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年末調整を行うために①

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税務も自分達でという流れ

年末調整は、税理士に税務を任せている会社の方であれば、税理士に任せておくと計算が行われていて、それに沿って社員の給与を調整して「源泉徴収票」を社員に送付、送ることになっている場合には「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の送付さえ行えば、申告の関係は全て税理士が行ってくれます。

それどころか、送付すら代行してくれる場合もあります。

 

しかし近年、無料クラウド会計ソフトなどの便利なツールの出現により、中小企業や個人事業主の間では、税理士に依頼するのではなく、自分で会計業務をすべて行おうとする方が増えています。

今回は、特に税務を自分で行いたいと考える経営者がとまどいやすい、年末調整について紹介をいたします。

 

年末調整とは

給与の支払を行っている事業者は給与を支払う際に、所得税や復興特別所得税を源泉徴収しています。

しかし、この源泉徴収額は、時としてその人が1年間に納めるべき税額とは異なる場合があります。そこで、実際に支払うべき金額と、源泉徴収額を一致させることを、年末調整と呼びます。

 

実際の業務としては、下記のような流れとなります。

①所得税法別表第5「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」により、給与所得控除後の給与等の金額を求める。
②給与所得控除後の給与の額から、扶養控除などの所得控除を引く。
③所得控除を引いた金額(100円未満切捨)に、所得税の税率を当てはめて税額を求める。
④住宅借入金等特別控除を行う場合はこの控除額を税額から引く。
⑤控除額を差し引いた税額に102.1%をかけた税額(100円未満切捨)が、その人が1年間に納めるべき所得税及び復興特別所得税となる。
⑥算出した税額が源泉徴収した額より少ない場合は還付を行い、逆に支払うべき税額の方が多い場合はその差額を徴収する。

ただし、給与が2000万円を超える人については、年末調整の対象にはならないので、注意が必要です。

参考サイト:国税庁「収入金額が660万円以上の場合の所得税法」
参考サイト:国税庁「所得税の税率」

 

このように年末調整を行ったら、給与を支払った月の翌年1月末日(休日の場合は翌日)までに、税務署に給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表と、条件に合致する従業員の法定調書を提出します。

法定調書は平成28年4月現在、61種類ありますが、通常使用するのは、給与所得の源泉徴収票や退職所得の源泉徴収票、報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書、不動産の使用料等の支払調書、不動産の譲受けの対価の支払調書、不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書などでしょう。法定調書合計表の様式にも、利用が多いこれらの項目が一般的に記載されています。

参考サイト:国税庁「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」(PDF)

 

なお、この様式に掲載されていない法定調書を提出する場合にも、法定調書合計表の添付が必要ですが、特に様式は決まっていません。税務署によっては、ひな形を用意している場合もあるので、提出を行う場合は問い合わせてみると良いでしょう。

 

税務署への申請

法定調書合計表が作成できたら、法定調書とともに所轄の税務署に提出します。
提出が必要な法定調書は以下のような場合にあてはまるものです。

 

○源泉徴収票

〈年末調整したもの〉
・法人の役員又は役員であった、その年中の給与等の支払金額が150万円を超える場合。

・弁護士、司法書士、税理士等で、その年中の給与等の支払金額が250万円を超える場合(報酬として受け取る場合は「報酬、料金、契約金および賞金の支払調書」を提出)

・役員や弁護士、司法書士、税理士の以外の者は、給与額が500万円を超える場合

 

〈年末調整しなかったもの〉
・給与所得者の扶養控除等申告書を提出した人で、年内に退職した人や、被災などで給与から税金の天引きを猶予された人のうち、給与額が250万円を超えた場合。(法人役員は50万円を超えた場合)

・給与所得の扶養控除等申告書を提出した人で、給与額が2,000万円を超えた場合

・給与所得者の扶養控除等申告書を提出しなかった人で、給与額が50万円を超える場合

 

○報酬、料金、契約金、及び賞金の支払調書

支払調書のうち提出が必要なのは、以下のような場合です。
これは、源泉徴収を行わなければいけない条件とも一致します。

・外交員、集金人、電力量計の検針人及びプロボクサー等の報酬、料金、バー、キャバレー等のホステス等の報酬、料金、広告宣伝のための賞金で、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超える場合

・馬主に支払う競馬の賞金で、その年中の1回の支払賞金額が75万円を超える支払いを受けた者に係るその年中の全ての支払金額

・プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金で、その年中の同一人に対する支払金額の合計額が5万円を超える場合

・弁護士や税理士等に対する報酬、作家や画家に対する原稿料や画料、講演料等で、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が5万円を超える場合

・社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬で、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超える場合

 

他にも、提出が必要な法定調書はたくさん種類がありますので、漏れの無いように提出する必要があります。必要な書類を把握していない場合は、税務署に事前に問い合わせると良いでしょう。

また、年末調整は煩雑です。作成が無理だと感じた時には、早めに税理士に相談することをオススメします。

 

本記事は、2016年04月25日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

prof Kasiko編集部

編集チーム

  • 所属:Kasiko

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