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浮気や不倫で支払う代償のまとめ

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昨年の離婚件数は23万1,383組

厚生労働省の調べでは、昨年一年間(平成25年中)で離婚したカップルは、前年よりも4,023組減少となる23万1,383組であったという。

以下の表は、離婚調停を申し立てた申立人の離婚動機のうち、主なものを3個まで上げる方法で家庭裁判所が調査重複集計したものをまとめたものだ。

 

申立の動機 申立人:夫 申立人:妻
総数 18345 48479
性格の不一致 11647 21522
異性関係 2837 9465
暴力問題 1492 11955
飲酒問題 437 3213
性格不調和 2379 3920
浪費癖 2253 5844
病気 952 1660
精神的虐待 3195 12093
家庭を顧みない 1262 4778
親族との不和 2736 3803
同居拒否 1747 1324
生活費を渡さない 762 13344
その他 3693 5379
不詳 441 1269

データ引用元:裁判所司法統計(平成25年度)

 

こうして見ると概ね巷で見聞きする通り、妻の側から離婚を希望するケースの方が多く、離婚事由は「性格の不一致」が男女ともに一番多く、以降は男女でバラつきはあるが、「異性関係」や「暴力問題(いわゆるDV)」、「精神的虐待(常に相手をバカにした言動をする等)」、「生活費を渡さない」等といったところが目立っている。

今回はそのうちの「異性関係」、つまり、不倫や浮気の末に離婚へと至る際の様々な代償について解説する。

 

浮気と不倫と不貞行為

浮気”とは、一般的に自分以外の他の異性に移り気することを指して使われる言葉であり、その”移り気の度合い=どこからが浮気なのか”は人それぞれの解釈によって判断される部分が大きい。
人によっては、ヤマシイことがなかろうが「自分以外の異性と二人きりで食事に行く」だけで”浮気”と決めつけることもあるように、だ。

対して”不倫”とは、男女のどちらか一方、若しくは双方が、別の異性と婚姻関係にありながら肉体関係を持つことを指して使われる。
尺度が人によってまちまちな前述の”浮気”とは異なり、肉体関係があって初めて”不倫”と呼ぶことが一般的で、かつ、彼氏・彼女の関係でも使われる”浮気”に対して、”不倫”は少なくともどちらか一方が他の異性と婚姻関係にある場合に使われる言葉なのである。

 

また、法律用語に”不貞行為”という言葉があるが、これは”夫婦間の貞操義務に反する姦通”と定義されている。
概ね”不倫”と同じ言葉と解釈していただいて問題ないが、”不貞行為”はこれまでの数々の裁判における判例から、”肉体関係がない男女の密会”や、”いわゆる「一度きりの過ち」”、”風俗店での性交渉”等は不貞行為に該当しないとされている。

※「一度きりの過ち」や「風俗通い」を理由に相手に慰謝料を請求することもできなくはないが、裁判になれば負ける可能性が高いうえ、勝てたとしてもほとんどのケースで慰謝料額が相当低額になる。

 

慰謝料

自身の”不貞行為”が原因で離婚に至るケースでは、とにかくカネがかかることを覚悟しておかなければならない。

まず代表的なものが、慰謝料である。
法律上、夫婦間には貞操義務があると解されていることから、これを破る”不貞行為”は不法行為(法律に定められた義務に反する行為)とみなされる。

そして、民法第709条の定めにある通り、不法行為を犯した者は、それによって生じた損害をカネで賠償しなければならない。

民法第709条:不法行為による損害賠償
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

この場合の”損害”は物理的・財産的な損害と、精神的な損害とに分類され、前者に対する賠償が”損害賠償”、後者に対する賠償が”慰謝料”となる。

 

”不貞行為”による離婚の慰謝料の相場は、慰謝料を払うべき”不貞行為”を犯した者の経済力等によっても異なるが、100万円~500万円というのが専ら
もちろんニュースで見聞きする通り、富豪や有名芸能人の離婚では、その金額が天文学的になることもある。

因みに、例えば夫が会社の同僚と不倫関係にあったことが原因で離婚に至るケース等では、妻の側は、夫と、もう一人の当事者である夫の不倫相手(同夫が他の異性と婚姻関係にあることを知っていた場合のみ)の双方に対して慰謝料を請求することができる

「不倫は蜜の味」等とも言われているが、相手が既婚者と知りながら不倫をする人は、後々、数百万円単位の慰謝料を請求されるリスクがあることを覚悟してコトに望まなくてはならないのだ。

参考記事:夫や妻の不倫と、不倫相手への慰謝料請求

satutaba

 

婚姻費用と財産分与

自身の”不貞行為”が原因で離婚に至るケースにおいて、カネが必要となるのは、慰謝料だけではない。

一般的に離婚が成立するまでには相当の時間を要する。
そもそも離婚をしようという夫婦がその時間を共に過ごすことを嫌って、別居するのは自然なことだ。

民法に定められた”婚姻費用”という言葉があって、同法によって「婚姻関係にあるうちは、その必要費用を分担しなければならない」という決まりがあり、離婚前に別居する場合は双方の生活費を分担しなければならない。

民法第760条(婚姻費用の分担)
夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する

例えば、サラリーマンの夫と専業主婦の妻が離婚協議中に別居することになった場合では、経済力を有している夫側が、自身の生活費と別居する妻側の生活費の双方を負担しなければならないのだ。
ただし、このケースで妻の側に離婚の原因となる”不貞行為”があった場合は、その請求が認められないことが少なくないので注意が必要だ。

つまり、”不貞行為”を犯した者が夫であれば、離婚までの間、妻の別居費用を支払わなくてはいけなくて、妻が”不貞行為”を犯したのであれば、自身の別居費用を夫に請求することができないわけだ。

参考記事:別居中の婚姻費用の分担とその算定方法

 

また離婚となれば、婚姻期間中に築いた財産は二人の共有財産とみなされ、離婚時に”財産分与”という形でそれぞれに財産を分けなくてはならない。

民法第768条(財産分与)
1.協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2.前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から2年を経過したときは、この限りでない。
3.前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

 

財産分与も経済状況や離婚に至った原因(条文中の”その他一切の事情”に該当)を考慮して金額が算出されるため、離婚の原因となる”不貞行為”を犯した側は財産分与においても不利になることを念頭に置いておかなければならない。

参考記事:結婚3年で離婚!夫は退職金を財産分与すべき?

 

親権と養育費

もちろん、カネ以外にも支払う代償はある。
子供だ。

夫婦間に子供がいる場合だと、”不貞行為”を犯した側が親権を望んでも、親権争いに至ればこれも当然に不利となる。
その結果、子供と離れて暮らさざるを得ず、養育費も負担しなくてはならない。

また、最近では、離婚の末に離れて暮らすことになった子供との面会交流を、元配偶者に拒絶されてトラブルになることが多い。

ただし、夫婦関係が破綻しようとも親子関係がともに破綻するわけではなく、離婚の原因がDV(家庭内暴力)等でない限り、自身の”不貞行為”が離婚原因であったとしても、定期的に子供と面会する権利がなくなるわけではないので、その辺りは離婚時にしっかりと取り決めをしておくことが、自身にとっても子供にとっても重要となる。

参考記事:別居する子供との面会交流申立件数が増加中
参考記事:子供を不幸にしない為、離婚前にするべきこと

 

その他、ケースによっては社会的な信頼を失うこともあれば、職を失うこともある。
不倫や浮気の代償は、非常に高くつくのだ。

 

その他の参考記事:
離婚届提出前に知っておくべき離婚の基本
離婚時に約束した養育費の支払いが滞ったら
サイレントプアに陥るシングルマザー世帯

 

本記事は、2014年11月19日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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この記事のアドバイザー

prof Kasiko編集部

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