法務・税務・労務などの問題解決エンジン
some system placed here.

広がる民泊の課題と対策⑫

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

広がる民泊の課題と対策について

広がる民泊の課題と対策」では、外国人観光客の増加に伴い話題となることが増えている、民泊について、ご紹介している。

広がる民泊の課題と対策①では、最近の民泊に関する行政の動きや、民泊を取り巻く状況などについて、広がる民泊の課題と対策②では、そもそも民泊がどのようなものなのか、今何が問題となっているか、今後どのようなあり方が期待されているかなど、広がる民泊の課題と対策③では、民泊の現状や見逃されがちになっている、違法民泊を取り巻く状況について、④では、民泊を運営するにあたって関わってくるだろう法令について解説。

⑤では合法民泊にはどのようなものがあるのか、⑥では⑤で紹介した中からさらに詳しい旅館業法上の民泊について、⑦では合法民泊を行う上で必要な手順について、⑧では農林漁業体験民宿業(農家民宿)について、⑨では特区民泊について、⑩ではイベント民泊について、⑪では民泊に関わる建築基準法の内容について紹介した。

参考記事:広がる民泊の課題と対策①
参考記事:広がる民泊の課題と対策②
参考記事:広がる民泊の課題と対策③
参考記事:広がる民泊の課題と対策④
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑤
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑥
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑦
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑧
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑨
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑩
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑪

 

今回の広がる民泊の課題と対策⑫では、民泊に関わる消防法について、ご紹介したい。

消防法は、「火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする」法律である。

この法律では、建物の用途などの種類ごとに設置すべき消防用設備などが定められており、民泊を行う場合も、その広さの割合などの条件によって、消防法で定められた消防用設備を設置しなければならない場合がある。

今回は、一般住宅の一部を民泊として活用する場合の例と、共同住宅の一部を民泊として活用する場合に分けて、どのような設備が必要となるのか、ご紹介していきたい。

参考サイト:法令データ提供システム「消防法」

 

一般住宅の一部を民泊として活用

消防法では、民泊だからといって、特に特別な規定があるわけではないので、現状、旅館業法上の民泊は、「ホテル・旅館」と同じ消防設備基準となる。

しかし、一般住宅の一部を民泊として利用する場合、民泊として利用する部分の割合によっては、消防用設備などの設置が不要になることもある。

<民泊部分が小さい場合>
民泊部分が建物全体の半分未満でかつ50㎡以下である場合には、建物全体が「ホテル・旅館」ではなく一般住宅として扱われるため、消防用設備などの設置は不要となる。ただし、全ての住宅に設置義務がある、住宅用火災警報器は設置が必要なので、注意が必要だ。

<民泊部分が建物全体の半分未満で50㎡超、又は建物全体の半分の場合>
この場合、建物全体が、用途が混在する防火対象物として取り扱われるため、消防用設備が必要となる。
消火器は民泊部分の床面積が150㎡以上の場合、自動火災報知設備は建物全体の面積が300㎡以上の場合は建物全体に、300㎡未満の場合は民泊部分のみ、誘導灯は建物全てに必要となる。ただし、誘導灯は農家民泊などの規制緩和の対象となる施設の場合設置不要、また一定の面積以下の居室の出入り口には設置不要となっている。
自動火災報知設備の設置というと、大掛かりな工事を想像される方も多いが、既存の建物の場合、無線方式のものを導入すれば、簡単な工事で対応することができる。

<民泊部分が建物全体の半分よりも大きい場合>
民泊部分が建物全体の半分よりも大きい場合、建物全体が宿泊施設として取り扱われる。
そのため、建物の延べ面積が150㎡以上の場合、消火器の設置が必要な他、自動火災報知設備や誘導灯が、建物の全てで必要となる。
また、宿泊施設として取り扱われる部分は、カーテンやじゅうたんなどを防炎品としなければならず、民泊部分だけではなく、建物全てで防炎のものを使用する必要がある。

 

共同住宅の一部を民泊として活用

分譲マンションや団地などの共同住宅で民泊を行う場合、「旅館・ホテル」に設置する消防設備と、もともと共同住宅に設置すべき消防設備とで共通のものがあり、既に共同住宅に設置されている消防設備があれば、新たに設置する必要はない。

設置が必要となるのは、自動火災報知設備や誘導灯など、「旅館・ホテル」のみ設置が必要となる設備である。

消火器は、共同住宅と旅館・ホテルなどの設置基準が同一のため、新たに準備する必要はない。

ただし、建てられてから時間が経っている場合、消火器の使用期限が切れている場合もあるため、設置されているかどうか、使用期限が切れていないか、確認する必要がある。

また、民泊部分のカーテンやじゅうたんは、宿泊施設なのでカーテンやじゅうたんは防炎品を使用しなければならないが、もともと31mを超えるいわゆるタワーマンションなどの場合は、防炎品を使用する必要があるため、共通点は多い。

<延べ床面積が300㎡未満、または500㎡未満で民泊使用部分が一割を超えない場合>
この場合、通常、自動火災報知設備が設置されていないため、自動火災報知設備の設置が必要となる。ただし、民泊を行っている部屋と管理員室等へ設置すれば良く、建物全体に導入する必要は無い。
誘導灯は、新たに廊下や階段などの共用部分に設置すればよく、避難口までの歩行距離や視認性など、一定の条件を満たせば、設置不要となる場合もある。

<延床面積が300㎡以上500㎡未満で、民泊使用部分が1割を超える場合>
この場合、建物全体に自動火災報知設備の設置が必要となる。誘導灯については、延べ床面積が300㎡未満の場合と同様である。

<延べ床面積が500㎡以上の場合>
民泊の有無にかかわらず自動火災報知設備が必要となるため、新たに準備する必要は無い。また、誘導灯については、延べ床面積が300㎡未満の場合と同様である。

 

消防設備の設置については、消防署によっても取り扱いが異なる場合があるため、専門家に相談することをおススメする。

 

本記事は、2017年02月16日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

prof Kasiko編集部

編集チーム

  • 所属:Kasiko

関連記事


新着記事
公式Facebookページ 公式Facebookページ
誰に何と相談していいかわからない方へ
050-7576-0762
[日本法規情報]
  • 平日10:00~20:00
  • 土日祝終日、受付のみ対応

誰に何と相談していいかわからないあなた。
私達が相談相手探しのお手伝いをいたします。

無料相談・全国対応 050-7576-0762 お電話ボタン