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登録美術品制度をご存じですか?

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登録美術品制度の概要

 以前から存在する制度ですが、登録美術品制度という制度が平成10年12月から開始されています。個人的に興味深い制度なので今回ご紹介させていただきます。

 

 登録美術品制度は、私的に所有・管理されている美術品が、美術館などにおいて公開される機会を促進する制度です。優れた美術品が広く国民に鑑賞されることを目的とした制度といえるでしょう。

 美術品を私的に所有している方は、その所有する美術品の登録を文化庁にすることができます。美術品の登録が認められた場合、所有者は美術館と美術品の公開契約を締結し、美術品は美術館において公開されることになります。

 

 また、登録美術品については、相続税納税時に特例措置を受けることができます。

 具体的には、相続税を金銭で納付することが困難な場合、金銭以外の相続財産で相続税を納付(物納)できますが、その際の優先順位は、第一位:国際及び地方債又は不動産及び船舶、第二位:社債及び株式、第三位:動産、となっています。

 美術品は原則として第三位の動産に含まれますが、登録美術品については特例措置により第一位となり物納が容易になるという特典が受けられます。

 

登録美術品となるための条件

 登録美術品として登録されるためには、多くの人から鑑賞が望まれるような優れた美術的な価値を有している必要があります。

 そのため、登録美術品は、およそ以下のような基準を満たす必要があります。

1.日本の重要文化財や国宝に指定されている作品
2.世界文化の見地から歴史上、芸術上又は学術上特に優れた価値を有する作品

 

 登録美術品を登録する美術館にも条件があります。美術品の取扱いや管理について十分な能力がある美術館等出なければなりません。

 具体的には、博物館法に規定する、「登録博物館」または「博物館相当施設」のうち美術品を展示する施設、とされています。

 登録美術品の公開契約にもいくつかの要件が存在し、おもなものとしては以下のような要件を満たす必要があります。

1.5年以上の期間にわたって有効な公開契約であること
2.契約期間中は、契約者が一方的に解約の申し入れをできないこと

※残念ながら、国立美術館との美術品の公開契約において対価を受けることはできないようです。(美術品の美術館における公開の促進に関する法律に基づく美術作品の受入に関する規則第13条1項)

 

登録美術品制度を利用するメリット

 登録美術品制度を利用するメリットをまとめてみたいと思います。

 

 美術品所有者のメリットとしては・・・

1.美術品の保管・管理を美術館に任せることができる。
2.前記の相続税の特例措置を受ける機会がある。

 前者については、美術品の管理費用は、その美術品にもよると思いますが多額である場合もあることから大きなメリットではないでしょうか。また、所有美術品の金銭的な価値が高騰しているような場合には後者のメリットも大きな意味を持つ場合があるのかもしれません。

 

 美術館のメリットとしては・・・

1.公開契約が原則5年以上であることから美術品の安定した公開が可能。
2.登録美術品の相続税物納後も安定した公開が可能(物納された登録美術品は国が契約美術館に優先的かつ継続的に無償貸与される予定)

 

関連リンク

 文化庁の下記リンク先では制度の概要や法令、登録状況や公開計画について参照することができます。

 参考サイト:文化庁ウェブサイト「美術品をお持ちの方々へ(登録美術品制度の御案内)」

 

本記事は、2016年09月06日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

yoshida 吉田秀平

弁護士

上場企業の総務・法務を担当した経験を活かして、中小企業、ベンチャー企業、スタートアップの支援をさせて頂きたく思っています。訴訟になる前に、リスクが顕在化する前に、低コストで高い効果の予防法務サービスを提供することが目標です。

  • 所属:しぶや総和法律事務所


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