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浦安住民訴訟から見る、地盤の液状化現象

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東京地裁は住民側の訴えを棄却

2011年3月11日午後2時46分に発生した未曽有の大地震は、東北地方の太平洋側に甚大な被害をもたらしたが、400km程離れた同じ太平洋側の千葉県浦安市にも”地盤の液状化”という迷惑な置き土産を残した。

浦安では、地盤液状化が原因で、市内のあちこちで地面の陥没が見られ、一部では建物が傾いたり、水道管やガス管が破損する等の被害が出た。

 

<浦安市の臨海地区>

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引用:GoogleMap

 

2014年10月8日、この浦安の液状化現象によって被害を受けた分譲住宅地の住民36人が、当該住宅地を開発・分譲販売した三井不動産を相手取り、地盤改良および被害回復費用の支払いを求めた損害賠償請求裁判が東京地裁であった。
結果は、「観測史上最大規模の東日本大震災が発生し、液状化被害が出ることを予測するのは困難」との判断のもと、住民側の訴えを棄却する判決が下された。

当該住宅地の隣接した別の分譲地では液状化現象が発生していないといい、住民側は「三井不動産が地盤改良工事を怠った」と主張。控訴を検討しているそうだ。

 

日経新聞によれば、浦安市の液状化を巡っては、この訴訟の他にも、地域や分譲会社が異なる4件の訴訟が東京地裁で争われているという。

 

液状化現象とは

液状化現象とは、港湾地域の埋め立て地等で地震被害によって起こる現象で、水分を含んだ砂の地盤が地震の震動によって液体状の性質を示し、地盤が急激に支持力を失って沈み込むのだという。

 

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引用:国土交通省

 

上の図は、国土交通省が公表する資料から拝借してきたものだ。

オレンジ色の丸が地盤内の砂質土で、通常時は密度がさほど高くない砂の粒子と粒子の間に生じる摩擦力によって安定を保ち、地盤に一定の強度を与えているという。

ここに地震が発生することによって、連続した振動が砂の粒子を密実化(密度が高い状態化)させ、砂の粒子同士の隙間に存在する水(=間隙水:かんげきすい)の水圧が上昇。この間隙水圧が摩擦力を越えると、砂粒子間のかみ合わせが外れて砂粒子は水に浮いた状態(=液状化現象)になるそうだ。

その状態に陥ると、時間の経過に伴って砂粒子同士がさらに密実化して体積が減少し、地盤は強度を失って地表が沈み込むのだという。
なお、間隙水の一部は地表面に吹き出すこともあるのだそうだ。

※地盤が粘土質だと、土粒子の粘性と、土粒子のサイズが砂粒子に比べて小さいために間隙も小さいことから、液状化現象は発生しにくいのだという。

参考:国土交通省「宅地防災-液状化の基礎知識」

 

液状化に関するハザードマップ

2007年4月より国土交通省が運営・公開している、全国の各種ハザードマップ(災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したもの)を一元的に検索・閲覧可能な「国土交通省ハザードマップポータルサイト」をご存じだろうか。

このハザードマップで地域を検索すると、各自治体Webサイトの液状化に関するページに簡単にアクセスすることができるので、使い方を説明しておく。是非、お住まいの地域の災害被害予測を調べてみて欲しい。

参考:国土交通省ハザードマップポータルサイト

 

<検索方法>
まずは上記のリンクからハザードマップポータルサイトにアクセスする。

ページが表示されたら、画面を下方にスクロールする。すると、画面中央に日本地図が表示され、その右横にメニューが表示されるハズだ。

各自治体の液状化に関するハザードマップを検索する場合は、右側メニューの下から2番目にある「地震防災・危険度マップの公表状況を見る」を選択。
画面が変わったら、その画面の右に新たに表示されるメニューの最上部の「災害選択」で上から3番目の”地盤被害(液状化)マップ”にチェックを入れて、メニュー中央の「地方選択」や「都道府県選択」で地域を絞り込む。

絞り込んだ結果の地図が表示され、ハザードマップが公表されている地域が黄色で色分けされているので、黄色の地域を地図上から選択すると当該自治体のページに遷移し、災害による被害予測が閲覧できる。
ハザードマップを公表していない地域は白色で表示されるので、その場合は各自治体に問い合わせて欲しい。

 

なお、東京都については、東京都土木技術支援・人材育成センターという機関が、別途、地域の液状化予測図を公表しているので、そちらを参考にしていただきたい。

参考:東京都土木技術支援・人材育成センター「東京の液状化予測」

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写真:国土交通省関東地方整備局

 

液状化現象の被害を抑える対策

万一、お住まいの地域に液状化被害の恐れがある場合は、地震が起こる前になるべく早く対策を施しておくべきだろう。

 

液状化現象は、地中に杭や柱を造成したり、地盤を薬品で固めたりする工事を行うことで、被害を抑制することができるそうだ。

参考:国土交通省「市街地液状化対策推進ガイダンス」

 

調査から工事まで実施すると、それなりの費用が生じてしまうため、簡単に決断できることではないかもしれないが、自然災害から”大切な住宅”を守るため、まずは現状を知ることから始めてみて欲しい。

 

参考記事:
地震保険の概要と保険料改定
御嶽山噴火災害、生保協会は免責条項適用せず
リノベーション物件を見極めるポイント

 

本記事は、2014年10月21日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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