法務・税務・労務などの問題解決エンジン
some system placed here.

広がる民泊の課題と対策②

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

民泊とは何か?

広がる民泊の課題と対策」では、外国人旅行者の急増を背景に注目される民泊の現状と、民泊を取り巻く今後の制度改革について、解説を行っている。

今回の「広がる民泊の課題と対策②」では、民泊はどのようなものか、ご紹介したい。

参考記事:広がる民泊の課題と対策①

 

一般的に、民泊とは、住宅の全部又は一部を活用して、宿泊サービスを提供するものとされている。

戸建住宅や共同住宅などの住宅の種類は問わず、家主が共に生活する場合と、部屋のみを提供する場合など、宿泊サービスの形態も特に定められてはいないが、宿泊サービスのみを提供するものを民泊と呼ぶことが多い。

参考サイト:厚生労働省「民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」

 

民泊を歴史的にみると、かつては民家に泊まることを民泊と呼んでいた。交通機関や宿泊施設が不十分な時代、無償で旅人に宿を提供することも多く、このように呼ばれたと考えられる。

その後は、現在の滞在型の農村体験など、無料で民家に泊まることを民泊と呼んでおり、有償の民宿と異なる意味で呼ばれていた。

大きく意味が変わったのはつい最近のことで、インターネットの普及により、主に外国人観光客に個人住宅を貸し出すビジネスが登場し、現在ではこのビジネスを表す言葉として、民泊という言葉が定着した。

現在でも、無料で外国人観光客を自宅に宿泊させ、日本の文化を体験させる日本人がおり、それが本来の民泊の姿と言えるのかもしれない。

 

訪日外国人増と民泊サービスの急速な拡大

ここ数年、「Airbnb」をはじめとする空き室を短期で賃貸する方と旅行者とをインターネット上で結びつける、マッチングサービスが普及してきている。

日本では、住宅事情や言葉の問題などにより、普及が始まったのはつい最近であるが、Airbnbがある程度日本語にも対応したことを受け、新たなビジネスとして注目されるとともに、普及が急速に進んでいる。

参考サイト:Airbnb

 

管理会社の中にも、空き室を民泊として活用することを売りにしている会社があったり、民泊経営を成功させている物件オーナーや、民泊可能な物件を借りて事業として民泊を経営する実業家も現れた。

さらにこれに伴って、民泊の実際の運営を請け負う会社や、掃除などの実務のみを請け負う会社など、民泊に関連する事業の展開を始める会社も多い。

 

背景となるのは、急増する訪日外国人観光客である。

2016年1月~10月の訪日外客は、2000万人を突破している。今後も増加が見込まれており、政府は2020年に4000万人の訪日外客を目標としている。

参考サイト:日本政府観光局「統計データ(訪日外国人・出国外国人)」

政府は30日、訪日外国人観光客の拡大に向けた具体策をまとめる「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」(議長・安倍晋三首相)を開き、訪日外国人観光客数の目標人数を倍増させ、平成32(2020)年に4千万人、42(2030)年に6千万人とすることを決めた。首相が掲げる名目国内総生産(GDP)600兆円の達成に向け、観光施策をその起爆剤にしたい考えだ。(引用元:2016年3月30日付け毎日新聞)

 

それに対して、現在大都市部では宿泊施設の需給がひっ迫した状態であり、大都市圏では客室稼働率が80%を超える都道府県も多い。

2015年、特に大阪府では、リゾートホテルが89.8%、シティホテル・ビジネスホテルが86.8%になるなど、客室稼働率は極めて高い。日本全国で見ても、全体で60.3%の客室稼働率となっており、平成22年の調査開始以来最高を記録した。

観光客数の増加がこれからも見込まれており、宿泊施設が不足する現状は今後も継続すると考えられる。民泊が注目されるのも、必然だと考えられる。

参考サイト:観光庁「観光統計」(PDF)

 

違法民泊の広がり

有償かつ反復継続して宿泊施設を提供する場合、日本では旅館業法の許可が必要となる。しかし、ビジネスとして民泊を行っているにもかかわらず、旅館業法上の許可を得ずに行われている違法な民泊が広がっている。

宿泊客が把握できず、火災などの問題も起こりやすく、大変危険な状態である。

また、感染症まん延の防止や、テロ防止などの観点からも、適切な管理や、安全性の確保、さらに近隣住民とのトラブルを防止するための制度作りが必要となっている。

そこで、平成27年に閣議決定された「規制改革実施計画」を踏まえて、民泊サービスのあり方に関する検討会が立ち上げられた。

参考サイト:内閣府「規制改革実施計画」(PDF)

 

「民泊の制度設計のあり方」基本方針

13回の検討会を経て民泊の制度設計のあり方についての基本的な考え方が決定されたが、その内容は以下の通りである。

(1)制度の目的は、民泊の健全な普及、多様化する宿泊ニーズや逼迫する宿泊需給への対応、空き家の有効活用など。
(2)民泊を住宅を活用した宿泊サービスの提供と位置づけ、一定の要件の範囲内で、有償かつ反復継続するものとする。
(3)「家主居住型」と「家主不在型」に区別した上で、住宅提供者、管理者、仲介事業者に対する適切な規制を課し、適正な管理や安全面・衛生面を確保しつつ、行政が、住宅を提供して実施する民泊を把握できる仕組みを構築する。(引用元:観光庁Webサイト)

 

最終報告では、違法民泊への対応が急務であることに触れ、現行制度の枠組み内での民泊への対応、今後のホテル・旅館に対する規制の見直しなどにも言及、さらに民泊のあり方などが述べられている。

参考サイト:観光庁「「民泊サービス」の制度設計のあり方について」(PDF)

 

この内容に基づいて、今後、民泊に関する新法が策定、施行される予定である。

 

本記事は、2016年11月30日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

prof Kasiko編集部

編集チーム

  • 所属:Kasiko

関連記事


新着記事
公式Facebookページ 公式Facebookページ
誰に何と相談していいかわからない方へ
050-7576-0762
[日本法規情報]
  • 平日10:00~20:00
  • 土日祝終日、受付のみ対応

誰に何と相談していいかわからないあなた。
私達が相談相手探しのお手伝いをいたします。

無料相談・全国対応 050-7576-0762 お電話ボタン