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税金滞納はご法度!放っておくと、給与や住宅が差し押さえに!

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景気回復?税金滞納者はまだまだ沢山いる

アベノミクスが奏功しているのか、日本円は米ドルに対して1ドル=100円台を維持し、輸出銘柄主導で日経平均株価は2013年末に16,320円まで回復した。

2014年2月28日に公表された最新の労働力調査(2014年1月分)では完全失業率が3.7%と、こちらも株価にあわせるように好調な数字を示し、景気回復の様相が徐々に顕在化している。

 
しかし、一般の人たちには景気回復の恩恵を享受している実感がないのが現状だ。

まだまだ「日々生活していくことに手一杯で、債務(借金)や税金の支払いを後回しにして滞納してしまった」等という話は、枚挙に暇がない程に耳にする。

ここでは、債務の滞納に関する話は別の稿に譲り、「税金を滞納するとどうなるのか」について掘り下げてみたい。

 

税金を滞納するとどうなるのか

(滞納した)税金は法律上の債権の一種ではあるものの、国や地方自治体に対する「借金」と考えていると痛い目に遭いかねないので注意して欲しい。

消費者金融や銀行等といった民間金融機関に対する「借金」とは違うのだ。

税金は「非免責債権」といって、自己破産や任意整理をしたところで支払いを免除されることも、減額されることもない。必ず払わなければならいものであり、滞納すれば年9.3%という高利で延滞金がつく。

※延滞金の利率は平成25年までは2ヶ月目以降14.6%であったが、平成25年度の税制改正で軽減された(1ヶ月以内の延滞も4.3%から3.0%に軽減)。

 
さらに国や地方自治体は、国税徴収法や地方税法等の規定によって、金銭債権の履行がない(税金の支払いがない)場合は裁判所の決定を経ずに「強制徴収」ができる。いわゆる差し押さえだ。

もちろん、民間金融機関も民事執行法に基づいて債務者(借金をしている人)の財産を差し押さえることはできる。

しかしながら、民事執行法上の差し押さえは裁判所に申し立てを行い、これを認めてもらう必要がある。さらに債務者が多重債務であれば、他の債権者との兼ね合いも生じてくる。

裁判所を通さず、有無を言わせずに強制徴収できる国や地方自治体とは大きく異なるのだ。

 

給与や預貯金の差し押さえ

差し押さえの対象となる動産でまず挙げられるのが預貯金口座だ。

銀行やゆうちょ銀行に現金を預け入れているのであれば、「それを税金の支払いに充てろ」というのは至極もっともな言い分だ。

住民税や市民税の支払いを滞納していながら、役所や税務署から届く督促状も見て見ぬフリをしていると、「ある日突然、銀行口座の残高が0円になっていた」なんてことになる。通帳に記帳すると差し押さえられた金額とともに「差押え シヤクシヨ」と印字されている。

こうなってしまっては後の祭りだ。

役所や税務署は一度差し押さえたお金を返してくれることはない。「税金の他にも支払いがあるので、何とかならないか・・・」と泣きついたところで「今後はちゃんと払ってくださいね」と言われるのがオチで、当然に今更の分納の相談にものってくれない。

※差し押さえに対する異議申し立て、不服申し立ては可能だが、差し押さえた側に法的な落ち度がなければまずもって異議が通ることはないと思った方がよい。

 
なお、預貯金も満足な額がない場合、差し押さえの対象は給与だ。
※先に給与から差し押さえられる場合や、預貯金と給与を同時に差し押さえられる場合もある

ただし、給与に関しては以降の債務者の生活を考慮して、差し押さえ可能範囲を「基本給から社会保険料や税金を引いた額=手取りの1/4まで」と決められている。

そのため、例えば総支給額が25万円で手取りが20万円だった場合の差し押さえうる金額は、月額5万円となる。

「なんだ5万円で済むのか」と思ったら大間違いだ。

ひと月5万円なのであって、この差し押さえは滞納額を完済するまで続くうえ、出世して昇給すれば差し押さえ金額もあがる。ましてやすぐに追加で差し押さえられてしまうため、預貯金をすることもできないのだ。

さらに、給与の差し押さえは必然的に職場に話が行ってしまうため、職場での立場が気まずくなるのは言うまでもなかろう。
※支払いは、いわゆる天引きの形で職場から債権者(この場合は役所や税務署)に支払われる

 

住宅の差し押さえ

不動産を所有している人に多いのが、固定資産税(土地や家屋といった固定資産の保有にかかる税金)の滞納だ。

「せっせと頭金を貯めて念願のマイホームを購入したのはいいが、残りの住宅ローンの支払いや子供の進学費用等が重なって、固定資産税を滞納してしまった」等と言う話は、それこそ枚挙に暇がない。

固定資産税も市民税や住民税と同様に、延滞すれば1ヶ月以内で3.0%、2ヶ月目以降は9.3%の利率で延滞金が加算される。

また、土地や家屋にかかる税金なだけあって納税額が比較的高額になりがちであるため、そこに延滞金が加算されると雪だるま式に滞納額が増えてしまいかねない。

 
固定資産税の場合も、預貯金や給与が差し押さえ対象となるが、それでも回収しきれないとなれば、役所は不動産を差し押さえる。

そして、差し押さえられた不動産は不動産登記簿に差押登記をされて、債務者の任意で売却することができなくなる。遂には競売にかけられて現金化され、回収した現金は役所を含めた各債権者のもとへ行ってしまう。

不動産を競売で現金化してなお回収しきれない分は、競売後も分納しなければならない。
税金を滞納したばかりに、家を失ってなお債務が残ってしまう、踏んだり蹴ったりとなりかねない。

 

やむを得ず税金を滞納したら

家計の事情でやむを得ず税金を滞納してしまう場合は、予め役所や税務署に赴き、事情を伝えて分納や延納の相談をするべきだ。

滞納前の相談や滞納直後の相談であれば、役所や税務署もむげな対応はしてこないだろう。

また、給与の差し押さえの場合は、職場に通知が行った段階でスグに役所に駆け込み、差し押さえ寸前で分納を了解してもらえたケースもなくはない。

 
ただし、税金の支払いは滞納分を分納にしたところで、またスグに次の通常の支払い期日が到来し、滞納分とあわせて毎月の負担が増すだけになりかねない。

そういった場合では、抜本的な家計の見直しはもちろんのこと、住宅等の財産の処分も検討しなければならないだろう。

いずれにせよ、検討や対応が早ければ早いほど採れる選択肢は多く、遅くなればなるほど取り返しがつかなくなる。

 

税金滞納による差し押えの延期申請が可能に?

ところで、年明け早々の1月3日付け日経新聞が、「政府は税金を滞納した個人や企業が、国による財産の差し押さえの延期を申請できる制度を2015年4月に導入する」と報じている。

「税金を支払う意思があるものの、期限までに納税できず、財産を差し押さえられると生活が困難になる個人や企業」が対象で、「財産が差し押さえられると、事業継続や生活が難しくなること」が条件だという。

やむを得ず税金を滞納してしまっている個人や法人にとっては、非常に良策となろう。

本記事は、2014年03月11日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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