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少子高齢化と供給過多で増え続ける空き家問題

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平成25年住宅・土地統計調査

総務省統計局は7月29日、同省が5年毎に行っている、住宅とそこに居住する世帯の居住状況、世帯の保有する土地等の実態を把握し、その現状と推移を明らかにする「住宅・土地統計調査」の平成25年度版(2013年度版)の調査結果を公表した。

同調査の結果は、住生活基本法に基づいて作成される住生活基本計画、土地利用計画などの諸施策の企画、立案、評価等の基礎資料として利用されているという。

 

今回の調査で判明した、日本全国に存在する総住宅数(平成25年10月1日現在)は5年前の前回調査比5.3%増となる305万戸増加の6,063万戸、総世帯数は同5.0%増となる248万世帯増加の5,426万世帯であったそうだ。

因みに関東・中京・近畿の3大都市圏の合計住宅数は3,220万戸で、全国の53.1%を占めているという。

 

なお、今回の調査結果で顕著な結果が出たのが「居住世帯のない住宅」で、かつ建築中の住宅を除いた、いわゆる「空き家」の数である。

参考:総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査」(PDF)

 

空き家率は過去最高の13.5%に

調査の結果を見ると、「居住世帯のない住宅」の総数は全体の14.1%に相当する853万戸で、この「居住世帯のない住宅」の96%超という大部分に相当する「空き家」の数は820万戸であった。

実に総住宅数に対する空き家率は13.5%となり、今回調査でも過去最高を更新した形だ。

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引用元:総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査」

 

これを地域レベルの空き家率でみると、全国13.5%に対して、関東圏:11.4%・中京圏:12.6%・近畿圏:13.9%となっており、意外にも近畿圏の空き家率は全国レベルを上回っている

また、都道府県別の空き家率(別荘等を除く)は以下の通り。空き家率トップは山梨県で、以下に四国4県が続いている。

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引用元:総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査」

空き家率が17.2%に達した山梨県に至っては、建設済みの住宅6軒に1軒以上の割合で、そこに誰も済んでいない計算となる(何年も放置された別荘等を含めるともっと多い)。

 

空き家率上昇の背景

空き家率が上昇する背景にあるのは、少子高齢化に伴う人口減少問題が顕在化する最中にあって、新築物件がなお供給され続ける「供給過多」の傾向が一向に収まらないためであろう。

都市部ではあちこちで再開発が行われて高層マンションが立ち並び、郊外でも、誰も手を加えなくなって久しい田畑がしばしば低層の集合住宅に生まれ変わっている。

しかしながら賃貸物件の借り手がなかなか現れないために、ひとたび入居者が退去してしまうと、半年以上も空き家状態が続くことなど全く持って珍しいことではなくなったと聞き及ぶ。

 

もちろん、「居住世帯のない住宅」で増加しているのは何もマンション等の集合賃貸住宅だけではない。

老老介護という言葉に代表されるように、家に高齢者を介護する人手がなく、やむなく介護施設に入居したり、病院に入院した後に誰も住まなくなった持ち家が、そのまま放置されているケースも多いのだそうだ。

また、郊外に暮らしていた高齢の世帯主の死去に伴って遺族が住宅を相続するも、相続人は既に都市圏に新たな住居を持ち、相続した住宅が放置されるケースや、そもそも争族(相続を一族が争うこと)が長引き、相続財産である住宅が空き家化するケースもある。

こういった住宅は解体しようにも解体費用がネックとなったり、住宅よりも更地の方が固定資産税が高くなることが大きなハードルになっているのだ。

※空き家は小規模宅地等の特例が受けられず、相続税が高くつくことも多いので要注意だ。

参考サイト:
空き家の解体費用等を援助してくれる国土交通省の「空き家再生等推進事業」
一般社団法人移住・交流推進機構の「空き家バンク・住まい情報」

 

少子化対策と地方活性化対策がカギ

こういった空き家の問題は、何も指標上や金銭面だけの問題にとどまらない。

古くなった空き家を長らく放っておけば倒壊の危険があるうえ、放火や不法侵入等の犯罪のターゲットとなりやすく、空き家が多い地域では治安悪化が懸念される。

空き家問題は、このまま見過ごしてイイ問題ではないのだ。

 

国全体の経済の活性化を語るにあたって、不動産市場は切っても切り離せない重要な市場だ。

新築住宅の住宅ローン減税等、政府はあの手この手で不動産・建設業界を盛り上げようとしているように、不動産市場の興隆を促す手を緩めるわけにはそうそういかないのだ。

 

政策をもって新築物件の供給を制限するワケにいかないとなれば、空き家問題の解決糸口も他の多くの問題と同じく、やはり、出生率の増加地方の活性化にあるのだろう。

今回の安倍内閣は少子化対策や地方活性化を重要政策課題の1つに挙げているが、過去の政権がそうであったように、なかなか抜本的な解決策が見いだせていないように窺える。

法人税率の引き下げ等も大切なことではあろうが、日本の未来のためにも国を挙げてこういった問題の解決に本気で取り組んでいただきたいものだ。

 

参考記事:
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相続のポイント ~遺言の方式~
相続のポイント ~遺産分割の4種類の手続~
相続のポイント ~戸籍の調べ方~
相続のポイント ~単純承認・相続放棄・限定承認~
相続のルール ~相続分~
相続のルール ~法定相続人の確定~
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本記事は、2014年07月31日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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