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期待高まる、ひとり親世帯向けシェアハウス

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母子家庭と父子家庭の世帯数

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、65歳未満のシングルマザーと20歳未満の子供のみで構成された母子世帯数は、平成24年で70万3000世帯(前年の75万9000世帯からは減少)にのぼっているという。

また、同シングルファザーの父子世帯は8万1000世帯(前年の9万6000世帯からは減少)であったそうだ。

これを、ほぼ四半世紀前となる平成元年の同統計データと比較すると、父子世帯の数は「平成元年:8万6000世帯」⇒「平成24年:8万1000世帯」となっており、さほど変化はないように見受けられる。

ただし、これが母子家庭の世帯数で比較するとなると、「平成元年:48万世帯」⇒「平成24年:70万3000世帯」となり、約四半世紀で大いに増加していることがわかる。

母子家庭が増加している要因はひとえに離婚数の増加にあり、父子世帯の数が増えていないのは、離婚の際に父親ではなく母親が親権者となって子供を引き取る割合が増えているためであると推察される。

ともあれ、いわゆる「ひとり親世帯=シングルペアレント家庭」は着実に増加しているのだ。

※平成24年の国民生活基礎調査は、震災の影響から福島県のデータを除いた数値となっている。

 

シングルペアレント世帯の子供の貧困率

あわせて、内閣府がまとめる「子ども・若者白書」を見てみると、平成22年時点の、子供がいる現役世帯の相対的貧困率は14.6%で、そのうち、母子家庭・父子家庭の相対的貧困率は50.8%に達し、大人2人以上が同居する世帯の12.7%と大きなかい離を見せているという。

<相対的貧困率とは>
OECDの作成基準に基づき、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯員の割合を算出したものを用いて算出。

※OECD:経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development)のこと。2014年5月現在、欧米を中心に34の先進国が加盟している。

そして、このシングルペアレント世帯の子供の相対的貧困率は、OECD加盟国中、残念なことに日本が最も高いのだそうだ。

子供を育てるにあたって、経済的にも精神的にも、ひとり親のケースと両親がいるケースではハナシが異なることは誰にでも容易に想像がつく。

だが、他国と比較した際のデータが、ここまでヒドイものとは思いもしていなかった。

 

幼子を抱えたシングルマザーが苦境に

こと経済的な面のみを見れば、シングルペアレント世帯の生活が苦しくなる要因は単純明快だ。

ひとり親で子育てと仕事を両立しなければならないにもかかわらず、子育てにとられる時間帯は満足に働くことが困難であり、働く時間を確保するために託児所を利用するにしても、その利用料金が生活費に重くのしかかってくるためだ。

 

とりわけ、幼い子供を抱えたシングルマザーのそれは、問題の根が深い

子供が幼いと中々に長時間子供のそばを離れられないうえに、一般的に子供の有無に左右されずにキャリアを積み続けることができる父親に比べ、例え正規の職についていたとしても、ジェンダーロールによって妊娠・出産のたびに離職を余儀なくされる母親では、どうしても収入面に差がでてしまう。

また、子供を託児所に預けて働きに出ようとしても、託児所では「仕事が決まっていなければ受け入れられない」と言われ、一方の仕事の面接では「託児所が決まっていないと採用は難しい」と言われ、まるで「卵が先か、鶏が先か」論争のごとくを双方から突きつけられるそうだ。

※ジェンダーロール:男女の性別的役割(gender role)のこと。

 

シングルペアレント向けシェアハウス

こうした実状を受けて、最近つとに注目を集めて話題となっている施設がある。

幾つかの民間不動産会社が運営するシングルペアレント世帯向けシェアハウスだ。

 

国や自治体もシングルマザー・シングルファザーを支援する施策を拡充してはいるものの、中々抜本的な解決には至っていない最中、シングルペアレント同士が寄り合って一つ屋根の下に生活し、住居とともに「子育て」もシェアしようというのだ。

シングルペアレント向けシェアハウスでは、子守をしてくれるシッターをシェアし、子育ての悩みを親同士が互いに相談し合い、子供たちは子供たち同士で遊ぶ。

 

朝早く起きて子供を託児所に預けて出勤し、仕事の終了時間になれば、同僚の目を気にしながら早々に退勤して子供を迎えに行く。

帰宅後は仕事で疲れた体に鞭を打って、食事の世話・掃除・洗濯といった家事をこなしながら、子供と束の間のコミュニケーションをとる。

そうまでしても経済的に余裕はなく、不安やストレス、疲労にさいなまれたうえに、話し相手が子供しかいないという、現在のシングルペアレントの多くが抱えている現状と比べれば、こういったシングルペアレント向けシェアハウスが有するメリットは非常に大きいと思われる。

 

今後への期待

親子でのシェアハウス入居となると、個人同士が寄り合う一般的なシェアハウスに増して、プライバシーへの配慮が必要となると考えられるうえ、いずれは入居できる子供の年齢制限を設ける必要に迫られるのではなかろうかと考えられる。

その他、現状では、大阪や東京とその周辺の都心部にしかなく、また、ほとんどが母子家庭専用のシェアハウスであり、シングルファーザーが入居できるシェアハウスが少ないこと等が、今後の解決が期待される課題点に挙がる。

とはいえ、既に需要は顕在化しているようで、インターネット上で調べた限り、どこのシングルペアレント世帯向けシェアハウスも盛況のようだ。

この流れが続き、浸透が進めば、自治体の中には支援策を検討するところも出てきそうなものだ。

シングルペアレント向けシェアハウスの今後に大いに期待したい。

 

本記事は、2014年05月22日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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prof Kasiko編集部

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