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法律面から見た、今話題のモラハラ離婚

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”相手のモラハラ行為”が離婚理由の上位に

セクハラ(セクシャルハラスメント=性的嫌がらせ)、パワハラ(パワーハラスメント=地位や肩書を不当に利用した嫌がらせ)、マタハラ(マタニティハラスメント=妊婦に対する嫌がらせ)、果てはスメハラ(スメルハラスメント=過度の香水等、臭いによる嫌がらせ)等々。

巷で数々のハラスメント(harassment:嫌がらせ)が横行している中、最近話題になっているのがモラハラ(モラルハラスメント=精神的な嫌がらせ)だ。

 

話題になるきっかけとなったのは、芸能人カップルの離婚報道。

世界的な著名俳優の娘とロックバンド歌手の年の差婚カップルの離婚訴訟報道や、”視聴率女王”とも呼ばれるファッションモデル出身の有名女優と一般男性カップルのスピード離婚報道で、”モラハラ”と言う言葉が連日のように各種メディアを席巻し、多くの人に知れ渡った。

 

この2件の離婚報道は主に”夫側のモラハラ行為”を問題視するような論調で報じられているが、モラハラ行為を働くのは何も男性側からに限られていることではなく、妻が夫に対してモラハラ的な言動をとることが問題となるケースも少なくない

近年、男女ともに”相手のモラハラ行為”が離婚理由の上位を占めているのだという。

 

そもそも”モラハラ”とは

言葉や態度による精神的な暴力”を意味する”モラハラ”は、マリー=フランス・イルゴイエンヌというフランスの女性精神科医が提唱した言葉なのだそうだ。

決して夫婦間の問題のみに適用されるわけではなく、男同士であれ、女同士であれ、他者が”精神的な暴力・嫌がらせ”と感じるような言動をとることが”モラハラ”となる。

他の”ハラスメント”同様、主観は”相手”であり、加害者とされる側に意図があろうがなかろうが、相手がその言動を自身に対する”精神的な暴力・嫌がらせ”と感じれば、それで”モラハラ”の加害者と被害者の構図が成立しまう。

 

なお、”どこからがモラハラであるか”といった、法律による明確な線引きは今のところされてはいないが、場合によっては刑法の”侮辱罪”や”名誉棄損罪”が適用されて刑事罰を受ける可能性もある。

刑法第230条(名誉毀損)
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮または50万円以下の罰金に処する。

刑法第231条(侮辱)
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

※ここでいう”事実を摘示”とは”人の社会的地位を低下させうる事実を知らしめること(例えば、太っている人にデブと言う等)”を意味し、”公然”とは”不特定多数が知ることのできる状態(人前で等)”を意味する。

ただし、モラハラで刑法が適用された判例は少なく、モラハラ問題が法廷に持ち込まれるのは、専ら損害賠償請求訴訟(民法上の不法行為に伴う慰謝料請求)や離婚訴訟等だ。

民法第709条(不法行為による損害賠償)
故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

モラハラが原因の離婚裁判

離婚話がこじれて離婚裁判に発展した場合、民法上、離婚の理由として認められるのは以下の5つだ(もちろん、協議離婚であれば、”顔も見たくなくなった”等の理由であってもお互いが合意すれば離婚できる)。

民法第770条(裁判上の離婚)
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 

夫や妻の”モラハラ”が理由であれば、五の”その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき”に該当し、実際に”精神的な虐待(日常的な言葉による侮辱等)”が認められる場合は、相手方が離婚を拒絶していても、裁判によって離婚が成立する傾向にある。

 

加害者側が”からかう”つもりで安易に発した言葉が相手に”言葉の暴力”と受け止められれば、それがモラハラとなってしまうし、何の気のない嫌味束縛がモラハラとなってしまうこともある。

相手が何らかの不祥事を起こし、それを咎めたことがキッカケとなってモラハラの日常化が始まるケースや、結婚・出産を機に相手に対する言動が変化してモラハラが始まるケース等々。

モラハラの始まりは人によって様々ながら、「言われてみれば・・・」と耳の痛い思いをする人は少なくなかろう。

カップルや夫婦間でモラハラが日常的になると、近い将来、大きな痛手を負うことになりかねない。

自身の言動を振り返った時、「そういえばいつの間にか、相手に対して高圧的な態度をとるようになっていた・・・」等と思い当たる節があるならば、今直ぐ、相手とのコミュニケーションの取り方を再考すべきだろう。

 

参考記事:
最高裁がマタハラに初判断 妊娠で降格は違法
家事は「仕事」!共働き世帯の家事分担割合
子供を不幸にしない為、離婚前にするべきこと

 

本記事は、2015年04月22日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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