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揺れるマンション市況-高騰都市部はバブル?

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「買い時ではない」理由は「不動産価格が高くなった」から

国内不動産大手の野村不動産が運営する不動産情報サイト”nomu.com(ノムコム)”のユーザー会員を対象に行った”住宅購入に関する意識調査アンケート(第9回)”によると、「今、不動産は買い時だと思いますか」という問いに対して、「買い時だと思う」と答えたユーザーは46.2%に留まったのだという。

調査期間は7月10日~16日。この46.2%は「買い時だと思う」との回答と「どちらかと言えば買い時だと思う」との回答を合わせた数字で、1月に行った前回調査からは7.3ポイント減少、50%を下回ったのは3年半ぶりになるのだそうだ。

「買い時」と答えた人が挙げた理由のトップは「住宅ローンの金利が低水準」。対して、「買い時ではない」と答えた人が挙げた理由のトップは「不動産価格が高くなった」であったのだという。

 

参考サイト:不動産情報サイトnomu.com「住宅購入に関する意識調査アンケート(第9回)」
参考サイト:不動産情報サイトnomu.com「住宅購入に関する意識調査(第9回)を実施」(PDF)

 

首都圏の中古マンション市況に新築価格上昇の影響

他方、不動産市況を調査し、そのデータを開示している不動産専門情報サービス会社の東京カンテイによれば、首都圏では新築の値上がりが影響し、中古マンションの平均価格が上昇傾向にあるという。

中古マンション価格の上昇が続いている。不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が21日発表した6月の中古マンション平均価格(70平方メートル換算)は首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で4年2カ月ぶりに3000万円をこえた。新築の値上がりが中古にも影響している。(引用元:2015年7月21日付け日経新聞)

 

建築資材の高騰や人手不足による人件費の高騰が建築費用の高騰につながり、ここもと新築マンション価格は、上昇の一途を辿っている。都心部では億ションと呼ばれる、販売価格が億を超える物件も頻繁に目にするようになった。この傾向はまだ暫く続くと見る向きが多勢のようだ。

なお、本来であれば不動産の価値に、それを建設するために要した人件費は加味されない。また、建築時の建築資材の時価もまた然りであって、建築時に如何に資材価格が高騰していようが、それが建物の価値に加味されるようなことはない。

そのため、これらの建築費用の高騰分は、これらが加味された価格で販売される新築を購入した人のみが負担することとなる。

つまり、建築費用の高騰分が上乗せされた新築価格で物件を購入した人が、当該物件を売りに出した段階で、建築費用の高騰分は剥落し、当該物件の中古価格は近隣の同類の中古物件価格相場等を参考にして値付けされるのが一般的なのだ。

建築費用が高騰中に高い価格で物件を買ったとて、売り値もあわせて高くなるわけではないのは当然だ。

しかしながら、現在の中古マンション市況は需要と供給の関係から、この新築価格の上昇傾向の影響を少なからず受けているというのだ。

 

平成不動産バブルとは様相が異なる

現在、不動産市況は都市部と郊外で二極化が進んでいる。上述した現象は首都圏や近畿圏の都市部に表れている現象だ。

この状況を鑑みて、最近、「都市部の不動産市況はバブル」と指摘する声が多くなっている。

 

ただ、1980年台後半から1990年台初頭に生じた稀代の不動産バブル(平成バブル景気)は、都市部の価格高騰が瞬く間に郊外物件にも広がり、建物の体を成してさえいれば、崖の上に建てっている物件であろうが、最寄駅から徒歩で数十分を要する場所に建てられた物件であろうが、余りに余った投資目的のカネが流入して、実際の資産価値とはかけ離れた法外な値がついた。

しかしながらここもとの現状は、しっかりと物件の価値が算定され、ある程度、将来の資産価値が計れそうな都市部の物件にカネが集まっている反面、将来の資産価値が担保されにくい郊外の物件は見向きされず、需要が減退して価格が下落している。

需要が集中する都市部の物件が興隆してはいるものの、「不動産であれば何でも」というわけではないのだ。そういう意味で、現在の状況は平成バブル景気とは様相が異なると断言してもよいだろう。

とはいえ、バブルとまでは言えないにしろ、需要が集中する都市部の物件の価格上昇傾向は暫く続くと思っていた方がいいかもしれない。

 

今後の不動産市況を占う判断材料

振り返って、野村不動産の「住宅購入に関する意識調査アンケート(第9回)」を見てみると、「今後の不動産の価格はどうなると思いますか」という問いに対して、39.6%の人が「上がると思う」、26.9%の人が「横ばいで推移すると思う」、18.9%の人が「下がると思う」とそれぞれ回答している。

「上がると思う」と回答した人の理由には、「東京オリンピックまでは上がると思う」「景気が上向きになってきているため」「海外からの投資が増加しているため」等が並ぶ。

「横ばいで推移すると思う」と回答した人は、「既に上昇していて、これ以上高騰するとは思えないので」「地域により価格の変動があり、全体的には横ばい」等とその理由を説明。

「下がると思う」と回答した人の理由には、「海外からの投資資金流入が減少していくと思うから」「人口が減少し、需要が低下するため」等が挙がっている。

 

将来の事なので、現時点でそれぞれの判断の正誤は判り得ないが、これから不動産の購入を検討する人や現在検討している人にとっては参考になる判断材料が挙げられているのではなかろうか。

なお、近い将来に待ち受けている、不動産市況にも少なからぬ影響を及ぼすであろう事象としては、もう一つ、2017年4月の消費増税(8%から10%へ)が挙げられる。

 

参考記事:
2015年路線価と、最近のマンション販売事情

 

本記事は、2015年08月18日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

prof Kasiko編集部

編集チーム

  • 所属:Kasiko

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