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知ると便利な不動産税制:贈与税⑤

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贈与税の配偶者控除とは?

知ると便利な不動産税制では、不動産に関わる様々な税の仕組みについて、ご紹介しています。

今回の「知ると便利な不動産税制:贈与税⑤」では、前回の①~④に引き続き、不動産に関連することも多い、贈与税にかかわる制度をご紹介します。

参考記事:知ると便利な不動産税制:贈与税①
参考記事:知ると便利な不動産税制:贈与税②
参考記事:知ると便利な不動産税制:贈与税③
参考記事:知ると便利な不動産税制:贈与税④

 

前回の「知ると便利な不動産税制:贈与税④」では、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例についてご紹介しましたが、この制度は、直系尊属から直系卑属、子ども又は孫へ住宅取得等資金の贈与を行った場合の贈与税の特例でした。

お子さんが住宅を購入する際の資金援助を行う際などに利用されます。

 

一方、不動産を購入する場合を考えると、結婚している方が住宅を購入することが多いでしょう。家長が100%家の代金を支払い、権利も1人で持つ場合もありますが、もしもの時のために、夫と妻双方が住宅の権利を持つという場合も多くなっています。

ご夫婦でお仕事をされていて、双方に一定の収入があれば良いですが、中には片方が家事を主にされていて、資金がないという場合があります。

そんな時には、夫婦間であっても、居住用不動産の購入資金の贈与が行われます。

 

また、現在居住用として夫婦の片方が所有していた土地や建物の権利の一部を、自分が亡きあとのことを考えて、配偶者に贈与したいという場合なども考えられます。

今回ご紹介する贈与税の配偶者控除は、まさにそんな場合に役立つ制度です。

 

夫婦の間で居住用不動産又は居住用不動産の購入資金の贈与があった場合には、贈与税の申告をすれば、基礎控除の110万円のほかに、最高で2,000万円までの配偶者控除が受けられます。

例えば、Aさん(夫)が妻のBさんに、現在夫婦で住んでいる、固定資産税評価額800万円の居住用家屋とその家屋が立つ相続税評価額3,600万円の敷地の権利をそれぞれ半分ずつ贈与したとします。

家屋と土地はどちらも居住用財産と考えられますので、この場合は、そのどちらもが居住用不動産の贈与税の配偶者控除の対象となります。(なお、引き続いてその住宅用家屋に住み続けることが制度の適用を受けるための要件となるため、妻は、贈与を受けた後も、その家屋に引き続き居住の用に供すると考えます。)

 

すると、課税される財産価格の合計額は、800万円×1/2+3,600万円×1/2=2,200万円、
配偶者控除は2,000万円まで、基礎控除額は110万円ですので、2,200万円-2,000万円-110万円=90万円となり、贈与税率は200万円以下の場合の10%となりますので、贈与税額は90万円×10%=9万円となります。

控除額が大きいため、制度の適用を受けた場合の効果は高いと言えます。

贈与税の税率については、「知ると便利な不動産税制:贈与税①」に詳しく一覧を記載いたしましたので、合わせてご覧ください。

参考記事:知ると便利な不動産税制:贈与税①

 

また、この配偶者控除は、同じ配偶者間について、一生に一度しか受けることができませんので、注意が必要です。

同じ配偶者間についてなので、例えば、前妻との間で行い、再婚後一定期間(20年)を経た後に、その再婚相手の方へ贈与を行いたい場合などは、もう一度適用を受けることができます。

参考サイト:法令データ提供システム「相続税法」

 

贈与税の配偶者控除の適用要件

贈与税の配偶者控除を受けるためには、下記のすべての要件に当てはまる必要があります。

・婚姻期間が20年以上の配偶者からの贈与であること
・居住用不動産、又は、居住用不動産取得のための金銭の贈与であること(居住用不動産には、居住用の土地や借地権、家屋などが含まれます)
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与を受けた居住用不動産または贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、実際に居住していて、その後も引き続き居住する見込みであること

以上の3点に当てはまれば、贈与税の配偶者控除が適用となります。
 
参考サイト:法令データ提供システム「相続税法施行令」
参考サイト:法令データ提供システム「相続税法施行規則」

 

申告に必要な書類は以下の通りです。

・財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以降に作成された、戸籍の謄本または抄本、および戸籍の附票の写し
・居住用不動産の登記事項全部証明書や、その他の書類で当該居住用不動産を取得したことを証するもの(平成28年度の相続税法の改正により、登記事項証明書のみだった書類の種類が、居住用不動産を取得したことを証する書類に変更されました。平成28年1月1日以後の贈与について適用されます。詳しくは、相続税法施行規則をご確認ください。)
・居住用不動産を居住の用に供した日以後に作成された、住民票の写し(戸籍の附票の写しに記載されている住所が当該居住用不動産の所在場所である場合には不要です)

 

相続との関係性

相続開始前の3年以内に、居住用不動産の贈与を受けていた場合についてもご紹介します。
相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産については、その価格を相続税の課税価格に加算した価格が、相続税の課税価格とみなされます。

ただし、贈与税の配偶者控除を受けていた場合、相続開始前3年以内に居住用不動産の贈与を受けていたとしても、贈与税の配偶者控除の適用を受けた部分については、相続財産には加算されません。

配偶者控除は、2,000万円が上限と定められています。

 

相続税や贈与税については複雑な点も多く、相続税評価額等の金額によっても、納税額が大きく変わってしまいます。

個別の事例について検討したい場合は、お近くの税務署に相談するか、税の専門家である税理士や経理のプロである会計士などに相談されることをおススメします。

 

本記事は、2017年08月09日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

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