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幼稚園と保育園の違い-幼稚園は大半が定員割れ

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保育園が足らない一方で・・・

保育園落ちた日本死ね!!!」なる、センセーショナルなタイトルの匿名ブログがきっかけで、”待機児童問題”が再燃している。

詳しくはこちら→参考記事:保育士が足りない-待機児童解消へ向けた施策

 

問題の火消しに躍起となった政府与党は、既存の小規模保育所の定員拡充や保育士の賃金引上げ、企業内保育施設への助成拡大等といった、急場しのぎとも取られかねない対策の打ち出しを検討し始めている。

政府・与党が検討する待機児童の解消策の骨格が分かった。国から助成金を受け取れる企業内保育所の対象拡大や、2歳までの子どもを預かるミニ保育所(小規模保育所)の定員拡充などが柱になる。保育士不足の解消に向け、保育士の給与を政府予算で措置している1.9%分を含めて約4%引き上げることを検討する。(引用元:2016年3月25日付け日経新聞)

 

しかしながら、この矢継ぎ早な待機児童解消対策は、これをなし得るための財源等には一切触れられておらず、実現性に不透明感が残る。

そのため、”降って沸いた”ような”社会問題の早期沈静化”を図るための”急場しのぎ”の対策案だ―等と指摘する声が挙がっているわけだ。

安部政権が掲げる成長戦略”アベノミクス”では、人手不足が顕著となってきている日本社会において、”女性の活躍促進”を重要事項としているにも関わらず、とりわけ都市部で顕著な保育園不足問題が、幼い子供を持つ母親の社会進出の妨げとなっている。

ところで―。

一方で、同じ幼児向け施設である”幼稚園”は、その多くが定員割れとなっている事実をご存知だろうか。

 

保育園と幼稚園の違い

保育園は足らないのに、幼稚園は定員割れが多い。幼い子を持つ親ならばまだしも、このことを知らない人は意外に少なくないようだ。

何故、世の中では”保育園不足”ばかりが社会問題として叫ばれているのだろうか。

その答えは保育園と幼稚園のそもそもの違いにある。ざっくりとその違いを挙げると以下の表の通りだ。

 

  幼稚園 保育園
対象年齢 満4歳~6歳 0歳から小学校入学前まで
預かり時間 お昼を挟んで4~5時間(※) 認可保育園で11時間
所管省庁 文部科学省 厚生労働省

※夕刻までの延長預かり保育を行っている幼稚園もある。

 

この他にも、それぞれの”園”でいわゆる”先生”と呼ばれる人が保有している資格が、幼稚園は都道府県が発行する”幼稚園教諭免許”なのに対して、保育園は国家資格の”保育士資格(旧来の資格名称は保母)”といった違いがある。

また、所管省庁が異なっている通り、文部科学省が所管する幼稚園は”教育”が柱となっているのに対して、厚生労働省所管の保育園のそれはあくまで”保育”だ。

 

こうして違いを挙げてみると、何故に保育園不足が叫ばれる一方で、多くの幼稚園が定員割れしている理由がお分かりいただけることだろう。

幼稚園はしっかりとした教育要綱が定められている反面、3歳以下では預けられないうえ、時間的にも融通が利きづらく、共働き(若しくはシングルペアレント)世帯の多くが真に求めているニーズに応えることができていない。

そうして、子供の年齢的にも預け入れが可能な時間的にも、親のニーズを満たすことができる保育園に応募が偏ってしまうわけだ。

 

幼稚園リソースの有効活用やこども園の拡充を

今年4月の認可保育施設への入所倍率は、東京23区の12区で前年より上がり、希望の施設に入りにくくなったことがわかった。うち4区は2倍を超え、申込者の半数以下の受け入れ枠しかなかった。前年より枠を増やしたが、申込者の増加に追いついていない状況だ。(引用元:2016年3月30日付け朝日新聞)

この朝日新聞の記事によると、全国の待機児童の34%は東京都に集中(昨年4月のデータ)していて、杉並区・目黒区・世田谷区・渋谷区で認可保育園の入所倍率が2倍を超えているのだそう。

※保育園の場合、受け入れ対象年齢が(園にもよるが)”0歳から小学校入学前まで”で、一度入園した園児はそのほとんどが小学校入学まで同じ保育園に在籍する傾向が強い。そのため、低年齢時から入園させるほうが、当然入所倍率的には有利となる。

一方の幼稚園は、高度な教育カリキュラムが用意された一部の私立幼稚園で高い入所倍率となっているものの、公立の園では8~9割が定員割れの状況となっていると聞き及ぶ。

 

こうしたジレンマを解消すべく、”教育”の幼稚園と”保育”の保育園が一体化した”こども園”制度が、平成18年10月の「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」の制定によって導入されたものの、現在までに著しい成果が上がっているとは言いがたい。

園の規模によっては支給される補助金が足らずに減収となってしまうケースがある等の問題から、一度、幼稚園や保育園からこども園に移行した園が、認定を返上して元の幼稚園等に戻ってしまうことが相次いでいるのだという。

しかも、認定を返上する園は、待機児童問題の中心地たる東京都に多いのだそうだ。

 

小規模保育所や企業内保育施設の拡充等とともに、既存の幼稚園リソースの有効活用を模索する、こども園への支援制度を拡大する―等の対策を具体的に推し進められれば、待機児童問題の根本的な解決に資する余地がある。

さらにこれが少子化対策にもなることを鑑みて将来の日本を見据えれば、積極的に財源を確保して然るべき優先政策と考えられよう。

 

本記事は、2016年04月01日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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