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結局、お墓は足りてるの?-最近のお墓事情

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お墓不足は一層深刻化するのか?

少子高齢化が加速する日本。厚生労働省によると、この高齢化がピークに達すると見られる2040年には、死者の数が昨年(2015年)一年間のおよそ130万人から更に30%程増えて、およそ166万人に上る見通しであるという。

「高齢化によってますます高齢者が増える」のだから、「亡くなる人もあわせて増える」という見通しは至極自然な話だ。

 

さらに、亡くなる人が増えるとなると、お墓の必要数も増えると考えるのがこれまた自然なのであろうが、果たしてそれは本当だろうか。

先祖代々のお墓がある人もいるものの、人口の都市部集中や核家族化等の影響から、昨今では都市部で新たにお墓を持つ人が増えたため、一部の都市では深刻なお墓不足になっていると喧伝されている。

高齢化社会がピークに向かうにつれて、「お墓不足」傾向はより一層深刻化するのだろうか。

 

多様化する死後の居場所に関する考え方

永代供養や樹木葬、納骨堂に散骨等など(それぞれの詳細については後述)。

ここもと、お墓に関する人々の考え方は多様化してきており、「亡くなったらお墓に埋葬」という一般的な様式にこだわらない人が少なくない。

「寂しくないよう、大勢の人と一緒に供養されたい」「残された人にお墓の管理で手間や苦労をかけたくない」「子供がいない」「無縁仏(供養する人や管理者がおらず、放置された石仏等のこと)になりたくない」「お墓持つにはお金がかかる」等など、その理由や背景は様々で「なるほどなぁ」と納得してしまうこともしばしば。

そうした、従来のような「お墓」にこだわりをもたない人も増えていくとすれば、もしかしたら「お墓不足」は高齢化のピークを迎えるよりもずっと前に、ピークアウトする可能性があろう。

それどころか、ともすれば、2016年現在で既にピークアウトしている可能性もあるかもしれない。

 

実は都市部でもお墓需要は二極化?

東京都が公表している「都立霊園公募受付状況と公開抽選について」を見てみると、平成27年度の青山霊園(東京都港区)の一般埋蔵施設(一般的な区画割した平面墓地)は募集数50に対して応募受付数は645。倍率は実に12.9倍の狭き門であったのだそうだ。

他にも一般埋蔵施設は谷中霊園(東京都台東区)が同13.0倍、小平霊園(東京都東村山市)が7.4倍、多磨霊園(東京都町田市)が3.3倍。芝生埋蔵施設(芝生に等間隔に墓碑が並ぶタイプ)では八王子霊園(東京都八王子市)が5.1倍。

多磨霊園みたま堂の長期収蔵施設(30年更新の大規模な納骨堂)に至っては、22.8倍もの倍率になったのだという。

確かに東京都が管理・運営する都立霊園は軒並み人気が高く、少ない供給量に対して需要が殺到するため、高倍率の抽選を潜り抜けないと新たにお墓を建てることができないようだ。神奈川県でも、特に人口が密集している横浜市が同じ状況なのだという。

参考サイト:東京都「平成27年度 都立霊園公募受付状況と公開抽選について」

 

ただし、お墓(用地も含む)不足が深刻なのは東京都で言えば都立霊園だけで、実は都内でも墓地区画が余っているケースは少なくないという指摘もある。

余っているのは、投資目的で敷設された民営の施設や、檀家離れが進む寺院墓地だ。

民営の施設(機械式の納骨堂が多い)は、とかく「都内のお墓不足」が叫ばれた数年前から、それをビジネスチャンスと捉えて敷設されるケースが急増したことで、売れ残りを抱えている施設が少なくないのだという。

また、寺院が運営・管理する墓地も、とりわけ都会では檀家を辞めて先祖代々のお墓を利便性の高い民営の納骨堂に移すケースや、そもそも継承者不在の無縁仏となってしまうケースが増えて、結果的に墓地として利用する区画が余ってしまっているのだという。

ましてや、やはりお墓不足が叫ばれていた頃に、寺院として受け入れを増やせるよう、永代供養墓や納骨堂を増設したものの、「実際の申し込みはさっぱり」というケースが少なくないのだそうだ。

 

このように、東京のような都心部であっても、視野を広げれば選択肢は非常に多くある。

もちろん、どうしても公立霊園の一般墓地が望ましいならば、早い段階から相応の準備期間を設けて抽選に応募を続けるのもナシではない。

先祖代々のお墓に入るのでなければ、「お墓はますます足らなくなるから、今買っておかないと!」等と謳ってセールスにくる営業マンの言葉を鵜呑みにすることなく、自分やその家族に適したものを選びたいものだ。

 

昨今の「死後の居場所」事情

最後に、一般的なお墓を含め、昨今の「死後の居場所」事情を紹介しておこう。

一般的なお墓
霊園の一定区画に墓石や墓碑を建てる。土地の使用料や墓石代で200万円~。

納骨堂
遺骨を預かって安置する施設。土地の確保が困難な都心部では、多数のロッカー式納骨壇が集合した機械式の納骨堂が増えている。一代限り、33回忌まで遺骨を安置した後、合祀(他者の遺骨とともに埋葬)するタイプ等が一般的。宗派は問わず。25万円程度のものから、数百万円かかるタイプも。

永代供養墓
寺院が永代に渡って管理・供養してくれるお墓。お墓の継承者がいなくても、無縁仏になる心配がない。一定期間、遺骨を納骨堂に安置した後に合祀するタイプや、最初から合祀墓に埋葬するタイプ(10万円程度~)等がある。

樹木葬
墓石ではなく樹木の下に埋葬し、樹木を墓標とするお墓。どこでもできるわけではなく、墓地として正式な許可を受けた場所でないと、法律上、違法となってしまうことに注意が必要。死後に「自然に還る」ことを望む人等に選ばれる。桜の木の下に埋葬する桜葬等も。20万円程度~。

散骨
火葬した遺骨を粉末状にして山や海に撒く埋葬方法。死後に「自然に還る」ことを望み、かつお墓に埋葬することにこだわらない人等に選ばれる。ただし、”節度を超えた散骨”は「墓地、埋葬等に関する法律」や「刑法」といった法律に抵触する恐れがあるので注意が必要。

 

本記事は、2016年07月29日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
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