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年末調整を行うために②

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自社で行い節約をしたい

税金に関する業務を社内で行う中小企業や個人事業主が増えていると、前回からご紹介しています。

前回の「年末調整を行うために①」では、年末調整の際に行うべき実際の作業についてや、その後どのように税務署へ申請を行わなければならないのかをご紹介しました。

参考記事:年末調整を行うために①

今回は、税務署への申告を行うのと同時期に行わなければならない、市区町村への申請の方法や、該当する場合にはぜひ利用したい、便利な制度についてご紹介したいと思います。

 

年末調整を行ったら、税務署に源泉徴収票を提出したように、市区町村に給与支払報告書を提出しなければなりません。

税務署に提出を行うと、自動的に市区町村から住民税の決定通知書と納付書が届くため、特に提出を行わなくても問題ないと思っている方もいるかもしれませんが、連携ができている市区町村は一部に限られ、納付書が到着しない場合もあります。

提出が給与の支払いを行った事業主全てに課せられる義務だということもありますが、税務署へ申請を行った日によっては、住民税の計算が間に合わず、6月からの徴収に間に合わないという場合もあります。市区町村にも必ず申請を行うようにしましょう。

 

市区町村への申請

住民税の徴収方法は、普通徴収特別徴収の2種類です。

「普通徴収」とは自分で支払う方法を指し、住民税の場合個人宛に市区町村から納付用紙が送られてくるので、これを利用して支払う方法です。主に、会社を退職した方や、アルバイト等で収入を得ている方、個人事業主の方などは普通徴収が行われます。

年に4回、全体の1/4ずつの金額を、市区町村に納めます。

 

「特別徴収」は、地方税や社会保険料を本来の納税者である個人から直接徴収するのではなく、勤務する会社などが給与や公的年金を納めることを指します。給与から毎月引き落とされている所得税や社会保険料などが、この特別徴収の方法で納められている税です。

住民税の場合、給与から控除し預かった税金は、所得税等と同じく、納税義務者である会社が、預かった月の翌月10日までに、各市町村へ納付します。

1人の人物に、給与を支払っている事業所が複数ある場合は、主な事業者が特別徴収を行います。 

 

所得税については、給与から税金を預かって納付する源泉徴収を行わないと、事業所にペナルティが課せられます。これは、源泉徴収を行うことが事業者に義務付けられているからです。

しかし、住民税は地方税法で以下のように規定されています。

地方税法第321条の4(給与所得に係る特別徴収義務者の指定等)
(前略)特別徴収の方法によって個人の市町村民税を徴収しようとする場合においては、当該年度の初日において同条の納税義務者に対して給与の支払をする者(他の市町村内において給与の支払をする者を含む。)のうち所得税法第183条の規定によって給与の支払をする際所得税を徴収して納付する義務がある者を当該市町村の条例によって特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。(後略)

 

つまり、特別徴収義務者として指定されてはじめて、徴収をしなければならない立場になるのですから、住民税の場合、特別徴収を行うことは事業所の義務ではないのです。

参考サイト:法令データ提供システム「地方税法」

よって、所得税は給与から源泉徴収を行っているが、住民税は源泉徴収を行っていないという会社もあります。

 

しかし、このような状態では、住民税を滞納する納税義務者が増えてしまいます。そこで、自治体によっては、条例で特別徴収を義務化しようという動きが出てきています。

もともと地方税法には、「給与の支払をする際所得税を徴収して納付する義務がある者を当該市町村の条例によって特別徴収義務者として指定し、これに徴収させなければならない。」と記載があるため、所得税を源泉徴収している事業主を特別徴収義務者として指定して、住民税の特別徴収を行わせなければならなかったのですが、今までは、地方自治体がこれを徹底しておらず、所得税のみ源泉徴収が行われているという会社が多く存在していました。

しかし、今後特別徴収義務者の指定を徹底し、住民税の未納を減らそうという取り組みが行われています。例えば東京都では、平成26年度から、特別徴収制度の周知活動に取り組み、平成29年からは、特別徴収を徹底することになりました。今後は、普通徴収が認められる条件に合致する納税者を除き、特別徴収が徹底されることになります。

 

なお、東京都で普通徴収が認められる場合は、以下の通りです。

普A 事業所の総従業員数が2人以下
(他の区市町村を含む事業所全体の受給者の人数で、以下の普B~普Fの理由に該当して普通徴収とする対象者を除いた従業員数)
普B 他の事業所で特別徴収
普C 給与が少なく税額が引けない。
普D 給与の支払が不定期(例:給与の支払が毎月でない。)
普E 事業専従者(個人事業主のみ対象)
普F 退職者又は退職予定者(5月末日まで)
(休職等により4月1日現在で給与の支払を受けていない方を含みます。)

参考サイト:東京都主税局「個人住民税の特別徴収推進ステーション」

 

特別徴収の場合、市区町村への申請は毎年1月末までに、給与支払報告書を提出します。

給与支払報告書には総括表と個人別明細があり、総括表には会社全体の給与支払の情報を、個人別明細には、該当の市区町村にその年の1月1日に住んでいた従業員の給与等の情報を記載します。個人別明細の内容は、源泉徴収票と同様です。

 

利用したい制度

毎月住民税の納税を行うのは大変・・・と考える事業主の方も多いでしょう。

そこで、従業員が常時10名未満の事業所の場合、市区町村に申請して承認を受けると、年12回の納期を年2回にする「納期の特例」制度が利用できます。用紙一枚で申請できますので、ぜひ利用してみたいですね。

従業員の数が多く、対応が難しいような場合には、税理士など専門家へ依頼することもオススメです。

 

本記事は、2016年05月02日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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