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広がる民泊の課題と対策⑪

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広がる民泊の課題と対策について

広がる民泊の課題と対策」では、外国人観光客の増加に伴い話題となることが増えている、民泊について、ご紹介している。

広がる民泊の課題と対策①では、最近の民泊に関する行政の動きや、民泊を取り巻く状況などについて、広がる民泊の課題と対策②では、そもそも民泊がどのようなものなのか、今何が問題となっているか、今後どのようなあり方が期待されているかなど、広がる民泊の課題と対策③では、民泊の現状や見逃されがちになっている、違法民泊を取り巻く状況について解説。

④では、民泊を運営するにあたって関わってくるだろう法令について、⑤では合法民泊にはどのようなものがあるのか、⑥では⑤で紹介した中からさらに詳しい旅館業法上の民泊について、⑦では合法民泊を行う上で必要な手順について、⑧では農林漁業体験民宿業(農家民宿)について、⑨では特区民泊について、⑩ではイベント民泊について紹介した。

参考記事:広がる民泊の課題と対策①
参考記事:広がる民泊の課題と対策②
参考記事:広がる民泊の課題と対策③
参考記事:広がる民泊の課題と対策④
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑤
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑥
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑦
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑧
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑨
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑩

 

今回の、広がる民泊の課題と対策⑪では、建築基準法と民泊のかかわりについてご紹介したい。

建築基準法は、建築物の敷地や構造、設備や用途に関する最低限の基準を定めることによって、国民の生命と健康、財産の保護を図る法律である。

民泊とのかかわりで問題となってくるのは、「用途地域制限」と「防火・避難にかかる構造設備基準」であろう。今回はこの2点を中心に、ご紹介したい。

 

用途地域制限とは?

用途地域とは、都市計画法で定められた、12種類の地域のことを指す。

用途地域ごとに建築物等の用途が規制される他、用途地域が指定されている地域では、建築物の用途の制限と合わせて、建築物の建て方のルールが定められる。これにより、環境の保全を図っている。

なお、用途地域が必ず定められるのは市街化区域で、市街化調整区域は原則的に用途地域を定めない。

ただし、用途地域が定められた地域であっても、特別用途地区を指定して条例を定めた場合や、特定行政庁が個別に当該用途地域における環境を害するおそれが無いなどとして許可した場合には、定められた用途以外の用途で使用することができる。

用途地域の種類は以下の12種類である。

・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
・近隣商業地域
・商業地域
・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域

 

住宅や共同住宅は、工業専用地域を除くすべての用途地域に建てることができるが、ホテルや旅館は第一種住居地域(延床面積3,000㎡以下)、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域の6種類となっている。

民泊は、一戸建てかマンションの一室、あるいは全棟を利用して行うことが多いが、居住用の一戸建ての用途は住宅、マンションは共同住宅であり、工業専用地域を除く、色々な用途地域に建設することができる。

しかし、旅館業法上の民泊の用途は「ホテル又は旅館」となるため、旅館業法上の民泊を行う場合には、民泊に利用する建物が建つ地域は前述の6種類の用途地域でなければならない。もし、住宅を後から民泊にしようとする時には、用途地域の変更が必要となる。

さらに、用途変更等の工事をする場合には、100㎡以上の面積の場合、工事着工前に建築確認を受ける必要もある。

事前に、民泊を行いたい建物がどの用途地域に立地しているのか、調べておく必要があるだろう。

用途地域については、売買契約書や賃貸借契約書に記載されていることも多いが、分からない場合には、市町村のホームページなどで調べられる場合も増えてきたものの、管轄の市町村に問い合わせるのが早いだろう。

また、煩雑な手続きを代行してくれる専門家もいるので、一度相談してみるのもおススメだ。

参考サイト:法令データ提供システム「都市計画法」
参考サイト:東京都都市整備局「用途地域による建築物の用途制限の概要」(PDF)

 

防火・避難にかかる構造設備基準

旅館業法上の「ホテル又は旅館」扱いとなる旅館業法民泊の場合、規模にもよるが、防火や避難のために必要な構造設備基準が定められている。

内容としては、以下の通り。

・3階建以上又は2階の部分のうち旅館等の用途に供する部分の合計が 300 ㎡以上の場合は、耐火建築物等とすること
・旅館等の用途に供する部分の居室の床面積の合計が 200 ㎡を超える階における廊下の幅は、両側居室の場合 1.6m、片側居室の場合 1.2mとすること
・主要構造部が準耐火物又は不燃材料の場合は、居室から直通階段までの距離は 50m以下、その他の場合は 30m以下とすること
・主要構造物が準耐火物構造又は不燃材料の場合は、宿泊室 200 ㎡超の階に、その他の場合は宿泊室 100 ㎡超の階に、2以上の直通階段を設置すること
・5階以上の階に避難階段を設置すること
・延面積 500 ㎡超の場合、排煙設備を設置すること
・居室及び避難経路(廊下、階段等)に非常用の照明装置を設置すること
・旅館等の用途に供される床面積が 200 ㎡以上の場合、居室及び避難経路の内装仕上げを難燃材料等とすること
・防火上主要な間仕切壁を準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達するようにすること

 

ただし、2階以下、200㎡未満の規模の戸建住宅をホテル・旅館とする場合、住宅用防災警報器などの設置で対応可能となるよう、規制が緩和されているため、2階以下、200㎡未満の施設であれば、これらの規制はいくつかを除き、殆ど適用されない。

内階段の幅や火気使用室の内装に制限があるものの、規制緩和がしっかりとされており、規制に対応するためのリフォームは、必要最低限、ごく小規模なものに抑えられるだろう。

参考サイト:国土交通省住宅局「建築基準法関係」(PDF)

 

本記事は、2017年02月09日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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