契約や株式譲渡契約においてはある時点の価格における株式買取を請求できるように定める方法があります。

 

表明・保証責任が免責される場合

 M&Aにおける表明保証条項違反による損害賠償が請求された事案において、表明保証された事実と異なる事実が存在することについて、買主が知っているかまたは知らないことについて重過失がある場合(悪意または重過失)には、売主は表明保証責任を免れるという判断をした下級審判例が存在します。

 表明保証条項による責任が制限される場合があることに注意してください。

 なお、上記下級審判例では、M&Aの際に行われる専門家によるデューディリジェンスが行われていたとしても、当然に重過失が認められるものではないということも判断されています。

 

暴排条項における表明・保証

 最近では、反社会的勢力対応の一環として、契約当事者が反社会的勢力に属しないことについての相互に表明・保証する条項を置くことがコンプライアンスの上で必要となっています。

 たとえば以下のように定める例があります。

第X条 反社会的勢力排除
1 甲および乙は、相手方に対して、本契約が締結された日および将来にわたり、自己または自己の役員および従業員が次のいずれかに該当する者または団体(以下、「反社会的勢力」という。)に該当しないことを表明し、保証します。
暴力団、暴力団員、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、政治活動、
社会運動等標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等、反社会的勢力共生者...(以下略)

 

 暴排条項における表明・保証に違反した場合の効果としては、即時の契約解除を定めておくとともに、解除により相手方に生じた損害については賠償責任を負わないと定めるのが一般的です。

 

本記事は、2017年01月10日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

yoshida 吉田秀平

弁護士

上場企業の総務・法務を担当した経験を活かして、中小企業、ベンチャー企業、スタートアップの支援をさせて頂きたく思っています。訴訟になる前に、リスクが顕在化する前に、低コストで高い効果の予防法務サービスを提供することが目標です。

  • 所属:しぶや総和法律事務所

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