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知ると便利な不動産税制:贈与税③

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相続時精算課税制度

知ると便利な不動産税制では、不動産に関わる様々な税の仕組みについて、ご紹介しています。

今回の「知ると便利な不動産税制:贈与税③」では、前回の①や②に引き続き、不動産に関連することも多い、贈与税にまつわる制度をご紹介します。

参考記事:知ると便利な不動産税制:贈与税①
参考記事:知ると便利な不動産税制:贈与税②

 

今回は、相続税と贈与税の一体化措置(相続時精算課税制度)について、ご紹介します。

この相続時精算課税制度は、高齢者の保有する資産を次世代に円滑に移転させる観点から、平成15年度の相続税法改正によって創設されました。

60歳以上(平成26年12月31日までは65歳)の親または祖父母から推定相続人である20歳以上の子や孫(平成26年12月31日までは子のみ)への贈与について、選択制により、通常の贈与税制度に代えて、贈与時には非課税枠2500まん延を超える部分についてのみ一律20%で贈与税を納付し、相続時に相続税で清算を行うという制度で、まさに、相続税と贈与税の一体化と言える制度です。

参考サイト:法令データ提供システム「相続税法」
参考サイト:法令データ提供システム「相続税法施行令」
参考サイト:法令データ提供システム「相続税法施行規則」

 

相続時精算課税制度の適用要件

〈適用対象者〉

・贈与者:その年の1月1日において60歳以上の親または祖父母。(ただし、住宅取得等資金の贈与で一定の要件を満たす場合は、60歳未満でも適用できる。)

・受贈者:その年の1月1日において20歳以上のその贈与をした者の直系卑属である推定相続人である子または孫。人数の制限などはとくにありません。

 

〈適用方法〉

・この制度を選択する子または孫は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に税務署へ届け出書の提出が必要です(贈与税の申告書に添付)

・最初の贈与の際の届出により、相続時までこの制度は継続して適用されます。相続時精算課税選択届出書を提出した場合、その後その届出書を撤回することができません。複数回贈与された場合、一度届出を行うと、その後の贈与も自動的に相続時精算課税制度の対象となり、贈与額として加算されていきますので、注意が必要です。

・この制度の選択は、①受贈者が各々、②贈与者である父、祖父、母、祖母ごとに選択することができます。ですので、父からの贈与ではこの制度を選択し、母からの贈与では通常の暦年単位の贈与税を選択するということも可能です。

 

〈適用対象財産〉

贈与財産の種類や金額、贈与回数に制限はありません。

 

〈贈与時の贈与税〉

・相続時精算課税制度を選択した子または孫は、この制度にかかる親または祖父母からの贈与財産について、他の贈与財産と区別して、贈与税を納税します。

・非課税枠として、2500万円が控除されます。限度額まで、複数年にわたり控除されます。

・非課税枠を超えた部分については、一律20%の税率を乗じて贈与税額を計算し納付します。

・本制度を選択した子または孫が、本制度に係る親または祖父母以外の親または祖父母から贈与を受け、相続時精算課税制度を選択しない場合には、その贈与財産の価格から基礎控除110万円を控除し、通常の贈与税の税率を乗じて贈与税額を計算し、納付することになります。

※通常の贈与税の税率については、「知ると便利な不動産税制:贈与税①」をご確認ください。

 

〈相続時の相続税〉

・相続時精算課税制度を選択した子または孫は、受贈者である親または祖父母からの相続時に、それまでの贈与財産と相続財産とを合算して計算した相続税額から、すでに支払った本制度に係る贈与税額を控除されます。

・相続税の計算方式は、従来と同じ課税方式により計算します。
 ※相続税については、今後の回で詳しくご紹介する予定です。

・相続税額から控除しきれない贈与税額は還付を受けられます。

・相続財産と合算する贈与財産の価格は贈与時の時価とします。よって、贈与を受けた後、その贈与額を基に金銭を得た場合にも、得た金銭は贈与されたものの金額には含まれません。

・相続時精算課税制度を選択し、適用した財産が無くなっていても、相続財産に贈与時の時価を合算しますので、注意が必要です。

・相続時精算課税による財産については、小規模宅地等の減額の特例の適用はありません。

※参考サイト:国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」

 

相続時精算課税選択届出書の添付書類

相続時精算課税選択届出書は、受贈者が贈与を行った人物ごろに、申告期限までに贈与税の申告書に添付して、所轄税務署に提出する必要があります。

その際には、以下の添付書類が必要となります。

・受贈者の戸籍の謄本もしくは、抄本、または戸籍の附票の写し
・受贈者の20歳に達した時以後の住所または居所を証明する書類
・贈与者の住民票の写しまたは戸籍の附票の写し
・贈与者の60歳に達した時以後の住所または居所を証明する書類

 

この他、実際の相続時には、下記のような場合も考えられます。

相続時に相続人の中に相続時精算課税を選択しているか否か、不明な場合があります。その場合には、相続人は被相続人の死亡時における住所地の所轄税務署に対して、贈与税の申告内容の開示を求めることができます。

また、相続時精算課税を選択し、生前贈与を受けている養子が養子縁組を解消されたような場合でも、相続時精算課税制度の適用は継続します。よって、旧養親の相続の際には、その時点で養子養親の関係では無かったとしても、相続税の申告を行う必要があります。

贈与時には、複雑な事例もありますので、税務署か、税の専門家である税理士に相談することを、おススメします。

 

本記事は、2017年07月28日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

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