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広がる民泊の課題と対策①

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特区民泊の政令改正が閣議決定される

2016年10月25日、国家戦略特区において行われている、一般住宅に旅行客を有料で泊める民泊について、最低宿泊日数を「6泊7日以上」から「2泊3日以上」に短縮するという政令改正が閣議決定された。同月31日に施行される。

政府は25日の閣議で、国家戦略特区を活用した「民泊」の滞在日数の要件を「6泊7日以上」から「2拍3日以上」に緩和することを決定した。マンションなどの空き室に観光客を泊める民泊の新規参入を促すことで、増加する外国人旅行者の需要に対応し、利用者の利便性向上を図る。31日に施行する。(引用元:2016年10月25日付け毎日新聞)

 

民泊特区とは、国家戦略特別区域において、外国人滞在施設経営事業を行おうとする場合、都道府県知事の認定を受けることにより、当該事業については旅館業法の規定は適用しないこととされているもので、旅館業法に則った手続きなどをふまなくても、民泊を経営できるという制度である。

法令には、以下のように定められている。

国家戦略特別区域法第13条(旅館業法の特例)
国家戦略特別区域会議が、第八条第二項第二号に規定する特定事業として、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を定めた区域計画について、第八条第七項の内閣総理大臣の認定を申請し、その内閣総理大臣認定を受けたときは、当該内閣総理大臣認定の日以後は、当該国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、その行おうとする事業が当該政令で定める要件に該当している旨の都道府県知事の認定(以下この条において「特定認定」という。)を受けることができる。

同法第13条4項
特定認定を受けた者(以下この条において「認定事業者」という。)が行う当該特定認定を受けた事業については、旅館業法第三条第一項の規定は、適用しない。

なお、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業とは、「国家戦略特別区域において、外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき一定期間以上使用させるとともに当該施設の使用方法に関する外国語を用いた案内その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供する事業として政令で定める要件に該当する事業をいう」とされている。

 

政府は、マンションなどの空き室や、近年増加している空き家などを、観光客を宿泊させる施設として運営する民泊が、増加する外国人旅行者の需要に対応することを狙っている。

緩和の一方で、増加するトラブルに対応するため、政令には民泊業者が宿泊者名簿を作成することや、近隣住民からの苦情に迅速に対応できる体制を作ることなどを明記した。

違反が改善されない業者には、特定認定を取り消すこともできるため、宿泊ニーズに対応する一方、締めるべきところは締めたと言える。

 

なお、この内容を受けて、国土交通省も、
・マンション管理組合等への情報提供
・特区民泊の建築基準法における取り扱い(安全性の確保、近隣住民等の良好な住環境に対する配慮などに関する措置)
についての通知を出した。

マンション管理組合等への情報提供には、特区内に立地するマンション管理組合は、必要に応じあらかじめ管理規約等で方針を告知しておく方が望ましいこと、新築分譲マンションにおいては、事業者があらかじめ管理規約内に方針を設定することが望ましいこと、住宅の借主が転貸して民泊を行う場合の参考として、事前に住宅所有者等の承諾を得て、転貸条件等を賃貸薬契約上反映することなどが記載されている。

また、建築基準法における取り扱いでは、火災時における避難安全性を確保するための措置や、近隣住民等の良好な住環境に配慮するための措置などが記載されている。

参考サイト:国土交通省「特区民泊の円滑な普及を図るための住宅・建築行政上の対応について」

 

国家戦略特区を活用した民泊は、現在では東京都の大田区と大阪府、大阪市が実施しており、さらに北九州市でも2016年中に条例を施行するとしている。

 

身近になる民泊

「実施されている国家戦略特区は場所が限られているし、数も少ないので自分には関係ない・・・」と思う方も多いと考えられるが、実は、そう単純な問題ではない。

近年、外国人旅行客のニーズに答えて、都内では大田区以外の区でも、旅館業法の手続きを踏んで、民泊を行っている業者や物件オーナーが増えている。

正式な手続きを行って、合法的に民泊を運営しているのならまだしも、最近一番問題となっているのが「違法民泊」である。

旅館業法上の届出を行わず、特区民泊などでもない、物件を所有しているオーナーが清掃などの実務を第三者に委託し民泊を運営したり、手ごろなマンションの1室を居住用と偽って賃借し、民泊として転貸しているケースもある。

持ち主や近隣住民との間でトラブルとなることもしばしばである。

 

2017年に予定されている「民泊新法」の制定は、手続きを簡素化することで、これら違法民泊を減らすとともに、民泊への民間業者の新規参入を狙っている。

現在の状況がどのように推移するのか注意していきたい。

 

そもそも民泊とは何か?

そもそも、民泊とはいったいどのようなもので、どのようなことが問題となり、どのような法律で規制を受けているのか・・・。

オリンピックイヤーに向けて、ますます海外からの観光客の増加が予想されている日本で、民泊はどのように広がっていくべきなのか、「広がる民泊の課題と対策」では、民泊の現状と既存の制度、さらに新しく生まれる予定の民泊制度についても、ご紹介していきたい。

 

本記事は、2016年11月22日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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