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広がる民泊の課題と対策⑯

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広がる民泊の課題と対策について

広がる民泊の課題と対策」では、外国人観光客の増加に伴い話題となることが増えている、民泊について、ご紹介している。

広がる民泊の課題と対策①では、最近の民泊に関する行政の動きや、民泊を取り巻く状況などについて、②では、そもそも民泊がどのようなものなのか、今何が問題となっているか、今後どのようなあり方が期待されているかなど、③では、民泊の現状や見逃されがちになっている、違法民泊を取り巻く状況について、④では、民泊を運営するにあたって関わってくるだろう法令について、⑤では合法民泊にはどのようなものがあるのか、⑥では⑤で紹介した中からさらに詳しい旅館業法上の民泊について解説。

⑦では合法民泊を行う上で必要な手順について、⑧では農林漁業体験民宿業(農家民宿)について、⑨では特区民泊について、⑩ではイベント民泊について、⑪では民泊に関わる建築基準法の内容について、⑫では民泊に関わる消防法について、⑬と⑭では民泊に関わる建物区分所有法について、⑮では民泊に関わる民法の規定について紹介した。

参考記事:広がる民泊の課題と対策①
参考記事:広がる民泊の課題と対策②
参考記事:広がる民泊の課題と対策③
参考記事:広がる民泊の課題と対策④
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑤
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑥
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑦
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑧
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑨
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑩
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑪
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑫
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑬
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑭
参考記事:広がる民泊の課題と対策⑮

 

今回の広がる民泊の課題と対策⑯では、宿泊施設を提供するホスト側から、ホストとゲストをインターネット上で結ぶ、いわゆるマッチングサイトに焦点を移して考えてみたい。

現在では日本でもAirbnbが有名だが、日本人向けに新しくサービスが誕生することも考えられる。日本でこのようなサービスを行う場合、どのような法律が関わってくるのかご紹介する。

民泊マッチングサイトの場合、特にその関わりについて考えなければならないのが、旅行業法と宅建業法だろう。

今回は、この2つの法律と民泊マッチングサイトとの関連で考えてみたい。

 

旅行業法と民泊

旅行業法は、旅行業者について登録制度を実施するとともに、旅行業などを営む者の業務の適正な運営を確保し、旅行業務に関する取引の公正の維持や旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを目的としている。

旅行業や旅行業者代理業を営むものは、観光庁長官の行う登録を受けなければならないと定められている。

参考サイト:法令データ提供システム「旅行業法」

 

旅行業には、「旅行者のため、運送等サービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為」や「運送等サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送等サービスの提供について、代理して契約を締結し、又は媒介をする行為」を行う事業が含まれている。

運送等サービスの中には、宿泊のサービスも含まれているが、ここで言われる「宿泊のサービス」は、旅館業法に基づく旅館業に該当するサービスを指す。

つまり、民泊が旅館業に該当する場合には、民泊サービスを仲介、手配する事業は旅行業に当たると考えられる。

旅行業法違反が問題となるのは、旅館業に関する場合である。違法民泊の場合は、そもそも旅館業には当たらないため、旅行業法違反に関する問題は起こらないということとなる。旅行業法との関わりを検討する必要があるのは、現時点では旅館業法民泊の場合に限られる。

民泊事業者の中には、旅館業の届けを行い運営している、合法民泊も多い。一般的にマッチングサービスが旅行業にあたる可能性も当然出てくるだろう。

これを回避するために取られている手法が、「プラットフォーム宣言表示」である。

 

これは、サイト上で行われているのは、旅行者と旅行業者又は宿泊・運送サービス提供事業者との間での取引であるから、サイトは、ホストから空室情報や日付、金額、ゲストから宿泊希望の情報を得てそのまま相手方に伝達するため、サイト運営者側に判断の裁量が無いことを示したものである。

実際に運営するにあたっては、こうした対策をしっかり講じていく必要があるため、専門家に相談、指示を仰ぐと良いだろう。

なお、今後成立予定の民泊新法では、仲介業者が登録制になるとされている。民泊新法に適応した民泊物件のみを扱う仲介業者である。

この法律ができれば、登録さえ行えば、違法にあたるという心配をせずに、民泊のマッチングサイトを運営できるということになる。その際には、取り扱う民泊が届出されている民泊物件かを確実に確認する必要が出てくるだろう。

 

宅建業法と民泊

民泊が「宿泊」か「賃貸」か、という問題は、既に何度か触れてきている。

マッチングが宅建業法でいうところの「仲介」に当たるかどうかは、民泊が「宿泊」か「賃貸」か、という問題に寄るところが大きいだろう。

民泊は、提供される施設に滞在者の生活の本拠があるかどうか、施設に寝具などが設置されているかどうかなどが判断基準とされ、期間が1か月以上など、特殊な条件以外は、民泊は賃貸借ではないと考えられる(昭和63年1月29日付厚生省生活衛生局指導課長通知)。

賃貸ではない場合は、もちろん仲介を行っても宅建業の免許は不要ということになる。

 

また、特区民泊では、国家戦略特別区域法に、「7日」を「賃貸借」として扱うという条文があるため、短期間の施設の貸し出しについては賃借には当たらない。

7日以内であれば、宅建業の認可は不要だろう。

参考サイト:法令データ提供システム「国家戦略特別区域法」

 

仲介行為についても考えてみたい。

旅館業民泊や特区民泊の合法民泊については、「賃貸」に当たらないため、宅建業の免許は不要である。では、違法民泊の場合はどうだろうか。

賃貸借の場合、業務が宅建業の「媒介」に当たる場合は、宅建業の免許が必要となるだろう。
ただ、インターネットを利用した、一般的なマッチングサービスの場合、情報提供を行っているのみで、交渉は本人が行うことから、「媒介」には当たらない。

よって、通常考えられるケースでは、民泊のマッチングサービスを運営するにあたり、宅建業の免許は不要だろう。

 

本記事は、2017年03月15日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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