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特許権と実用新案権と意匠権~その1~

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発明に関する知的財産権

人が考えたアイデアで財産的価値のあるものを知的財産と呼び、そのアイデアの発案者に与えられる権利を知的財産権と呼ぶ。

知的財産権は、特許権や商標権のように登録によって権利が発生するものと、著作権のように創作した段階で権利が発生するものとに分別される。

さらに登録を要する知的財産権のうち、産業の発達に貢献しうる権利を「産業財産権」と位置づけ、特許権・実用新案権・意匠権・商標権がこれに属する。これらは「知財四権」とも呼ばれている。

本稿では、この知財四権のうちいわゆる発明に関する知的財産権である、特許権・実用新案権・意匠権のそれぞれについて解説する。

※商標権は「知的創造物についての権利」ではなく、「営業上の標識についての権利」に属する。

 

特許権とは

特許権とは、有益な発明をした発明者が、その発明を公開するかわりに、一定期間かつ一定の条件のもとにその発明を独占的に使用することを認めた権利のこと。

 

<特許の出願>
特許権は特許庁に出願し、審査を通過して登録された段階で初めて権利が発生する。

出願人となれる者は発明者本人若しくはその発明者が属する法人で、特許を出願すると、原則1年6か月後にその出願内容が特許庁の発行する「公開特許公報」に掲載される(出願公開)。

特許庁は、出願から3年以内に審査請求料が納付され、出願審査の請求があった発明のみを審査する。3年以内に審査請求がなされない発明に関しては、出願が取り下げられたとみなされ、以降はその発明を権利化することができなくなる。

年間数十万件とも言われる特許審査を行っているため、審査請求から審査結果が出るまでには概ね2年程度かかるのが一般的だ。

出願した発明が特許要件を満たしていることが確認されると、無事に審査通過となり、そこから特許料を納付することによって登録がなされ、晴れて特許権が発生する。

※審査の結果、当該発明が要件を満たしていないと判断された場合は、拒絶理由が通知される。出願人は、拒絶理由で指摘された問題点に対して、原則60日以内であれば意見書や補正書を提出することができる。また、拒絶査定に納得がいかない場合は、30日以内であれば不服を申してることができる。

 

<特許法に定義される「発明」>
特許法第2条では、発明を「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものいう」と定義している。

ここで言う「自然法則」とは自然界で成立している事象を意味し、例えば、化学反応や物理法則を利用した発明はこの定義に沿うものと解釈されるのに対して、「ゲームのルール」や「商売のやり方」等は特許法上では「発明」の範疇には含まれないこととなる。

「技術的思想」とは、実際に利用できるうえに他人に伝達できる具体的な手段を意味し、個人的鍛錬の賜物であるプロスポーツ選手の特殊技能(変化球の投げ方等)や、単なる情報開示でしかない操作方法を解説するマニュアル等は、「発明」の定義にはそぐわないものと解釈される。

また、「創作」とは、新しく作り出すことを意味し、単なる発見や既に公開されているものは「発明」とは解釈されない。

 

<特許権が認められ得る「発明」の要件>
特許法上の「発明」の定義に沿うものであったとしても、そのすべてにおいて特許権が認められるわけではない。

特許法第29条<特許の要件>
第1項 産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる

  1. 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明
  2. 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明
  3. 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明

第2項 特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。

 

この通り、特許権が認められ得る「発明」とは、特許法の定義によるところの「発明」のうち、産業上利用することができるもので、かつ新規性があって、誰もが容易にできるものではなく、公序良俗に反しないものでなくてはならない。

 

<ビジネスモデル特許とは>
最近では、「ビジネスモデル特許」という言葉を耳にすることが多くなってきている。

ビジネスモデル特許と聞くと、それこそ「商売のやり方」に関する特許がストレートに連想されるが、前述した通り、単なる「商売のやり方」は「発明」とは認められず、特許権が認められることはない。

ビジネスモデル特許とは、正しくは、コンピューターやインターネットを用いたビジネスの方法に係る「発明」に対して認められる特許のことを意味する。

ビジネスモデル特許の例を挙げるとすれば、ネットオークションシステムや電子マネー、ショッピングカートシステム等がそれだ。

従来の解釈では、コンピューターやインターネットは「発明」の定義でいうところの「自然法則」に沿っていないと考えられていたが、IT技術の進歩と浸透により、これらの方面でも特許権を認めざるを得なくなり、米国を初めとして世界主要各国でビジネスモデル特許が認められるようになった背景がある。

 

特許権と実用新案権と意匠権~その2~

 

本記事は、2014年04月23日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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