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空き家活用に活路-「借主負担DIY型」

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貸主・借主、どちらも喜ぶ空き家活用

高齢化や人口の都市部集中で空き家が増えている。空き家が増えた地域では、防犯、防災、衛生、景観などの点が問題となり、地域住人に不安を与えている。

空き家ではなく実際に人が住んでいたとしても、住人が高齢で管理ができなければ同じことだ。

特に、窓開け、水流し、ポスト確認、外壁や屋根補修、清掃、除草、庭木剪定等など、戸建てはマンションより余計に注意箇所が多いため管理は大変となる。

 

「空き家になれば、賃貸物件として入居者を募集すればイイだけでは?」と思うかもしれないが、つとに空き家が増えているのは都市部ではなく郊外であり、郊外では相応に住宅需要が少ないため、借主を探すのは容易ではない。

また、都市部・郊外に関係なく、空き家のほとんどは築年数の古い物件であることも、借主を探すことを困難にしている。

 

ところで、2014年3月に国土交通省住宅局住宅総合整備課が主導してまとめた“個人住宅の賃貸活用ガイドブック”をご存知だろうか。

このガイドブック、中を覗くと主に「借主負担DIY型」という空き家活用を促進するための仕組み案を紹介した内容となっている。

借主負担DIY型」とは、簡単に言うと『借りる側がリフォームをして住み、退去時に原状回復はしなくてよい。貸主もリフォーム費用が軽減できる』という、貸主・借主双方に嬉しい折衷案だ。

「取り壊す」ことだけを空き家問題の解決策としない、空き家のこれからを提案していくアプローチの一つだといえよう。

参考サイト:国土交通省住宅局住宅総合整備課「個人住宅の賃貸活用ガイドブック」(PDF)

 

賃貸物件を「借主負担DIY型」にするメリット

「借主負担DIY型」では、貸主は現状のまま物件を貸し出し、借主が代金を負担してリフォームを行う。

この仕組みを空き家の貸し出しに利用することで、貸主・借主も双方納得できる以下のようなメリットが生まれることが期待されている。

 

貸主側のメリット
・リフォーム代を負担することなく、現状のまま物件を貸し出すことができる。
・借主好みにリフォームできることがウリとなり、借主探しのハードルが下がる。
・借主好みにリフォームできるため、長期居住してくれる可能性が高まる。
・借主のリフォーム次第では、物件価値が上がる可能性もある。

借主側のメリット
・持ち家のように、物件を自分好みに自由にリフォームすることができる。
・リフォーム代を負担する分、賃料を安く抑えることができる。
・退去時に原状回復する必要がないため、手間も費用も抑えられる。

 

通常、古い空き家を貸し出すためには各種リフォームが必須でありながら、多額の費用をかけてリフォームしても、そのリフォーム内容にウリがなければ、依然、借主に見向きされないリスクがある。

さらに運よくリフォームが奏功して借主が見つかったとしても、家賃収入でリフォーム代を回収できなければ元も子もない

借主側も、月並みのリフォームが施された物件に、相応の家賃を支払って暮らすことになんらの魅力も感じないことが多々あろう。

「借主負担DIY型」は、そういった貸主・借主双方の不満や不安を解消して、賃貸契約に繋げる仕組みなのだ。

さて、いいこと尽くめのように見える「借主負担DIY型」だが、「借主負担DIY型」であればこそ、注意しなければならない事項もある。次に注意点を見てみよう。

 

「借主負担DIY型」だからこその確認事項

「借主負担DIY型」によっていろいろな垣根が低くなることで、借り手候補が増える可能性はあるが、この仕組みの大きなウリである“原状回復なし”が、後々のトラブルとならぬよう、事前の細かい取り決めや確認は必須だ。

前出の国土交通省住宅局住宅総合整備課の“個人住宅の賃貸活用ガイドブック”には、例として以下のような確認事項が載っているので紹介しておこう。

入居前の事前確認事項
1.DIYを実施可能な箇所の確定(壁、床、棚、収納、トイレ、台所、風呂等)
2.施工方法、時期、必要な近隣対応
3.実施箇所について原状回復義務の免除
4.実施後の確認方法
5.実施箇所、入居時期、契約期間等を勘案した家賃設定

DIYを実施する際の確認事項
6.DIYの実施箇所の確定(1と同時の場合もある)
7.施工方法、時期、必要な業者の選定(2と同時の場合もある)
8.実施後の確認方法

引用元:国土交通省住宅局住宅総合整備課「個人住宅の賃貸活用ガイドブック」

 

「借主負担DIY型」、目先の課題は認知度向上

「借主負担DIY型」は、あくまでも空き家活用促進のために国土交通省が提案した一案であり、仕組み導入の時期はもちろんのこと、仕組み導入の実現そのものすら決まっていない。

 

ただし、大手不動産住宅情報サイト「SUUMO」(リクルートグループ)が首都圏の賃貸住宅居住者を対象に行った調査によれば、「借主負担DIY型」の評判は上々の模様。

調査対象者の約半数が、「借主負担DIY型」の利用に興味を示しているのだという。

やはり、この仕組みが実際に導入されれば、一定の需要が喚起されて、空き家の活用が促進される可能性は大いにありそうだ。

参考サイト:SUUMO”DIYをあきらめた人は約2割。賃貸の不自由を解消する「借主負担DIY型」とは”

 

本記事は、2016年01月29日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


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