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広がる民泊の課題と対策⑤

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問題となる点は何か?

広がる民泊の課題と対策」では、外国人観光客の増加に伴い話題となることが増えている、民泊について、ご紹介している。

広がる民泊の課題と対策①では、最近の民泊に関する行政の動きや、民泊を取り巻く状況などについて、広がる民泊の課題と対策②では、そもそも民泊がどのようなものなのか、今何が問題となっているか、今後どのようなあり方が期待されているかなど、広がる民泊の課題と対策③では、民泊の現状や見逃されがちになっている、違法民泊を取り巻く状況について、④では、民泊を運営するにあたって関わってくるだろう法令について紹介した。

参考記事:広がる民泊の課題と対策①
参考記事:広がる民泊の課題と対策②
参考記事:広がる民泊の課題と対策③
参考記事:広がる民泊の課題と対策④

 

今回の広がる民泊の課題と対策⑤では、合法的に民泊を行う場合、どのような民泊が考えられるのか、もとになる法令とともにご説明したい。

 

合法民泊にはどのようなものがあるか

「合法民泊」と一言で表しても、その中にはいろいろな民泊が含まれる。そもそも、旅館業法などの適用を受けて運営していない、「違法民泊」の対義語として「合法民泊」と表現しているため、違法にはあたらない民泊と考えても良いだろう。

どのような種類があり、どのような法律に基づいているのか、ご紹介したい。

現行の法制度において可能となる民泊には、大きく分けると、旅館業法に基づいて可能となる民泊と、旅館業法の適用を受けない民泊の2種類がある。

2017年には新たに民泊新法の制定が予定されているため、今後はこの制度に基づいた民泊が旅館業法の適用を受けない民泊の中に含まれてくると考えられるが、今回は2016年現在可能な民泊について取り扱う。

 

・旅館業法の適用を受ける民泊
旅館業法の適用を受ける民泊は、さらに2種類に分けられる。
現在運営されている民泊の中心となる、「簡易宿所営業民泊」と農業や漁業などの体験と宿泊を組み合わせたサービスを行う「農林漁業体験民宿業」である。農林漁業体験民宿業は、通称「農家民泊」と呼ばれている。

旅館業法で定められている、簡易宿所営業の許可要件を満たしていれば、自宅の一部やマンションの空き室などを使った民泊を行うことが可能となる。農家民宿についても旅館業法の許可要件を満たしていれば行うことが可能となるが、通常の簡易宿所営業よりも要件が緩和されており、構造・設備の基準となる、簡易宿所の客室延床面積33㎡以上という基準が適用されないこととなっている。

旅館業法は許可制となっているため、必要な書類をそろえて旅館業法の許可申請を行う必要がある他、民泊に適している物件かどうかは、様々な法律に基づいた検討を行う必要があるため、民泊ビジネスを始めたいという方には、大きな障壁となっている。

速やかな許可を受けたいという場合や、自分の所有している物件や自宅が民泊を合法的に行える条件に当てはまっているか知りたいという場合などは、旅館業法に詳しい行政書士や弁護士などの法律の専門家の他、民泊の専門家である民泊適正管理主任者などへ相談することが、旅行業法上の許可を得る近道となるだろう。

参考サイト:法令データ提供システム「旅館業法」
参考サイト:法令データ提供システム「農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律」

 

・旅館業法の適用を受けない民泊
旅館業法の適用を受けず、別の法律に基づいて運営することができる民泊もある。
国家戦略特区(外国人滞在施設経営事業)」と「イベント民泊」である。

国家戦略特区は、一定の要件を満たす特区にある施設を賃貸借契約に基づいて条例で定めた期間以上、外国人旅客に提供するものを指し、外国人用に用意された施設であれば、実際に宿泊する方が日本人など外国人旅客でなくても特に問題はない。現在は特区が東京都ならば大田区、そのほか大阪市などと限られており、条例で定めた期間も7日~10日と長いため、該当する宿泊施設はあまり多くない。

イベント民泊は、年1回(2~3日程度)のイベント開催時に、宿泊施設の不足が見込まれるため、開催地の自治体の要請などによって自宅を提供するというような、大変公共性の高いもので、要請される頻度も高くないため、民泊ビジネスには結びつかないと考えられる。ただし、自治体の要請に対し応募する形態をとっており、許可制などではないため、インターネットの届出制を検討している民泊新法の実施案においては、参考にされやすい形式であると考えられる。

なお、国家戦略特区の場合には旅館業法適用除外申請を行う必要があり、これも個人が行うにはハードルが高い場合もある。専門家への相談が早期開業への近道だろう。

参考サイト:法令データ提供システム「国家戦略特別区域法」
参考サイト:観光庁観光産業課「イベント民泊ガイドラインについて」(PDF)

 

許可制と届出制

今回頻繁に登場する「許可制」とは、一般には禁止されていることを、ある特定の人物や法人に対して行政庁が審査を行い、許可、すなわち限定的に禁止を解除する制度を指す。

規制の手段としては、「許可」「届出」「資格」「特許」「認可」「国家独占資格」などがあるが、比較的厳しい規制であると考えられる。これに対して、「届出制」は、行為自体は禁止されておらず、事前の届け出を行うように規制されている制度である。

監督官庁は、違法行為につながる証拠がない限りは届出を却下できないとされており、規制の範囲の小さい制度である。民泊新法では、民泊を開始するために、この届出を行わせることが検討されている。

現在の法律では、民泊を行う際には旅館業法の「許可制」を通過する必要があり、申請の書類が多く、手続きも煩雑だ。専門家への相談をおススメする。

 

本記事は、2016年12月22日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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