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温泉と銭湯では、入浴料金にかかる税金が違う

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温泉好きは昔から払っている「入湯税」

秋も深まり、温泉好きにはたまらない季節となってきた。ここもと世間では専ら消費税や軽減税率の話題がメディアを席巻しているが、温泉にも税金がかかっていることをご存じだろうか。

日帰り温泉や温泉宿泊施設に行った時、入湯税という税金を徴収されているのだが、中には知らなかった、初めて聞いたという方も少なくないかもしれない。ここにも税金の徴収があるのだ。

 

入湯税を負担するのは温泉業者ではなく、温泉に入る側の入浴客が負担することになっている。知らなかった、初めて聞いたという方でも、温泉を利用したことがあるなら、もれなく入湯税を負担していたことになる。入湯税という名目の徴収ではなく、温泉の入湯料に最初から含められていることが多いため、知らない人がいるのも無理ないのだが。

 

入湯税は1人1日あたり150円程度。これを日帰りならば入湯料を支払う際に、宿泊ならば宿賃を支払う際に支払っていることになる。

なお、領収書を貰えば別途入湯税の記載がある。今後、温泉に行く機会があれば意識をして見てみるとよい。意識してみると、入浴施設のあちこちに入湯税が存在していることを知ることになろう。

日本人と温泉は切っても切れない関係にあり、意外と身近な税金が入湯税なのである。

 

「入湯税」とは?

入湯税は地方税(市町村税)にあたる。

公益財団法人日本交通公社の資料によれば、温泉入湯が初めて課税の対象になったのは1927年(昭和 2年)だそうだ。税額は1950年時が50円で、以降、段階的に引き上げられているが、入湯客1人につき1日で標準税率150円(200円という自治体もあれば、減免している自治体も)という現在の税額は、1977年(昭和52年)から36年変わっていない。

参考サイト:日本交通公社「第1回 温泉まちづくり研究会 ディスカッション」(PDF)

 

前述した通り、入湯税は温泉施設が徴収し、自治体に納めなくてはならない。また、入湯税で徴収された税収は、環境衛生施設や消防施設の整備、温泉の泉源の保護管理、観光の振興など、使い道が決められている。これらは地方税法に則っている。

地方税法第701条(入湯税)
鉱泉浴場所在の市町村は、環境衛生施設、鉱泉源の保護管理施設及び消防施設その他消防活動に必要な施設の整備並びに観光の振興(観光施設の整備を含む。)に要する費用に充てるため、鉱泉浴場における入湯に対し、入湯客に入湯税を課するものとする。

同第701条の二(入湯税の税率)
入湯税の税率は、入湯客1人1日について、150円を標準とするものとする。

同第701条の三(入湯税の徴収の方法)
入湯税の徴収については、特別徴収の方法によらなければならない。

 

銭湯の税金はどうだろうか?

公衆浴場でも入湯税がかかる、かからない施設が分かれており、スーパー銭湯や健康ランドは入湯税がかかり、銭湯は入湯税がかからない。しかも、銭湯には「料金減免」、「補助金」という優遇措置がとられている。

 

「料金減免」措置によって、銭湯の水道料金が実質無料同様で、さらには銭湯の建物と土地の固定資産税はその2/3が免除されているのだ。

銭湯の水道料金が実質無料というのは、基本料金自体が優遇されているからだ。いかに優遇されているかというと、一般家庭の場合、基本料金は水道メーターの口径が40ミリメートル以上ならば6,865円~816,145円と8段階の細かい設定があるのに対し、銭湯は口径に関係なく6,865円が上限となっている。

従量料金についても、一般家庭の場合、11立方メートル以上は1立方メートルあたり128円、1,001立方メートル以上で1立方メートルあたり404円などと細かく分かれているのに対し、銭湯の場合、11立方メートル以上はどれだけ使用しても1立方メートルあたり109円なのだという。 

さらに、銭湯には以下のような水道料金・下水道料金の減額措置(使用金額から引かれる金額)もある。

水道料金
従量料金について、1月当たり5立方メートルを超える使用水量1立方メートルにつき15円を乗じて得た額に100分の108を乗じて得た額

下水道料金
1月当たり8立方メートル以下の汚水排出量に係る料金について、16円に100分の108を乗じて得た額、及び1月当たり8立方メートルを超える汚水排出量に係る料金について、当該汚水排出量1立方メートルにつき2円を乗じた額に100分の108を乗じて得た額

東京都水道局 HP」より

 

また、「補助金」というのは、各都道府県や市区町村が税金から支出しているもので、用水への使途をはじめとして人件費や光熱費、減価償却費として設備補修などへ幅広く使えるようになっているようだ。

 

このように、温泉には入湯税がかかり、スーパー銭湯や健康ランドにもかかる一方で、銭湯には入湯税がかからないばかりか、税金面では多大な厚遇を受けている。厚遇は、戦前~戦後の高度経済成長期を陰で支えた銭湯文化の保護の側面もあろうが、一部で、銭湯の存在を疎ましく思っている人たちがいるのも確かなようだ。

因みに、消費税は銭湯の入浴料にもかかる。当然、温泉の入湯料にもかかってはいるが。

※温泉の入湯料は、入湯料から入湯税を差し引いた金額に消費税が課税されている

 

本記事は、2015年10月30日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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