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広がる民泊の課題と対策⑧

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広がる民泊の課題と対策について

広がる民泊の課題と対策」では、外国人観光客の増加に伴い話題となることが増えている、民泊について、ご紹介している。

広がる民泊の課題と対策①では、最近の民泊に関する行政の動きや、民泊を取り巻く状況などについて、広がる民泊の課題と対策②では、そもそも民泊がどのようなものなのか、今何が問題となっているか、今後どのようなあり方が期待されているかなど、広がる民泊の課題と対策③では、民泊の現状や見逃されがちになっている「違法民泊」を取り巻く状況について紹介。

④では、民泊を運営するにあたって関わってくるだろう法令について、⑤では合法民泊にはどのようなものがあるのか、⑥では⑤で紹介した中からさらに詳しい旅館業法上の民泊について、⑦では合法民泊を行う上で必要な手順について紹介した。

参考記事:広がる民泊の課題と対策①
参考記事:広がる民泊の課題と対策②
参考記事:広がる民泊の課題と対策③
参考記事:広がる民泊の課題と対策④
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑤
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑥
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑦

 

広がる民泊の課題と対策⑧は、「農林漁業体験民宿業(農家民宿)」について。

旅館業法では、簡易宿所営業にあたる農家民宿だが、農林漁業者が行う農家民宿については、かなり制限が緩和されてきている。また、以前は農林漁業者しか行うことのできなかった農家民宿だが、一般の個人や法人でも行うことができるようになっている。

今回は、規制緩和が進むグリーンツーリズムの分野における民宿についてご紹介したい。

 

人気拡大、グリーンツーリズム!

グリーンツーリズムとは、農山漁村地域において、自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動を指し、欧州では、農村に滞在しバカンスを過ごすという余暇の過ごし方が普及している。ルーラル・ツーリズム、グリーンツーリズム、フランス語ではツーリズム・ベール(緑の旅行)などと呼ばれ親しまれている。

日本では、民間主体の組織で、養老孟司氏が代表を務める、オーライ!ニッポン会議により、都市と農山漁村の往来を活発にしたいと、国民運動として推進が図られている。

このグリーンツーリズムを支える、都市住民を受け入れる設備として、農家民宿も推進され、規制緩和が進んでいる。

 

平成6年に「農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律」(略称「農山漁村余暇法」)が制定され、農林漁業体験民宿業という事業が登場。

この法律では、農林漁業体験民宿業を、「施設を設けて人を宿泊させ、農林水産省令で定める農山漁村滞在型余暇活動に必要な役務を提供する営業をいう」と定義している。

農山漁村滞在型余暇活動に必要な役務とは、下記のようなものをいう。

〈農村滞在型〉
・農作業の体験指導
・農産物の加工又は調理の体験指導
・地域の農業又は農村の生活及び文化に関する知識の付与
・農用地その他の農業資源の案内
・農作業体験施設等を利用させる役務
・前各号に掲げる役務の提供のあっせん 〈山村滞在型〉
・林業施業又は林産物の生産若しくは体験の指導
・林産物の加工又は調理の体験指導
・地域の林業又は山村の生活及び文化に関する知識の付与
・森林の案内
・山村滞在型余暇活動のために利用されることを目的とする施設を利用させる役務
・前各号に掲げる役務の提供のあっせん

〈漁村滞在型〉
・漁ろう(水産物をとること)又は水産動植物の養殖の体験の指導
・水産物の加工又は調理の体験指導
・地域の漁業又は漁村の生活及び文化に関する知識の付与
・漁場の案内
・山村滞在型余暇活動のために利用されることを目的とする施設を利用させる役務
・前各号に掲げる役務の提供のあっせん

 

当初、農林漁業者しか農林漁業体験民宿業として登録することができなかったが、平成17年12月からは、農林漁業者以外の個人や団体も登録できるようになり、「旅館業法」や「食品衛生法」、「建築基準法」については規制緩和にはならないものの、都心部以外の民泊運営は付加価値が無いと難しいと言われている昨今、海外の旅行客の間で定着しているグリーンツーリズムを民泊ビジネスの1つとして利用するのも良いだろう。

参考サイト:法令データ提供システム「農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律」
参考サイト:農林水産省「グリーン・ツーリズム都市と農山漁村の共生・対流」

 

規制緩和の状況

農家民宿等の開設にあたっての規制緩和については、次のようなことが行われている。

〈旅館業法〉平成15年4月より、簡易宿所(民宿等)を開業する場合、33㎡以上の客室面積が必要とされていたが、33㎡に満たない客室面積でも簡易宿所(民宿等)の営業許可を得ることが可能となった。(農林漁業者が営む場合)

〈建築基準法〉平成17年1月17日より、農家民宿に関する建築基準法上の取り扱いの明確化が行われ、自宅を民宿として利用する場合でも、建築基準法上の旅館の基準への対応が必要だったが、客室面積が33㎡未満で、外部に容易に避難できるなど、避難上支障が無い物は、建築基準法の旅館としての対応が不要とされた。

〈食品衛生法〉平成18年10月24日より、農家民宿に対する飲食店営業許可についての条件緩和が行われ、以前は通常の飲食店と同様の許可基準を適用していたが、一定の要件を満たせば、営業用調理施設を家庭用と兼用しても可、営業用施設での体験調理可など、一部基準について緩和された。

〈消防法〉平成16年12月より、農家民宿における消防用設備等の設置基準の柔軟な対応が行われるようになり、19年1月19日には、農家民宿だけでなく、そのほかの小規模民宿の設備基準も規制緩和が行われた。これにより、以前は農家民宿も通常の民宿と同じ消防用設備等の設置を義務付けていたが、消防長又は消防署長の判断により、誘導灯等を設置しないことが可能となった。

その他、道路運送法、旅行業法、農地法、酒税法、都市計画法等、様々な分野で農家民宿への規制緩和が行われている。

 

本記事は、2017年01月19日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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