法務・税務・労務などの問題解決エンジン
some system placed here.

自己破産てナニ?自己破産後はドウナルノ?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

はじめに
自己破産と聞くと、非常にネガティブで、人生の末路のようなイメージがある人も多くはないハズ。

確かにいいことではないし、一度きりの人生、願わくば自己破産等することのないものにしたいもの。

しかし、人生は何が起こるかわからない。

自身の無計画な浪費癖で多額の借金を負うケースはまだしも、善意で他人の債務の連帯保証人になるも本人に逃げられて借金を負ってしまうケース、他人に騙されて借金を負うケース、病気や怪我で働けなくなって借金を負うケース、家族や親類が作った借金を肩代わりさせられるケース等、借金を負う原因は様々ある。

借りたお金が返せなくなった場合、日本では任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4つの手段のいづれかによって借金の整理をすることができる。

ここでは、このうちの自己破産についてまとめた。

自己破産とは

自己破産とは、所有する財産のすべてを放棄するかわり、債務のすべても支払い義務が免除される手続きのこと。

経済的に困窮し、債務(借金)の支払いが不能となった債務者(借金した人)が地方裁判所に申し立てを行い、裁判所がこれを認めて破産宣告を出すと、免責決定となる。

こんな具合に書いてしまうと、財産を持ち合わせていなければ、いとも簡単に、かつ気軽に借金が清算できると思われかもしれないが、自己破産の要件は「債務者が支払い不能」であることが大前提であり、破産の申し立てを行っても、収入状況や保有財産、借り入れ状況、借り入れたお金の用途等が非常に厳しくチェックされ、免責が不許可となることがある。

そのため、制度の悪用はできないということを記憶に留め置いて欲しい。
以降に自己破産が免責不許可となる事由を紹介する。

自己破産の免責不許可事由

破産法第252条1項で免責許可の決定の要件として「裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする」と前置きしたうえで、同4項にて「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」を挙げている。

要は、借り入れたお金が浪費やギャンブルに消えていた場合、原則として自己破産の免責許可は降りないのだ。これが、免責不許可事由で最も多い。

少し考えれば当たり前のことで、これを許してしまうと、例えば「経済的に追い詰められた者が最後の最後に一発逆転を狙い、借りれるだけ借りて、ギャンブルをする。運よく勝てば借金生活から脱出。当然のように負けたなら、自己破産をすればいい」なんていうことがまかり通ってしまうためだ。

なお、その他の代表的な免責不許可事由としては、以下のような例がある。

  • 当初から換金目的で、借入金で金券やブランド品を購入していた。
  • 財産隠しをしていた。
  • 去に免責を受けていたことがある。

このうち、「財産隠し」とみなされるケースで多いのが、例えば、夫名義の住宅や車を妻名義に変更してから自己破産を申し立てたり、形式上で離婚して慰謝料代わりに住宅を譲渡していた場合だ。

前者の場合は、夫がそのままその住宅に住み、車を運転していれば、債権者(お金を貸した側)が納得するべくもない。また、後者の場合も、夫の借金が原因で妻が本当に愛想を尽かしていたとしても偽装離婚を疑われることが多い。

また、過去に免責を受けていたとしても、法的には前の自己破産から7年が経過すれば、再度自己破産ができるとされている(同法252条10項)。ただし、過去に免責されたことがある場合、たとえ7年以上が経過していたとしても、2回目以降は裁判所のチェックがより厳重となり、相当の事由がなければ免責が下りない。

いづれにせよ、明らかに意図した財産隠し等でなければ、「絶対に免責許可が下りない」ワケではないため、心当たりがある場合は、弁護士や司法書士といった法律の専門家に事情を説明して判断を伺ってみることをお勧めする。

※当たり前のことだが財産隠しの手段等に関する相談は門前払いとなるので、するだけ無駄である。

自己破産のメリットとデメリット

自己破産のメリットを挙げるとすれば、まずはすべての債務が帳消しになり、再スタートをきることができる点だろう。毎月の返済の悩みからは解放され、自分で稼いだお金を自由に使うことができるようになる。

一方でデメリットは、20万円を超える価値があって生活に必要としない財産が原則没収となることに始まり、当然ながら今後数年間は金融機関からの借入が行えなくることや、住所および氏名が官報(国の機関紙で誰でも閲覧可能※)に掲載されること、一部の要資格の職業に就くことができなくなること等が挙げられる。

なお、自動車はローンを払いきっていなければローン会社に引き上げられることとなり、ローンを払いきっている場合は、車両時価が20万円超と判断されれば没収、20万円に満たないと判断されればそのまま保有し続けることができる。

居住地域によっては自動車がないと生活できない地域もあるため、たとえ車両時価が20万円超であっても裁判所に認めてもらえれば、継続してその自動車を保有できる場合もある。

※官報 http://kanpou.npb.go.jp/

自己破産をしたらどうなるのか?

自己破産をすると、会社を追われて仕事を失くし、さらには一家離散となって、本人は3畳一間の狭いアパートで食うや食わずやの生活に・・・などという悲惨なイメージが独り歩きしているフシがあるように思う。

実際には、裁判所が申し立てを認めて免責が決定したからといって、特段、普段の生活に何か変化があるわけではないことが多い。

もちろん、免責決定によって財産と債務がなくなることで心情や家計等の面で大きな変化はあるだろうが、自己破産をしたことを理由に会社を解雇されることはない(そんな理由で解雇したら違法行為となる)し、ほとんどのケースで、自らが自己破産したことを公表しなければ知られることはない(官報を毎度毎度チェックしている人などそうはいない)。

テレビや洗濯機、冷蔵庫等(とりわけ高価な物でなければ、「生活に必要な物」として取り上げられることはない)がある家(持ち家やローン支払い中の物件であれば、出ていかなければならないが)に住み、いつもと変わらず同じ会社に通う日々が続くのだ。

もちろんケースバイケースで、自己破産によって失う物が大き過ぎると感じる人もいるだろう。そこは、個人個人が債務によって経済的に困窮している現状と、自己破産によって失う物を天秤にかけて判断すればよい。

また、もしかしたら、自己破産をせずとも、債務整理や個人再生等の別の手段で借金を圧縮することができるかもしれない。

ネットで調べた知識で頭でっかちになっても、それを自分のケースに置き換え、自身で正確な判断を下すことは難しいだろう。まずは専門家に自身の状況を相談し、自身にとってどのような手段があり、どの手段が最適なのか、助言を求めるのがいいだろう。

本記事は、2014年02月21日公開時点での情報です。個々の状況によっては、結果や数値が異なる場合があります。特別な事情がある場合には、専門家にご相談ください。
ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。


この記事のアドバイザー

prof Kasiko編集部

編集チーム

  • 所属:Kasiko

関連記事


新着記事
公式Facebookページ 公式Facebookページ
誰に何と相談していいかわからない方へ
050-7576-0762
[日本法規情報]
  • 平日10:00~20:00
  • 土日祝終日、受付のみ対応

誰に何と相談していいかわからないあなた。
私達が相談相手探しのお手伝いをいたします。

無料相談・全国対応 050-7576-0762 お電話ボタン