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損しないための妊娠・出産とオカネのハナシ

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2014年の出生数は過去最低の100.1万人

2015年年明け早々、厚生労働省が「平成26年(2014)人口動態統計の年間推計」を公表した。

これによると2014年の一年間に生まれた子供の人数を示す”出生数”は100万1000人で、”統計の残る1899年以降最少を更新した(日経新聞)”のだという。
これに対して、同一年間で死亡した人の人数を示す”死亡数”は126万9000人となり、”出生数”と”死亡数”との差を示す”自然増減数”はマイナス26万8000人(=年間で日本人が26万8000人減った)となった。

日経新聞によれば、死亡数も戦後最多、自然減26万8000人も過去最大なのだそうだ。

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引用元:厚生労働省

※人口動態統計とは、出生・死亡・婚姻・離婚及び死産の5種類の「人口動態事象」を把握し、人口及び厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的とした統計資料で、市区町村長に届け出られる出生届等の各種届出書から作成される調査票を基に、厚生労働省が集計している。

 

ここもとの日本最大級の社会問題であり、真っ先に解決策を講じるべき最優先課題である”少子高齢化と人口減少”が改めて数値で浮き彫りになった格好だ。

日本の出生数が減少の一途を辿っている要因は多種多様に及ぶ。
例えば、女性の社会進出機会の増加や、それに類する晩婚化未婚化等が挙げられるが、大きな要因の1つとして”経済問題”がある。
要は「(景気低迷で)カネがないから子供を産めない・育てられない」「産んだとしても1人~2人くらいが精一杯」という家庭が大半を占めるようになっているのだ。

そこで、こういった状況を解決する一助となるよう、本稿では妊娠・出産とそれによって貰える・節約できるオカネのハナシをしていきたい。

※参考:厚生労働省「平成26年(2014)人口動態統計の年間推計」(PDF)

 

妊娠・出産で健康保険から貰えるオカネ

分娩・入院にかかる費用は一般的に50万円前後、妊娠してから出産までの間に14回程度受ける”妊婦健診”は1回あたり5,000円~1万円の費用がかかる(病気や怪我ではないので、ともに保険適用外)。
また、母親が妊娠・出産時に仕事に就いていれば、出産の前後数カ月はどうしても長期の休みをとらなければならず、その分の収入減も負担となってしまう。

 

以下にこれらの費用・負担を補助する、妊娠・出産で国や自治体から貰えるオカネを紹介する。

 

★出産育児一時金->42万円

健康保険法第101条(出産育児一時金
被保険者が出産したときは、出産育児一時金として、政令で定める金額を支給する。

健康保険加入者または被扶養者で妊娠から85日(4ヶ月)以上経過している場合に、子供1人につき42万円が支給される。
産まれた子供が双子ならば84万円、三つ子ならば計126万円となる。

各健康保険機関に申請書類を提出して手続きを行う。

出産育児一時金の受け取り方法は健康保険から病院に直接オカネが払われる”直接支払制度”・”受取代理制度”(これらの方法であれば、出産に際して自身で大金を用意する必要がない)の他に、一旦は自費で病院に支払った後に健康保険から銀行振り込みなどでオカネを受け取る”産後申請”がある。

参考:厚生労働省「出産育児一時金の支給額・支払方法について」

※妊娠から85日以上経過した時点で死産・流産した場合も給付対象。
※仕事に就いていた母親が出産前に退職した場合でも、退職後6カ月以内の出産であれば給付対象。
※以下の出産手当金を受領する場合は、母親の健康保険で給付手続きをする。

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★出産手当金->所得によって異なる

健康保険法第102条(出産手当金
被保険者が出産したときは、出産の日以前42日(多胎妊娠の場合においては、98日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金として、1日につき、標準報酬日額の3分の2に相当する金額を支給する。

母親が妊娠前に仕事に就いていて、出産後も復職する予定であれば、出産以前42日および産後56日間については、月給を30で割って算出した日給の2/3の金額が健康保険から支給される
つまり、妊娠前の月給が27万円(÷30=日給9000円)であった場合は、日給9000円×2/3×98日=58万8000円が支給されることになる。

手続きは産休に入る前に会社若しくは社会保険事務所から申請用紙をもらっておき、産後、担当医に必要事項を記入してもらい、産休明けに会社若しくは社会保険事務所に同書類を提出する。
なお、同手当金は産休開始日の翌日から2年以内までの請求であれば全額が支給されるが、2年以上経過すると、支給対象日数98日から経過した日数分が差し引かれてしまうので注意が必要だ。

※専業主婦や自営業の場合は給付対象とならないが、勤め先の健康保険に加入していればパートであっても給付対象。

 

その他の妊娠・出産で貰えるオカネ

★出産祝い金->10~100万円
子供が産まれるたびに祝い金を支給している企業は少なくない。

その多くが母親の就業に限らず、世帯ベースで支給してくれるので、夫の会社に同制度があれば専業主婦であっても恩恵に預かることができる。また、夫婦共働きで、双方の勤め先に同制度があれば双方から貰えるわけだ。

 

★自治体の助成金制度->~100万円
2015年1月現在、妊婦健診費用は全ての自治体(市区町村)が助成制度を設けていて、手厚い自治体であれば、その全額を負担してくれる。
また、自治体によっては、出産時に祝い金を給付したり、出産一時金と実際にかかった分娩費用の差額を補てんしてくれるところもある。

例えば、茨城県利根町であれば二人目の出産で50万円、三人目の出産で100万円の出産祝い金が支給される。
また、東京都港区では、出産一時金と実際にかかった分娩費用の差額を上限60万円まで助成してくれる。

参考:茨城県利根町「利根町子育て応援手当支給制度」
参考:東京都港区「出産費用の助成」

※妊婦健診は初診が妊娠判定となるため、初診費用のみ自己負担となるのが一般的。
※妊婦健診費用はチケット制を採用している自治体がほとんどで、出産時に嫁ぎ先から郷里に戻って出産する場合であっても、本来居住している地域の自治体から受診チケットが発行され、使わなかった分は現金化できる。

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妊娠・出産にかかった医療費のうち、返ってくるオカネ

★医療費控除->年間の医療費自己負担分から10万円を超えた金額
出産費用を含めて、年間の医療費が10万円を超えた場合は、翌年の確定申告でその旨を申告することで、10万円を超えたが自己負担部分が医療費控除額となり、納税額から同額を控除することができる(=その分、税金が安くなる)。

医療費控除分で安くなった税金は、確定申告をすることで還付される。

 

★高額療養費->年齢や所得によって異なる
1か月間に医療機関や薬局で支払った金額が一定額を超えた場合にその超えた金額が健康保険から払い戻される制度で、万一、出産時に長期入院をせざるを得なくなったケースや帝王切開での出産となったケースで、自己負担額が想定以上に大きくなってしまった際に役立つので覚えておきたい制度だ。

なお、負担の上限額は年齢や所得によって異なっているうえ、年度によって金額や割合が変化することがあるので、詳しくは下記の厚生労働省および全国健康保険協会のサイト等を参考にしていただきたい。

参考:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
参考:全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」

 

参考記事:
止まらぬ人口減少 出生数も婚姻件数も最少に
女性の社会進出を促進する家事支援税制
女性が輝く社会・Womenomicsが日本経済を救う
ご祝儀の皮算用は危険!結婚式の自己負担額

 

本記事は、2015年01月14日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

prof Kasiko編集部

編集チーム

  • 所属:Kasiko

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