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年金の基礎知識②―厚生年金

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厚生年金の位置づけ

「年金の基礎知識」と題してご紹介している、様々な年金制度。
前回の①では国民年金について簡単にご説明いたしました。

参考記事:年金の基礎知識①―国民年金

 

pensionsikumi

前回の国民年金は、上記表の下の段、基礎年金でしたが、今回ご紹介する厚生年金は上乗せ年金と呼ばれる、基礎年金に上乗せして加入する年金制度で、表にすると上の段に位置するものです。
政府が行っている労働力調査によれば、就業者のうち雇用されている方は88%に上りますので、この88%に含まれる方は、国民年金と同様に厚生年金についても良く理解しておく必要があります。

参考サイト:政府統計の総合窓口「労働力調査」

 

厚生年金とは?

厚生年金は、厚生年金保険法に基づき作られており、昭和19年より始まった制度です。
厚生年金制度の目的は、以下のように規定されています。

厚生年金保険法第1条(この法律の目的)
この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

 

労働者のための法律ですので、加入するのは民間企業の労働者です。
勤めている企業が法人である場合や、常時5人以上の従業員を使用する適用業種の事業所の場合は、原則として厚生年金制度に加入することになります。

 適用業種:厚生年金保険法第6条1項に記載された、イからタまでの16業種を指す。
 16業種は以下の通り。

厚生年金保険法第6条(適用事業所)
次の各号のいずれかに該当する事業所若しくは事務所又は船舶を適用事業所とする。
1.次に掲げる事業の事業所又は事務所であつて、常時5人以上の従業員を使用するもの
 イ 物の製造、加工、選別、包装、修理又は解体の事業
 ロ 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業
 ハ 鉱物の採掘又は採取の事業
 ニ 電気又は動力の発生、伝導又は供給の事業
 ホ 貨物又は旅客の運送の事業
 ヘ 貨物積みおろしの事業
 ト 焼却、清掃又はと殺の事業
 チ 物の販売又は配給の事業
 リ 金融又は保険の事業
 ヌ 物の保管又は賃貸の事業
 ル 媒介周旋の事業
 ヲ 集金、案内又は広告の事業
 ワ 教育、研究又は調査の事業
 カ 疾病の治療、助産その他医療の事業
 ヨ 通信又は報道の事業
 タ 社会福祉法に定める社会福祉事業及び更生保護事業法に定める更生保護事業

 

給付は主に3種類で、原則65歳を超えると受給できる老齢厚生年金や、障害を負った際の障害厚生年金や障害手当金、加入者が死亡した際の遺族厚生年金等を、受給要件さえ満たせば受給できます。
例えば老齢厚生年金の場合、

①65歳以上であること、
②1ヶ月以上の厚生年金保険の被保険者期間を有すること、
③老齢基礎年金(国民年金)の受給資格期間(25年)を満たしていること

の3つが主な条件となります。

厚生年金制度に加入をしていることで、国民年金制度にも加入していることになりますので、受給条件に該当する場合は、国民年金と厚生年金を合わせて受け取ることができます。

保険料は標準報酬月額に基づいて決定され、標準報酬月額は、報酬月額に基づく等級によって定められます。等級区分による保険料額の表があり、簡単に調べることが出来ます。

参考サイト:全国健康保険協会「平成26年度保険料額表」

 

報酬月額は、4月~6月の報酬の総額を月数で割ることによって算出されますので、この期間に残業などで給与を多く得た場合、12ヶ月間の平均報酬月額で算出するより標準報酬月額が高額になることもあります。反対に低く抑えることも出来ますので、この期間にノー残業週間を設けている企業もあるようです。

保険料は被保険者とこの被保険者を雇用している事業主とが半額ずつ負担します。納付は事業者の義務となっていますので、被保険者と事業主が負担する保険料を合わせて事業主が納付します。
給与明細等で社会保険料の名目で引かれている金額がありますが、これがこの厚生年金保険と、一括化して管理されている健康保険の保険料です。記載されている額の倍の額が、保険料として納付されています。

 

受給資格期間に満たない場合は・・・?

会社に勤めていない時に国民年金に加入しておらず、老齢厚生年金の受給資格の要件となる、基礎年金の加入期間が25年に満たない、とお悩みの方も多いようです。
しかし、平成26年4月より施行されている「年金機能強化法」には、この受給資格期間を25年から10年に短縮するという項目があります
消費税の2度目の増税に合わせて施行される予定だったため現在施行は延期されていますが、この「受給資格期間の短縮」が行われれば、加入期間が25年に満たなかった方も、10年を超えていれば年金を受け取ることが出来るようになります。
また、今までは受給資格期間に含まれなかった、国民年金の任意加入未納期間が受給資格期間に算入されますので、主婦の方などはこの年金機能強化法によって、受給できるようになった可能性もあります。

参考サイト:日本年金機構「平成26年4月から年金機能強化法が施行されます」

 

高齢任意加入などによって、受給資格期間をこれからおぎなう方法もありますので、受給資格期間でお悩みの場合は、どうせ受給できないなどと諦めず、社会保険事務所や年金事務所のほか、社会保険労務士等に相談してみることをお勧めします。

 

参考記事:
年金の基礎知識①―国民年金

 

本記事は、2015年06月03日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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prof Kasiko編集部

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