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家庭事情で選ぶ、遺産分割の種類と方法

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知識を得て臨みたい、遺産分割

相続というのは、どうしても相続人のうちの誰かが経済的に有利なる一方、他の誰かが不利になるという傾向があるため、相続人全員の合意を得るのが難しいケースが多々ある。

例えば、一旦は共有財産となった遺産を相続人全員の合意の基で分けるといっても、人数が増えればそれだけ合意は難しくなるのは常であろう。

さらにややこしいことに、もし、マイナスの遺産があれば、先に相続債務の返済を済ませてから、プラスの財産について遺産分割協議を進めるということも考えられる。こういったケースでは余計に全員の合意を得ることが難しく、争族に発展してしまいがちだ。

 

誰でも遺産相続で争いたくないのは同じはず。

それでも現実に相続争いになってしまうのは、各家庭によってそれぞれ違う事情や個人の感情があるためで、そのためにも遺産分割についての知識はもっておくべきだ。

相続人がどのような姿勢で遺産相続に臨んだらよいのかを知る上での参考として、遺産分割の種類と方法を以下に挙げてみたい。

 

遺産分割協議4種類

遺言による指定分割・・・被相続人は、生前に財産分与の最終意思表示を遺言書に残せる。民法の規定よりも優先されるのが故人の意思であるが、法律的に有効な遺言書にするためには、法律の定める方式によって書き記した遺言書でなければならない。

なお、自宅に保管してある遺言書を発見した場合、勝手に開封をしてはならない。法律上有効であるかどうかの判断は、司法書士や弁護士などを入れての専門家の判断となる。

 

話し合いによる協議分割・・・相続人全員が協議をした上で合意したなら、どのような内容でも遺産を分割できる(極端な場合、長男一人の相続で、他の相続人は相続なしなどでも可能)。遺言書がない場合に有効で、合意の証明として、内容は遺産分割協議書を作成するとよい。

遺言書があったとしても、相続人全員が合意すれば、遺言書と異なっていても財産分与は可能である。

 

家庭裁判所による調停分割・・・協議をしても話がまとまらない場合、家庭裁判所に調停の申し立て請求をする。ここで合意が成立すれば、調停調書が作成される。それでも協議がまとまらない場合や協議ができない場合、家庭裁判所に審判分割の請求をすることができる。

手続は、家事審判官(裁判官)1名と調停委員2名が申し立て相続人本人(1人~複数)の意見を聞きながらの進行となるため、弁護士に全権委任することはできず、相続人本人(1人~複数)の出席が義務づけられている。

 

調停不成立時、家庭裁判所による審判分割・・・家庭裁判所でも遺産分割調停が成立しなかった場合、審判手続きに移行する。ここまでくると、家庭裁判所の家事審判官(裁判官)が民法906条に従って裁量し、相続人に応じた分割の内容を判断することになるが、一方的に相続人を外して決めるのではなく、相続人全員は家庭裁判所に指定された審判期日に出頭することになる。

手続は、相続人が一堂に会し,家事審判官(裁判官)の進行によって、各相続人が事実・法律上の主張を書面で行い、裏付けの証拠書類や資料を提出していくという流れで行われる。

民法第906条(遺産の分割の基準)
遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

 

大抵のケースではここで終わるが、まだ不服とする相続人がいれば、2週間以内に即時抗告をすることができ、その後の控訴審は高等裁判所で行われることになる。

 

遺産分割の方法

財産といっても、土地、建物、骨董品など、分割が難しい場合もある。財産を理解した上での遺産分割方法を、相続人全員が知っておきたい。相続人同士の話し合いをする上で、役立つであろう。以下、4つの分割方法を見てみよう。

現物分割・・・残した財産の今ある形、例えば不動産、預金などの形をそのままで、どの相続財産を誰が相続するか、シンプルに分割する方法。基本的な方法であるが、デメリットは、財産の公平さに欠ける点である。

換価分割・・・遺産を売却して現金に換え、現金を相続人に数値化して分割する方法。デメリットは、居住している家や先祖代々の土地など、売却困難な場合があること。

代償分割・・・特定の相続人がすべての遺産、または現物遺産を相続する代わり、他の相続人に代償相続分に応じた金銭を払う方法。家や土地を残す場合には最適である。デメリットは、金銭を払う相続人が支払いできるだけの経済力が必要になることである。

共有分割・・・今ある遺産を分割しないで、相続人で共有する方法。デメリットは、問題の先送りになるだけで税金がかかり、共有者が死亡したら、新たな相続人の追加により、新たな揉める原因になりかねないことだ。

 

どの方法がベストなのかを相続人で模索しながら解決したいものである。場合によっては、いくつかの分割方法を組み合わせてみることもよいだろう。

 

本記事は、2015年12月18日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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