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知ると便利な不動産税制:相続税③

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財産は土地建物以外にも・・・

知ると便利な不動産税制では、不動産に関わる様々な税の仕組みについて、ご紹介しています。

今回の「知ると便利な不動産税制:相続税③」では、前回の「知ると便利な不動産税制:相続税①~②」に引き続き、相続や遺贈によって取得した遺産に対して課税される、相続税について、ご紹介します。

参考記事:知ると便利な不動産税制:相続税①
参考記事:知ると便利な不動産税制:相続税②

 

前回の「知ると便利な不動産税制:相続税②」では、土地や建物等の財産の評価方法について、ご紹介しました。しかし、もちろん財産は土地や建物だけではありません。

そこで、今回は、土地や建物以外の評価が必要な財産として、株式の評価方法について、簡単にご紹介していきます。

 

株式には、大きく分けて2種類の株式があります。
それは、「上場株式」と「取引相場のない株式」です。

上場株式は、東証一部やナスダックなどの市場で取引される株式のことで、一般的に知られている「株」といえば、こちらでしょう。

一方で、「取引相場のない株式」つまり「非上場株式」も存在します。

市場で取引されたことがないため、どの程度の価値があるのかは、税務署で判断することになります。今回は、この非上場株式の評価方法を中心にご紹介します。

 

上場株式の評価方法

「財産評価基本通達」に定められている評価方法によると、上場株式は、その株式が上場されている証券取引所が公表している複数種類の最終価格のうち、最も低い価格によって評価されます。

評価の対象となる公表される価格は以下の通りです。

①課税時期の最終価格
②課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
③課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の月平均額
④課税時期の属する月の前々月の最終価格の月平均額

上記①~④までのうち、一番低い価格によって、評価額が決定します。

参考サイト:国税庁「財産評価基本通達」

 

取引相場のない株式の評価

取引相場のない非上場株式は、相続によって株式を得た方が、支配株主かどうか、つまりその会社の株主としてどの程度の影響力を持つ方なのか、さらにその会社の規模の大小によって、評価方法が異なります。

それぞれの区分は、財産評価基本通達に従って行われます。

 

〈株式の取得者が支配株主である場合〉
株式の相続による取得者が持ち株割合等から判断して支配株主に該当する場合には、会社の規模により、次の3つの評価方式に分かれます。

会社の規模の判定は、①総資産価格、②従業員数、③取引金額の3つの判定要素によって行われ、大会社、中会社、小会社の3つに区分されます。

大会社の場合:類似業種比準方式(純資産価格方式との選択が可能)
中会社の場合:類似業種比準方式と純資産価格方式との併用方式
(規模によって、類似業種比準方式の割合を90%、75%、60%の3つに分けます)
小会社の場合:純資産価格方式(類似業種比準方式の割合を50%とする併用方式の選択が可能)

 

類似業種比準方式とは:上場会社の株価をもとに、配当や利益、純資産の上場会社に対する比準値を加味して株価を求めようとする方式。

一株当たりの評価額の計算方法は以下の通り。

類似業種の株価×比準割合×斟酌率(大会社70%、中会社60%、小会社50%)

なお、比準割合は、評価会社と業種が類似する上場会社の1株当たりの配当、利益、純資産の要素を比較して求めます。

 

純資産価格方式とは:会社が解散したと仮定した場合の純資産価格(資産-負債)から資産の含み益に対する法人税や住民税及び事業税を控除した後の金額で株価を求める方式です。

一株当たりの評価額の計算方法は以下の通り

(総資産価格-負債の額-評価差額に対する法人税等相当額)/発行済株式数

なお、評価差額に対する法人税等相当額は、相続税評価格より帳簿価格による純資産価格を引いた額に37%をかけたものとなります。

この2つの方式を比較した場合、一般的に、類似業種比準方式の方が表価格は低くなります。

 

〈株式の取得者が少数株主である場合〉
少数株主、つまり会社への影響力の少ない株主は、配当を期待するだけの株主のため、評価を簡単にするために、類似業種比準方式や純資産価格方式に代えて、配当還元方式で評価することができます。

配当還元方式とは、配当を一定の利率で還元して元本を求める方法です。

上記2つの方式が「原則的評価方式」と呼ばれるのに対し、配当還元方式は「特例的評価方式」と呼ばれます。

1株あたりの評価額の計算式は以下の通りです。

(年配当金額/10%)×(1株当たりの資本金等の額/50円)

 

年配当金額は、2年間の平均配当額を資本金等の額を50円で除した値で除して求めます。
無配の場合でも、2円50銭とします。

配当還元方式による評価額は、原則的評価方式よりも低く計算されると言われます。

 

〈特定の評価会社の株式〉
土地保有特定会社と呼ばれる、土地の保有割合が大会社は70%以上、中会社は90%以上、小会社は70%または90%以上で総資産価格が一定以上の会社の場合や、株式保有特定会社と呼ばれる、株式の保有割合が50%以上の会社の場合、株式の評価は原則として純資産価格方式で評価します。

相続を行う場合、被相続人が亡くなってから申告、納税を行うまでの期間が定められています。相続税法で定められた期間は、相続開始を知った日(被相続人の死亡した日)の翌日から10か月以内です。財産の把握から評価等を行い、納税額を計算するのに、一定程度時間がかかりますので、相続人であることを知った場合には、速やかに対応を始める必要があります。

財産の評価の方法は複雑で専門性が高いため、税務署に問い合わせるか、税の専門家である税理士などに相談を行い、早めに納税の手続きを進めることを、おススメします。

 

参考サイト:国税庁「相続税法」

 

本記事は、2017年08月31日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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