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終活と故人情報-死後に残るデジタルデータ

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墓場まで持って行きたい情報

遺産相続では、多くのケースで遺族が故人の住居や部屋を整理することになる。また、知人や生前の援助者がこれを行うケースもある。時には、完全な第三者である“遺品整理の業者”が、故人の生前の生活空間に立ち入って、故人が遺した物に触れるケースもある。

 

ところで、最近では、高齢者層にもパソコンやスマホが普及し、それらを見事に使いこなしている人が少なくない。

仕事、趣味、個人嗜好に応じてWebサイトを閲覧することや、Twitter・Facebook・LINEといったSNSで情報収集・発信を行うことが習慣化しているのは、なにも若年層に限ったことではない。

もし、何も準備をしないまま逝ってしまったら、生前にパソコンやスマホの利用を通じて蓄積されたWeb閲覧履歴、写真等のデータ、書き綴っていたブログ・SNSはどうなるのであろうか。

人には往々にしてそれぞれ“秘密=人に知られたくない情報”がある。そういった“秘密”をパソコンやスマホ、またはインターネット上に隠したまま、誰の耳目にも触れさせず、文字通り「墓場まで持って行こう」と思っている人はどうすべきなのだろうか。

 

そんな時のために、遺言書の作成や生前整理で、遺産に関する意思表示とともにカバーしておきたいことが、プライバシーに関わる情報の取り扱いだ。

本稿では、特に、故人に関するデジタルデータの取り扱いについて解説したい。

 

個人情報保護法における故人の扱い

個人情報保護法(正式名称:個人情報の保護に関する法律)では「個人情報」を以下のように定義している。

個人情報保護法第2条(定義)
この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。

 

さらに総務省のWebサイトを見てみると、“死者に関する情報”を以下のように説明している。

生存する個人に関する情報でないことから、一般的には、個人情報に当たりません。しかし、死者に関する情報であっても、当該情報が遺族等の生存する個人に関する情報でもある場合には、生存する個人を本人とする情報として、個人情報に当たることになります。例えば、死者に関する情報である相続財産等に関する情報の中に遺族(相続人)の氏名の記載があるなど、遺族を識別することができる場合には、当該情報は、死者に関する情報であると同時に、遺族に関する情報でもあります。(引用元:総務省Webサイト

 

要するに、“遺族にも関係する情報”以外の死者に関する情報は、基本的に“個人情報には該当しない”ということだ。

亡くなってしまえば、その故人のプライバシーに関する権利は、保障されない。

例えば、「誰であろうと、私のパソコンに触ってはならない」と生前に主張していても、その人が亡くなってしまえば、そのパソコンは遺産の一部となり、その中にある情報はプライバシー権を失い、遺族や遺産の整理を託された人の目に触れてしまうのだ。

 

死後にデジタルデータを自動で削除

例え自分の死後であっても、“誰にも/特定の誰かに”知られたくない情報がある場合の、生前にできる対処法としては、①都度、情報の廃棄・削除を行う(生前整理)、②遺言書に情報の廃棄・削除を指定する旨を書き記す、③弁護士や司法書士といった法律の専門家に廃棄・削除を託す、④よほどの信頼関係にある人間に廃棄・削除を託す、等が挙げられる。

これらは、デジタルデータの取り扱いに限らず、日記や手紙の処分にも通ずる方法だ。

 

デジタルデータに限った処分方法では、昨今、様々な技術やサービスが生まれているので、それらを活用するのも手だ。

例えば、大手ポータルサイトのYahooが手掛ける「Yahoo!エンディング」というサービスがある。これは、生前に自身が設定しておいたことを、自身の死亡が確認された段階(※)で自動的に実行するサービスで、遺族を介さずとも、生前に登録していた友人・知人宛に自身の死去を知らせるメールを送ること等が可能となる。

これに、Yahoo!ボックスというクラウドサービス(Yahooのサーバー上に、写真等を始めとする各種デジタルデータを保管しておき、それらのデータをインターネット経由で利用するサービス)を組み合わせ、自身の死後に自動でYahoo!ボックス内のデータを消去すること等も可能なのだそうだ。

※Yahoo!エンディング独自の、亡くなったことを公的証明書を基に確認する死亡確認オペレーションがあるのだという。

参考サイト:Yahoo!エンディング

 

その他、パソコン内のデータであれば、“予め設定したおいた日数”、当該パソコンが起動されなかった場合に、特定の情報をハードディスクから削除するソフトウェア等もあるようだ。

 

本記事は、2016年02月03日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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